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2015年12月26日 (土)

日本経済収縮の20年

内閣府経済社会総合研究所が国民経済計算の確報を公表したというので見に行きました。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h26/sankou/pdf/point20151225.pdf

正直、労働関係はこまめにフォローしていますが、それ以外の関係は新聞を斜め読みして済ませているので(圧倒的に多くの人々が自分の専門分野とそれ以外で使い分けているやり方だと思いますが)、あんまり真面目にここ20年間のGDPの国際比較をまじまじと眺めたことはなかったんですが、改めてみてみると、これはやっぱりこの20年間は国際比較的に見ても失われた20年だったということがよくわかります。

まず、主要国の名目GDPの推移ですが、

Gdp

日本は1996年に4.7兆ドルだったのが、去年は4.6兆ドルと言葉の正確な意味でゼロ成長。その間にアメリカは8兆ドルから17兆ドルに倍増、イギリスも1.3兆ドルから3兆ドルに倍増、ドイツでも2.5兆ドルから3.8兆ドルに5割増なのに、日本だけ収縮。その間に中国はたった8600億ドルから10兆ドルにまさに桁を駆け上がり、インドも4000億ドルから2兆ドルになってます。

日本と中国が逆転したのはわずか6年前の2009年なのに、それからの5年で倍以上に引き離されました。そして、そのこと自体も必ずしもきちんと認識されているわけではなさそうです。

1人あたりGDPの推移は次の通りです。

Gdppc

アメリカが3万ドルから5.4万ドルへ、ドイツが3万ドルから4.7万ドルへ、イギリスは2.2万ドルから4.6万ドルへという先進国中で、唯一3.7万ドルから3.6万ドルへの貧しくなっているのは日本だけ。貧しくなる日本の隣で、かつて700ドルと極めて貧しかった中国が7600ドルとこれまた一桁以上の上昇。

かつてわたくしの少年時代、1960年代には毎年日本のGNPが他の先進諸国を追い抜いていくという時代がありましたが、今はそれを巻き戻しているかのようです。

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コメント

はまちゃん先生の研究セクターと御著書にも風あたりが強いはずですね。「私としては実に下らなく感じた」もよくよく起成原因を求めると、これによる苛立ちの現れともいえるように思われます。その方は別にしても、この20年停滞を是とすればそこには産まれて成人するまでの人生があるわけで、やはり成功体験をその世代に味あってもらうことが喫緊の政策課題と思いますが、それを上の世代があ~だこ~だとイザコザでハザード化しているのがニッポン病かもしれませんね。成功体験依存症とでも診断いたしましょうか。薬物療法は未開のため、ここは適者生存でいかがでしょう?ね、くみさん。

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