(3)慰安婦強制連行の認定問題は?
慰安婦の強制連行をめぐり両国の意見の違いがどのように整理されるかも関心事だ。安倍政権は昨年6月に慰安婦連行の強制性を認めた「河野談話」(1993年)に対する見直し作業を行い、この談話は政治的駆け引きの産物だと結論付けた。河野談話を毀損(きそん)し、日本の国としての責任をうやむやにしようという算段だったのだ。
これと関連して共同通信は25日、「岸田文雄外相は今回の会談で慰安婦(連行)に強制性はなかったという確認を求める姿勢なので、(韓国側の)反発を買う可能性もある」と報道した。日本が実際にそのように出てくれば、今回の会談は決裂する可能性が高い。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの慰安婦関連団体は河野談話でも不十分だとし、首相の謝罪の手紙などに「日本政府が計画的・強制的に慰安婦を連行した」という表現も入れるべきだと主張している。日本との交渉よりも、これらの団体の説得の方に手を焼いている韓国政府としては、慰安婦強制連行について譲歩する余地がない。
(4)新助成金の性格・名称は?
両国は、日本政府の予算を投入して過去よりも被害者の現在の医療・福祉支援を拡大することで原則的に合意している。争点は、この予算の性格と名称だ。日本は1995年に発足させた女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)を通じて国民の寄付に政府予算を加えて元慰安婦たちに補償金を支給、「償い金」という言葉を使った。日本の専門家は「日本の『償い金』というのは誤りを認めて金銭的に謝罪するという意味が込められた言葉。法的責任と道徳的責任が入り交じったあいまいな概念だ」と話す。
このため、挺対協や大多数の元慰安婦たちは「単なる慰労金だ。日本は法的賠償責任を免れようとしている」として支援金の受け取りを拒否した。韓国政府関係者は「日本国内では知韓派の人たちでも『韓国がアジア女性基金という解決策を受け入れていたら、慰安婦問題は20年前に解決していただろう』と残念がっているが、韓国の世論を説得するには日本側の前向きな措置が必要だ」と述べた。