「韓半島(朝鮮半島)統一には巨額の費用が掛かるが、2015年に統一韓国はアジアにおける軍事大国として定着する」
米中央情報局(CIA)が15年前に公表した「2015年の世界」を予測する報告書には、このように記載されていた。CIAの予測の中にはほぼ正確に的中したものもあるが、「韓半島における南北統一」のように完全に外れたものも少なくない。英国の日刊紙デーリーテレグラフは22日付でこの報告書にあらためて注目し、当時の予測と現在を比較する記事を掲載した。
まず「無線の携帯型通信が幅広く普及し、産業革命後最大の変化をもたらす」と予測したいわゆる「モバイル革命」はほぼ正確に的中した。当時はいわゆる「ドットコムバブル」がはじけ、IT(情報技術)への悲観論が広まっていた時期で、またスマートフォンの本格普及も始まっていなかった。CIAは中東でITを活用する反政府勢力が独裁政権の脅威になることも予測していた。これはスマホやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で中東諸国に革命をもたらしたいわゆる「アラブの春」において現実となった。
CIAは報告書の中でテロ組織が国家の形態に近づくことを懸念し「テロ組織の戦略が正確で効果も上がっているため、大規模テロが発生する恐れが強くなった」と予想していたが、これはイスラム国(IS)によるパリでのテロ事件を予見したものともいえるだろう。ただしその一方で「(テロ組織が)犯罪組織を含む世界的なネットワークを形成し、核兵器の取引まで行うようになるだろう」「マフィアのような犯罪組織が弱小国政府に賄賂をばらまき、一定の地域を統治する」などの予測は外れた。
反米諸国に関する予測も多くが外れた。例えばCIAは「ロシアは大国の地位を失い、国連安全保障理事会の拒否権でしか影響力を維持できない」と予測したが、現実はロシアは今もシリア内戦などで存在感を誇示している。