年末ということで、今年読んで面白かった投資に関する書籍を紹介していこうと思う。
今年は投資手法に関する書籍はほとんど読まなかった。手法なんていくらでもあるし、それよりも全体的・一般的なことを学びたいと思ったので。
ではさっそく紹介していきます!
ザ・タートル 投資家たちの士官学校
投資に興味がある人ならタートルズという言葉を知っているかもしれない。タートルズとは全くのド素人から伝説的なトレーダー集団となったトレーダー達のグループ名だ。
元々、わずか数百ドルの元手から数十億ドルを稼ぎ出したリチャード・デニスとその友人が、プロのトレーダーを育て上げることはできるのかという賭けをしたことがその始まりである。
デニスはニューヨークタイムズに広告を出し、トレーダー候補生を募集した。
集まった候補生は弁護士から証券マン、警備員、元俳優など、実に様々なバックグラウンドを持っていたが、ほとんどがド素人だった。そんなド素人がいかにして伝説的なトレーダー集団になっていったか、そして彼らはその後どうなったのかを記したのが本書である。
もちろん実話だ。ド素人が伝説のトレーダーになったという話だけでも十分Amazonさんでワンクリックしちゃうくらい興味深いが、どのような姿勢でトレードに臨むべきか、相場とどう向かい合うべきかという面でも学ぶべき点が多い。
特にボラティリティやエッジについての考え方は絶対に知っておくべきことなので、トレードに興味がある人やもうやっているという人にもオススメできる一冊だ。
マーケットの魔術師
超有名どころだが、あえて紹介してみる。それくらいやっぱり面白い一冊なのだ。
本書はアメリカでも伝説的なトレーダー達のインタビュー集である。彼らがどのようにして目もくらむような大金を稼ぎ出したのか、何を考えているのか、そして今から投資を始めるという人にどのようなアドバイスをするのかをまとめたのが本書である。
ベストセラーであり、投資をやるなら必ず読んでおくべき一冊であることは間違いない。
リスク管理の方法、損を出し続けた時にどうすべきか、必ず気を付けなくてはいけないことは何か、投資を始めた時はどのようにトレードすべきかなど、投資をするなら知っておきたい知識が満載だ。
何より、プロの投資家の思考をなぞれるだけでも十分価値がある一冊だと思う。ボリュームもあるので、読み応え満点で自信をもってオススメできる。
- 作者: ジャック・D.シュワッガー,横山直樹,Jack D. Schwager
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2001/08/01
- メディア: 単行本
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リスクテイカーズ 相場を動かす8人のカリスマ投資家
投資には実に様々な儲け方がある。物言う株主として時には劇場型でメディアをも利用するアクティビスト、緻密なコンピューター計算によって収益を狙うヘッジファンドなど。
本書は間違いなく現代を代表する大物投資家8人についてまとめた一冊である。個人的には、将来金融業界に就職したい学生にオススメしたい本だ。各分野のトップ投資家たちについてサクッと学べる。
単純に読み物としても面白く、大物投資家がどのような人生を送ってきたのかについても書かれているので、ヘッジファンドや投資会社に興味がある人にはオススメしたい一冊だ。
欲望と幻想の市場
本書は70年以上前に書かれたものだが、いまなお読み継がれるロングセラー。伝説の投機王、ジェシーリバモアの人生を伝記風にまとめたのが本書である。
ジェシーリバモアは、何度も破産してはまた億万長者になるという、超波乱万丈、乗った人の9割は失神して帰ってくるくらいの激しいジェットコースターのような人生を送った伝説の投機王である。彼の空売りで、ニューヨーク市場が崩壊寸前にまで追い込まれるという事件まで起こしている。
そんな彼がどのような人生を送り、どのように相場に向かい合ってきたのかを記したのが本書であり、70年以上前に出版されたが現代の相場にもまだまだ通じる知見を与えてくれる一冊となっている。
投資家の伝記は本当に面白いものが多いので、ボリュームは多いが是非ともオススメしたい。
- 作者: エドウィンルフェーブル,Edwin Lef`evre,林康史
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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生き残りのディーリング
上級者向けの書籍だが、相場の原理原則を思い出させてくれる一冊。
プロのトレーダー、ディーラーを目指すなら絶対読んでおいたほうがいい。
いつ利食いすべきか、指値でエントリーすべきなのか成行で入るべきなのか、そういった全てのトレーダーが抱える悩みについてのヒントも記されている。
プロとしての心構え的なことが多く書かれているが、相場の世界で生きていくなら知っておいて損はないことばかりなので、プロを目指すという人にはぜひとも読んでほしい一冊となっている。