その後、大法院は12年5月、韓日請求権協定で植民地支配という日本の反人権的不法行為による国民個人の損害賠償請求権まで消滅したわけではないとして、下級審の判決を破棄し、大きな論議を呼んだ。
法曹界内部でも「国家間の条約、協定締結に司法的判断が介入すれば三権分立を損ねる」という意見と「外交行為も司法審査の対象から完全には排除されない」との意見に二分された。また、憲法裁が判断を保留してきた韓日請求権協定の核心部分について、大法院が憲法解釈をするのは、越権行為ではないかとする批判も少なくなかった。
国民個人の賠償請求権問題は、1990年代に強制動員被害者が日本の裁判所に損害賠償訴訟を起こし、社会的関心を集め始めた。しかし、日本の裁判所は「協定2条で全ての請求権は消滅した」とする判決を繰り返してきた。
韓国でも同様の訴訟が相次いでおり、日本の裁判所で敗訴した被害者が新日本製鉄(現新日本住金)、三菱重工業などを相手取り賠償を求めた差し戻し二審では、被告企業に被害者1人当たり8000万-1億ウォン(約824万-1030万円)を賠償するよう求める判決を下している。同訴訟は被告が上訴し、2年以上も大法院で係争中だ。