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東芝 7800人リストラ 過去最大の赤字見通し
12月21日 15時24分

東芝 7800人リストラ 過去最大の赤字見通し
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不正な会計処理の問題などを受けて、大手電機メーカー「東芝」は、国内外で合わせて7800人の大規模なリストラに踏みきり、これにともなう費用がかさむことから来年3月期の1年間のグループ全体の決算は最終損失が5500億円と過去最大の赤字になる見通しだと発表しました。
東芝は、不正会計の問題を受けて不振が続いている家電事業の生産体制を縮小すると発表しました。具体的には、テレビやパソコン事業の開発拠点である青梅事業所を閉鎖するほか、いわゆる白物家電については、インドネシアの洗濯機の工場を閉鎖するとしています。
また、パソコン事業は、分社化したうえで、他社との事業再編も視野に入れて交渉するとしています。東芝はこうした一連の生産体制の見直しなどによって、国内外で合わせて7800人の大規模なリストラに踏みきります。
家電事業では不正会計の問題が発覚する前に決まっていた分も含めておよそ6800人の早期退職や配置転換を行うほか、新たに本社部門で、およそ1000人のリストラを行います。
これにともなう費用がかさむことから、来年3月期の1年間のグループ全体の決算は最終損失が5500億円の赤字になる見通しだと発表しました。これは、リーマンショックのあとの平成21年3月期に計上した、3900億円余りの赤字を上回り、過去最大の赤字になります。
東芝はこうした合理化を進めるとともに半導体事業などに投資を集中させることで、経営の立て直しを急ぐことにしています。

室町社長「構造改革を断行 V字回復目指す」

東芝の室町社長は、業績の見通しや合理化策の発表を受けて、21日夕方、会見を開きました。このなかで室町社長は来年3月期の1年間の最終損失が、過去最大の5500億円の赤字になる見通しとなったことについて「大変、不本意だ。この事態は、経営者として深く責任を感じている」と述べ、陳謝しました。
そのうえで、室町社長は「従業員の削減など痛みをともなうが、顧客や株主などの信頼を回復するためにも構造改革を断行して、業績のV字回復を目指すことが責務だ」として、家電事業の縮小のほか、医療関連の子会社の株式を売却するなど、経営の立て直しを急ぐ考えを明らかにしました。
今後の成長戦略について、室町社長は、「負債を抱えるなかではこまかく事業ごとに相当な温度差をつけるしかない」として、集中する事業の見直しは大胆に行っていく意向を示しました。

経団連会長「構造改革が遅れていた感じ」

「東芝」が不正な会計処理の問題などを受けて大規模なリストラに踏み切ることについて、経団連の榊原会長は、21日の記者会見で「結果的に事業構造改革がほかの同業他社に比べて遅れていたのではないかという感じがある。電機業界では構造改革がしっかりと進んだ会社もあるが、東芝はこれからだと思うのでしっかりやってほしい」と述べました。

電機各社は「脱家電」進む 東芝は先送り

リーマンショックのあと、大手電機各社は業績が悪化し、アジアメーカーとの競争が激しい消費者向けの家電事業を縮小して、インフラ関連や自動車向けなど「脱家電」の企業向けビジネスを拡大してきました。
平成21年3月期に過去最大となる7800億円余りの最終赤字を計上した「日立製作所」は、平成24年にテレビの自社生産をやめるなど家電事業を縮小してきました。
その一方で、安定的に収益が見込まれるとして鉄道や発電所関連といった社会インフラ事業にシフトし、業績の「V字回復」を果たしました。
また、平成24年3月期、25年3月期と連続して7500億円を超える巨額の最終赤字となった「パナソニック」は、採算が悪化していたプラズマテレビの生産から撤退する一方で、住宅や自動車向けの事業への投資を強化するなどして業績を改善させました。
さらに業績の低迷が続いていた「ソニー」も、不振のパソコン事業を投資ファンドへ売却する一方、半導体の画像センサーの事業に投資を集中するなどして、来年3月期の最終損益は、3年ぶりの黒字に転換する見通しを示しています。
一方、「東芝」は平成21年3月期に3900億円余りの最終赤字となったものの、パソコンやテレビといった不振が続いていた事業で利益をかさ上げする不正会計が行われ、抜本的な合理化は先送りされていました。

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