2015年12月27日05時20分
市民に対する襲撃事件が相次いだ福岡県で、指定暴力団工藤会系組員の離脱が続いている。県警の支援で離脱した元組員の一人が、朝日新聞の取材に工藤会の資金稼ぎの実態や決別の経緯を語った。
■出合いはマージャン店
12月中旬、本州の地方都市。40代の元組員は工事現場で黙々と道路の補修工事に当たっていた。
仕事を終え、待ち合わせ場所に姿を見せると、組員時代に更新した運転免許証を取り出して記者に見せた。相手を威圧するような鋭い目つき。目の前にいる柔和な表情とは別人のようだ。
工藤会との出合いは、堅気の仕事に就いていた20代の頃にさかのぼる。
行きつけだった北九州市内のマージャン店で、工藤会系の組長と親しくなった。一晩に数百万円を賭け、飲み屋ではホステスや取り巻きの組員に数万円のチップを渡す。身近に暴力団の存在がある地域。もともとあこがれはあったが、初めて見た本物の「豪快さにひかれた」という。
見込まれて組員となり、組長の専属ドライバーに。高級外車を運転し、朝から晩まで付きっきりで暮らしながらシノギ(資金稼ぎ)の方法を学んだ。
■ゆすり、豪遊 月収100万円以上
得意だった「ゆすり」の方法はこうだ。
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朝日新聞社会部
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