2歳の養女を虐待し、鉄パイプで暴行を加え死亡させたとして、殺人罪で起訴された47歳の女に対し、大法院(日本の最高裁判所に相当)第3部(金竜徳〈キム・ヨンドク〉裁判長)は22日、懲役20年を言い渡した。
実の娘が2人いた女は2013年12月、1歳2カ月の女児の保護を依頼され、翌年5月に養子とした。養子を迎える要件は整っていなかったが、不動産の契約書や在職証明書などを偽造し、養子縁組の手続きを済ませた。
昨年10月、女は長さ75センチ、直径3センチほどの鉄パイプで女児の頭や太もも、尻などをやみくもに殴打した。借金の返済を迫られていた上、別居中の夫と争っていたことから、女児に八つ当たりをしたのだった。女児が「ごめんなさい」と謝っても、女は暴行をやめなかった。青トウガラシを無理やり食べさせ、トイレに連れ込んで衣服を脱がせ、頭から冷や水を浴びせ、さらに鶏の骨を飲み込むよう強要した。女児が意識を失った後も、女は13時間も放置した後、119番に通報した。2歳1カ月で体重12キロの女児は、脳出血のため翌日死亡した。
捜査の過程では、女が「子どもが3歳になれば支援金が支給されるというが、その額が大したことなく、運が悪かった」と供述したという。大法院は「暴行から逃れ、逃げようとした女児を捕まえ、激しく揺さぶったことで、死亡の直接の原因となる脳出血を引き起こしたことから、被告人には殺人の意思があったとみるべきだ」として、殺人罪を適用した。