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地域で事業と政策を仕掛ける人が読むべき20冊(2015年版)

一昨年はやったんですが、ちょっと去年は更新できなかった、読むべき20冊シリーズ。
2015年もいよいよ年の瀬ということで、upいたします。多少でも皆様のお役に立てばと思います。

◯ 学習と実践のリンクの重要性
推薦図書一覧に進む前に、ちょいとウンチクです。笑

地域における取り組みを進めていく上で重要なのは、「学習」と「実践」のリンク、そしてそこから体系的理解への昇華にあると思っています。現場で何か事業を推進する際に、一定の知識は必要になります。

それは直接的に事業に役立つノウハウということではなく、社会構造的な問題の認知であったり、実際の目に見えない経済的な財の交換プロセスを頭で把握する知識であったり、初めて出くわす問題を自分で整理して解決策を検討する論理的な思考方法であったりします。

それらを学ぶ上で、本や論文などは様々なの人の知恵を整理して短時間に学習できるツールです。しかしながら、頭で分かるだけでは、定着はしません。自分なりの実用をして、ようやく学習した内容は定着をします。さらに実践から自分が学習した内容の過不足などが理解できるようになり、それを反映することもでき、進化させていくこともできます。

さらに、これらの相互運動を経て、既存ではまとめられていない知見を発見すれば、学習・実践の両面から得られた体系的な理解へと自分で昇華していくことが責務でもあります。これによって、自分より後発で同じような取り組み、課題に向き合う人は、自分なりに考え方、取り組み方を学習することができるようになります。そして、前述の学習と実践がまた別の人の下で始まるのです。この連鎖によって、人類の様々な知識・知恵は進化してきたと思います。

今までは現場で事業に取り組む人は実践だけを考え、研究者が学習をするということであったり、体系的理解なんて意識する必要がなかったと思います。しかしながら、日本の抱える強烈な縮小都市問題は、全国各地において実践する人が自ら学習し、そして実践に活かし、その相互作用から有効な体系的理解を生み出す必要があります。そして地方での多くの人の取り組みから得られる体系的理解をすりあわせて、一つの理論へと進化させる必要があります。

海外や東京から何か知見をもらって、それをそのまま劣化コピーすればいいという時代は終わりました。学び実践し、自分たちで一つの体系的理解を生み出さなくてはならないと思っています。高校時代に「専門家」と「実践家」は両立しないと、新しい社会課題分野は解決策を見いだせないなと思ってから、このバランスを常に意識するようにしています。といっても、なかなか両方うまくはいかないですが。笑

とはいえ、何の学習もせず、単に実践をしていればいいということではないと思っています。その逆も然りです。
ここにご紹介するような有名図書(私の本も入れちゃっているので、それは手前味噌で恐縮ですが・・・)はしっかり読んで、頭に入れておいてほしいと思います。そして、読むだけでなく、実践をして頂ければと思います。これらは学習だけでも有意義な本ではありますが、実践にも当然役立つものばかりですので。

ということで、その学習と実践のリンクを常に意識していただければ幸いです。



◯ 必読の20冊一覧【2015年度版】
2015年現在、読んでいないものがあればぜひとも読んでいただきたい20冊です。
以前もブログなどで紹介した鉄板本も入っていますが、改めてという意味で入れています。

またkindle版があるものは、そのリンクも入れておきました。
基本的にkindleで購入したほうが、割引がきいていたり、ポイント還元がついているものがありますので、利用されている方はご確認くださいませ。

【1】V字回復の経営
http://amzn.to/1NOIVzA
(増補改訂版)http://amzn.to/1OqM7GZ
中小企業再生に関する一冊であるが、衰退した地域を再生する事業推進においても参考になる。実際に中小企業再生で手腕を発揮した著者が書くビジネス小説のため、読みやすく実践に活かしやすい。下町ロケットよりリアル。

【2】失敗の本質
http://amzn.to/1NOIULX
(Kindle版)http://amzn.to/1mDifuP
旧日本軍の各戦闘敗北を整理した一冊であるが、今の地域で起きる活性化事業の失敗にも繋がる。私達は過去から何も学んでいないのかという反省と共に、対策も見える。

【3】決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法
http://amzn.to/1NOIVj1
(kindle版)http://amzn.to/1OqMi5b
財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の意味が全く分からないという人が、それらを理解する上で最適な一冊。小難しい仕分けだなんだとかではなく、それぞれの意味、互いの相互関係を理解できる。

【4】イノベーションのジレンマ
http://amzn.to/1NOIXaw
(kindle版)http://amzn.to/1OqMfGC
大企業がなぜ中小企業の新サービスなどに負けてしまうのか。それは行政が多額の予算を投入しても、民間の小さな事業のほうが地域活性化の効果を生み出すのと近似。予算も人材も潤沢に抱える組織だからこそ社会(市場)変化に失敗してしまう理屈が理解できる。

【5】[新版]ブルーオーシャン戦略
http://amzn.to/1NOIXHF
(kindle版)http://amzn.to/1mDilTk
予算事業で全国各地で同じような事業を一斉に国の予算を使って失敗する。地域活性化事業において目指すは、「皆がやっていないこと」である。その大切さを理解し、実践する考える上で有効。

【6】クリティカルチェーン
http://amzn.to/1NOJ1ai
(kindle版)http://amzn.to/1mDindN
プロジェクトを立てても予定通り進まず失敗する。プロジェクトマネジメントにおいて重要な要素を理解できる。

【7】マーケティング3.0
http://amzn.to/1OqMbGW
性能によるマーケティング、セグメンテーションによるマーケティングに続く、第三のマーケティング戦略について書かれたもの。これから地方の商品・サービスを広く売っていく上で極めて重要であり、チャンスであることが分かる。

【8】ワーク・シフト
http://amzn.to/1OqMcdY
(kindle版)http://amzn.to/1mDid6h
技術革新と世界市場変化によって大きく変化する「働き方」。半世紀前にあった仕事が今なくなっていることはよくある話。これから先を見越した際の自分たちの仕事のあり方を考える上で有効な一冊。

【9】小さなチーム大きな仕事
http://amzn.to/1mDiGFt
ベンチャー企業の仕事の仕方を記した一冊だが、地域での事業を仕掛けていく組織モデルを考える上で有効。昔ながらの毎日オフィスに集まるという形式にこだわりすぎない仕事の仕方が地方を変える。

【10】創造の方法学
http://amzn.to/1mDixBY
(kindle版)http://amzn.to/1mDiy8U
論理的な思考が必要なのは分かっているけど、苦手という方は多い。この本は論理的な思考自体をわかりやすく整理してくれている。因果関係、はどうしたら立証できるのか、が分かるだけでも、問題と原因を混在するなどの間違いは起こらなくなる。

【11】明治維新1858-1881
http://amzn.to/1OqMFNj
(kindle版)http://amzn.to/1OqMVfe
長らく続いた江戸幕府が終わり、明治政府がおこる際に、幕末において倒幕派の各藩はどのような事業に取り組んでいたのかが垣間見られる点が面白い。地域商社を持った各藩は海外において互いのネットワークを形成し、それは明治政府の礎になっていった。しかもそれを民主的に行ったという点も興味深い。これからの地域活性化においても極めて参考になる。

【12】二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか?―人口減少社会の成長戦略
http://amzn.to/1OqMCkC
江戸末期の人口縮小社会において600農村を再生させた、二宮金次郎。彼の報徳仕法の一端を垣間見られるが、それらは今の地域活性化の指針ともなりえる、「事業」と「金融」と「財政」を組み合わせた内容。

【13】年収は住む場所で決まる-雇用とイノベーションの都市経済学
http://amzn.to/1mDiJkC
(kindle版)http://amzn.to/1mDiLJ7
高付加価値型のIT産業が集積するシアトルの高卒のほうが、低付加価値型の製造業中心のデトロイトの大卒より給与が高かったりするという、都市産業構造によって年収は左右される内容を整理した一冊。クリエイティヴ都市論とは実はある意味で、都市の因果を逆にする説明で併せて読むと面白い。

【14】クリエイティヴ都市論
http://amzn.to/1mDiQwD
(kindle版)http://amzn.to/1mDj5Yw
クリエイティブ人材が集まると都市の経済がプラスになり、競争力が上がっていくというクリエイティブ層と都市の関係を整理した一冊。年収は住む場所で決まると比較しながら読むべし。

【15】発展する地域衰退する地域-地域が自立するための経済学-
http://amzn.to/1OqN2Ht
もはや古典であるが、アメリカにおける大都市再開発やチェーンストアなどが地域の再生においては機能せず、むしろ多様な経済構成を独自資本によって持つ地域が発展していくという域外収支など地域の一体的経営を整理したもの。アメリカの話だと思わずにぜひ読んで欲しい。

【16】人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡
http://amzn.to/1OqN5TS
サンセバスチャンになぜ多くの人が訪れるか。その美食の店がなぜ集まり、海外から人を集めるほど強くなっていったのか。日本の観光産業を考える上でも重要な示唆がある事例を説明した一冊。
 

【17】新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」
http://amzn.to/1mDjom5
(kindle版)http://amzn.to/1mDjk5W

デービット・アトキンソンが提唱する、日本は観光立国での経済成長を目指すべきであるという提言。日本も成熟国家化を果たしていくなかで、過去の歴史・文化の価値を再認識し、観光産業を侮らずに向き合うことが必要。過去の内需向け観光産業の体制のまま、単にインバウンド客を相手にするようないい加減なやり方ではダメということも分かる。

ここから下は2015年、木下が関係した本でございます。けど、ぜひ読んでもらいたい3冊です。笑

【18】PublicDesign
http://amzn.to/1OqN9D4
馬場正尊さんの木下も出させて頂いた一冊。ちょっと一部の方はあれなんですが、ぜひ読んでもらいたい対談ばかり。

【19】地方は消滅しない!
http://amzn.to/1OqN95P
上念さんが書かれた、木下もコメントなど執筆協力させて頂いた一冊。今流行りの人口論の危険性についての整理はしっかりと読んで欲しい内容です。社会は常に人口増減論に踊らされてきたんですよね。

【20】稼ぐまちが地方を変える
http://amzn.to/1mDjiLd
(kindle版)http://amzn.to/1OqNjKI
木下が今年出させて頂いた新書です。木下のこれまでの失敗(の一端。もっと沢山失敗があるのでそれはまた今後の本でw)と共に、試行錯誤の中で経営と地域との関係性を意識した事業と向き合う内容。さらに地域で役立つ10の鉄則などもまとめています。

ということで、以上長くなりましたが、ぜひこれらは年末年始を利用するなりして頂きましてお読みいただければと思います。
皆様のお役にたてば幸いです。
 
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