西日本新聞社

日韓首脳3月会談浮上 最終決着共同文書を検討 慰安婦問題 28日外相合意なら

2015年12月27日 00時03分

 日韓両政府が決着を目指す従軍慰安婦問題について、28日の外相会談で合意した場合、来年3月に米国での国際会議に合わせて首脳会談を行い、最終決着を確認した上で共同文書を発表する案が浮上していることが26日分かった。韓国が決着を条件に、ソウル日本大使館前の被害女性を象徴する少女像を、別の場所に移転する方向で検討していることも判明。元慰安婦を支援する新基金については、日韓出資の共同基金とする調整の現状が明らかになった。

 ■共同基金、少女像移転も

 日韓外交筋によると、韓国側は日本側に10億円以上の拠出を要求。日本が検討する1億円超とは大きな隔たりがあり、27日の外務省局長協議で大幅増額が可能か探る。

 安倍晋三首相と朴槿恵(パククネ)大統領の首脳会談に関し、日本側は外相会談が合意に至れば朴氏の早期訪日を要請する意向だが、合意への韓国世論の反発を懸念。米国で首脳会談を開催し、米政府に歓迎の声明を出してもらうことで最終決着を担保する狙いがある。基金の増額については、日本側に検討の動きもあり、規模が拡大する可能性がある。

 日韓外交筋によると、両政府は、来年の早い時期での実施を模索する首脳会談について、元慰安婦の支援団体などから朴氏の訪日自体にも反発が出る場合を想定。3月31日から米首都ワシントンで2日間の日程で開かれる第4回核安全保障サミットの際に、首脳会談を開催する案が浮上した。

 米国が日韓に関係改善を促してきた経緯から、3カ国首脳会談を行う案も取り沙汰されている。

 少女像は、元慰安婦の支援団体による抗議集会が2011年12月に千回を迎えた際、大使館前に設置された。日本は一連の協議の中で撤去を要求している。

 基金は、元慰安婦に「償い金」を支払った「アジア女性基金」(2007年解散)のフォローアップ事業を引き継ぎ、生活支援をする目的。韓国も生活費を支給するなどの元慰安婦の支援事業を実施していることから、日韓両政府内で二つの事業を一体化させる構想が検討されている。

 日本外務省によると、アジア女性基金は、民間の募金約6億円も原資に含め、総額約17億円の事業を行った。日韓外交筋は、新基金の規模に関し「この金額は参考になる」と話している。

 両政府は27日にソウルで局長協議を実施。岸田文雄外相が28日に訪韓し、尹炳世(ユンビョンセ)外相と午後に会談する予定だ。

=2015/12/27付 西日本新聞朝刊=

 握手するインドのモディ首相(右)とパキスタンのシャリフ首相=25日、パキスタン・ラホール(AP=共同)
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