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 スマートフォン(スマホ)の世界出荷台数で、中国メーカーが勢いを増している。最大手の韓国サムスン電子からシェアを奪いながら、2位の米アップルに続く3~5位にひしめく。足もとの中国市場が伸び悩むなか、課題は先進国での攻略だ。

 「2年以内にアップルを抜き、世界2位になれる」

 スマホの世界シェアでは3位の華為技術(ファーウェイ)が11月末に上海で開いた、新機種の発表会。部門責任者の余承東氏は中国メディアの取材にこう宣言し、新型の高級機「Mate8」の販売目標は1千万台と掲げた。

 「アップル超え」の宣言の背景には、先代モデル「Mate7」の成功がある。昨年9月に3699元(約7万円)で売り出し、欧州など世界での販売は700万台を超えた。「処理性能の高さに加え、高級機の泣きどころだった電池のもちをよくした。仕事で使う人たちからの支持を集めた」(幹部)という。

 中国では、国産のスマホに「3千元(約5・7万円)の天井」という言い方がされてきた。3千元を超える高級機種は、アップルやサムスンに通用しないというイメージが、中国の消費者にもあった。高価格のMate7は、この常識を打ち破った。

 ファーウェイの上半期の携帯部門の売上高は、前年比で87%増の驚異的な伸びを示した。12月22日には今年の出荷が1億台に達したと発表。約300万台だった2010年から、5年で30倍に増えたことになる。