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【社会】

「政治の話 しづらいけれど…」 「18歳選挙権」高校生が議論

18歳からの選挙権についてパネリストの高校生らが意見を出し合った勉強会=26日、東京都中野区で

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 来夏の参院選から選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられるのを前に、市民グループが企画した勉強会「『十八歳からの選挙権』はどんな社会をつくれるのだろう?」が二十六日、東京都中野区で開かれた。パネリストを務めた高校生からは「学校で政治の話をしづらい」という率直な意見が相次いだ。グループは高校生たちに政治への意識を高めてもらおうと、今後も月一回ペースで勉強会を開く方針だ。

 「十八歳選挙権といっても、みんな政治に興味ない。投票に行く人は、クラスに一人いたら良い方じゃないかな…」。パネル討論で、大東学園高(世田谷区)一年の太田永介さん(15)が話すと、会場の社会人や高校生ら約四十人から「えーっ」と声が上がった。

 勉強会は、杉並区や中野区の住民でつくる「十八歳からの選挙を学ぶ会」が企画。パネリストを務めた四人はこれまでに平和集会に参加するなど政治に関心があり、他のパネリストも「うちの学校も同じ」「友達と政治の話は二分持たない」とうなずいた。

 都立農芸高定時制(杉並区)一年の山本紗菜さん(16)は、安全保障関連法について友人に話そうとして「関係ない」と断られた。「私もうまく説明できない。もっと勉強していたらなあって」と悔しがる。都内の高校三年の中村涼弥さん(18)は「政治の話をすると、先生に進路室に呼び出されて怒られる」と窮屈な学校の空気を明かした。

 自由の森学園高(埼玉県飯能市)三年の柴田佳穂さん(18)からは「周りと意見を合わせなきゃいけない感覚ってなぜだろう。3・11の問題から、政治を身近に考えたい」との意見も。若者を使い捨てにする「ブラックバイト」や奨学金返済なども身近な政治問題だとし、四人は自分の学校のホームルームや部活の時間を使い、同級生と話し合ってみることで一致した。

 学ぶ会の阿部博紀さん(67)は「高校生たちが、同世代で議論できる場を提供していきたい」と話している。次回は来年一月三十日午後一時半から中野区産業振興センターで。問い合わせは阿部さん=電080(6745)6193=へ。 (安藤恭子)

 

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