今までドアサを支えてきた「ジュエルペット」シリーズの最新作である「ジュエルペット マジカルチェンジ」が満を持して最終回を迎えました。
どうやら今回でジュエルペットはアニメ展開が終了するそうなので、喪失感もまたひとしおです。
もし、今この記事を読んでいてジュエペ知識が一切ない人は半年前の記事を参照して下さい。
ジュエルペットシリーズは女児には伝わらないネタが非常に多いのが特徴です。
今回の「マジカルチェンジ」でもその傾向は多く見られ、例えば2話の時点でタイトルが「夢だらけのローラ」なんですよね。「あっこれ元ネタは西城秀樹の名曲だ!」と突っ込んでくる女児が居たら恐怖でしょう。他にも「カッパにしやがれ」なんてタイトルの回もありました。
この児童も愉しませつつ、女児向けアニメという制約の中でどれだけスタッフのやりたいことを詰め込めるか毎回試している核実験場的な作風が大好きなんです。
そんな「マジカルチェンジ」の中でも、選りすぐりの狂ったエピソードを5話分セレクションしてみました。ネタバレアリですが興味のある方はその中から気になった回から観てもいいかも。
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■「朔太郎養子化計画」
7話のAパートです。
いつものように自慢の朔太郎コレクションを鑑賞していたローラ。呆れたルーアが「いっそお付き合いして結婚しちゃえば?」と提案すると、ローラは「それじゃただの恋人! 旦那様! 私が求めてるのは飽くまでも素敵なお兄さまとしての朔太郎様ですの!」と反論します。
夫への呼び方が「旦那様」なのがまず可愛いですね。しかし、それ以上に「飽くまで兄として付き合って欲しい」という歪んだ愛情をぶつけるローラが凄い。この感情に一切偽りなく最後まで恋愛対象として認識していないのもローラの魅力ですね。冷静に考えると他人の妹になりたい時点で色々おかしいのですが。
そこでルーアは「それじゃいっそ養子にしちゃえば?」と思いつきます。「そうすれば自動的にローラのお兄様になるじゃない?」と続けるルーア。言ってる事は間違ってないのに倫理観が崩壊してる辺り良いですね。
それを聞いたローラは大喜びで「それですわ!」と昂奮を露わに。ローラ的にも養子に迎えるのは名案のようです。早速家のモノに相談しますが、「いちごのショートケーキはいつ食べるか」「お風呂ではどこから洗うか」等の観点の違いにより却下されてしまいます。そもそも朔太郎は了承も返事もしてません。
しかしローラは引きません。「こうなったら魔法で朔太郎様を養子にしますわよ!」と家を飛び出します。繰り返しますが朔太郎の意思は一切関係ありません。
早速近所を歩いている朔太郎を発見したローラ。
そこで登場した魔法が……
「マジカル養子」です。
この有無を言わさぬ直球なネーミングが最高ですね。そんな「マジカル養子」を掛けられた朔太郎はどうなったかと言うと……。
爪楊枝になります。
どうやら「養子」と「楊枝」を間違えたようですね。これにはローラも驚きを隠せません。勿論こんなアニメ観せられる視聴者の方が動揺しています。
しかしローラはこれだけではめげません。「流石朔太郎様! 楊枝になってもどこか気品に溢れてますわ」と爪楊枝に向かって褒め称えます。
更にローラの奇行は続きます。その後自分が用意したクッキーを朔太郎に食べさせるために、朔太郎(爪楊枝)をクッキーに刺して折ります。
この後もローラとあいりちゃん(とばっちり)が触手責めにされたり、たこ焼きになったローラが朔太郎(爪楊枝)に突き刺される事に恍惚を感じたりもします。余りの展開に見落としがちですが、自分の兄が爪楊枝になったのに特に悲観や動揺したりしないあいりちゃんも凄い。
ジュエルペットマジカルチェンジの空気感を味わうのにまず一番にお勧めする回です。
■「ペットを飼いたいらぶぅ~」
12話Aパート。タイトルだけではありがちな良い話を連想する所ですが、このアニメでそんな女児向けの話は展開しません。
物語は「ペットを飼いたい」と暴れるラブラから始まります。周りに反対されるも「ちゃんと可愛がるらぶ!」と説得してみますが、「そもそもラブラがペットなんダナ」と実に根源的なツッコミを入れられます。喋れるにしても所詮ラブラはジュエルペットですからね。
「ペットがペットを飼って何が悪いラブ!」という怒り方の、もうツッコむ事を放棄させてくれ感が良い味だします。
けれどあいりちゃんは天使なので反対しません。自分もダンボールに入れられた子猫を拾った経験があるよと語ってくれます。ここだけ切り取れば感動エピソードなのですが、その話を聞いたラブラはペットはダンボールに入ってるものだと認識してしまい、ダンボールを探すため家を飛び出します。
そして早速ダンボールの中からペットを見つけたラブラ。家に持ってきたそのペットの正体はバナナでした。ラブラはそんなペットのバナナに、黄色いから「タクアンちゃん」という名前を付け、四六時中を共に過ごします。
タクアンちゃんをカートに入れて散歩に出かけるラブラ。そこで「ペットコンテスト」の張り紙を見つけ、タクアンちゃんに芸を教えてコンテストで優勝することを画策します。
公園でタクアンちゃんの躾を始めるラブラ。何度教えても「お手」ができない事に苛立ちます。そこでバナナに意思がないという発想には至らず、「今までラブラが甘やかして育てたのが悪い」と考えます。
何で受付はバナナを通したのか解りませんが、とにかくコンテストには出場できました。タクアンちゃんは日数の経過により黒くなってきてます。
何度試しても「お手」してくれないタクアンちゃん。しかし健気にタクアンちゃんへの愛を訴えるラブラが泣けます。冷静な観客の「バナナになにやってるんだ?」という反応がドライで好き。
紆余曲折あってタクアンちゃんをアイドルとして認めた皆。一番反対していたラリマーですら「本物のアイドルバナナだわ!」と絶賛します。しかしタクアンちゃんは最終的に猿に食べられます。無情。
■「インカン帝国の逆襲」
18話Bパート。もうタイトルから勘弁してくれ感に溢れてますね。
突然訪問してきた宅急便にハンコを求められたあいりちゃんは、探しまわった挙句に見つからないので、仕方なく前回スタンプになって戻れなくなったルビーを押します。割りと本気で痛そうな顔してるのが良いですね。パジャマ姿のあいりちゃんがかわいい。
そんなこんなで通販は便利だけどハンコを押すのが面倒だと怒りを露わにするあいりちゃん。一見普通の女の子に思えてどこかおかしいのがチャームポイント。
見兼ねたルビーがあいりちゃんの為に使った魔法は「マジカルはんこ要らな~い」でした。抽象的過ぎる。この魔法に依ってあいりちゃん家のハンコが消滅します。
わざわざ「長い間おせわになりました」と書き置きを残して家出したハンコの認印くん。
存在意義を失くし、哀しそうに公園のブランコに揺られる認印くん。そんな彼に話し掛けてくれたのはローラ宅の認印。金持ちのハンコなだけあって立派な身なりをしています。
一方その頃あいり宅では「書き置きを遺して居なくなったのですわ」と通話でハンコを心配するローラの相談を受けていました。どうやら街中のハンコが一斉に家でしたそうです。
「言われてみるとハンコってあんまり使わないかも」と冷静なあいりちゃん。この子は偶に他人の感情を理解しない時があります。
場面は戻って認印くん達は独立して住民登録するために市役所へ。住民票を届けるも職員を困らせてしまい、すかさず「何か書類に不備でも? ハンコならもう押してあります!」と頼み込みます。
ここでの「認印なのに認めてもらえないなんて……」「皮肉なものですね、認印などと呼ばれながら何かを認めてきたのは私たちではなかった……」の会話の切れ味はその辺のアニメでは決して出せません。
■「デカイ風呂にゃあ夢がある!」
15話のBパート。
お風呂が壊れてしまったあいり家。そこでルビーが「マジカルお風呂直ってついでにお風呂屋さんみたいにでっかくなれ~」を使用し家の風呂を直した上に温泉並みの広さにします。
この回はタイトルからお察しの通り性的な描写が多いです。お風呂用に纏めたお団子ヘアが可愛い。
大きいお風呂ですっかり大はしゃぎするあいりちゃんとペット達。一方その頃ローラも自宅でお風呂に入ろうとしました。
鼻歌交じりに上機嫌でシャワーを浴びるローラ。真っ白なスポンジを当ててみるも感触が悪く、怪訝に思って確かめて見るとそれはスポンジではなくルビーの塊でした。突然のホラーです。
なんとルビーの魔法は風呂を大きくした訳ではなく、あいりちゃん家のお風呂をローラのお風呂に繋げただけでした。
慌てて怒り出すローラ。しかしルビーの股間から一筋の液体が流れた事に動揺します。「もしかしてあなた今お、お、お、おしっ……」と恐怖していると、朔太郎の声が聴こえローラは慌てて岩陰に隠れます。
「おいルビー、どうした居るんだろ?」と仕切りに話し掛けてくれる朔太郎。朔太郎に全裸を見られる訳にはいかないので、仕方なく「いるよ~!」とルビーの声真似をします。
なんとか騙せた事で一件落着するローラ。しかしここで朔太郎は思わぬ行動を起こします。
「うりゃっ! 先制攻撃!!」と向こう側から無邪気に水鉄砲を飛ばしてくる朔太郎。控えめに見ても絵面が犯罪的ですが、水鉄砲を掛けられるローラも性的過ぎます。
というかこの世界ではペットを普通に女性として見ている男性も多いのに、毎日一緒にお風呂入ってる朔太郎とルビーも凄い。
突然の攻撃に無抵抗なままのローラは「今夜も負けないぞ!」と張り切る朔太郎の水鉄砲を浴び続けます。飛ばす度に「ドピューン!」というSEが鳴るのも面白い。
主旨を理解し負けじと水鉄砲で応戦するローラ。最初は戸惑ったモノの慣れるとなんだか楽しそうな表情を見せます。
が、安心したのもつかの間。なんと水鉄砲合戦に飽きた朔太郎が「よ~し! 次はオナラぼっこん対決だ!」と言い出します。
「オナラ……!?」と動揺するローラ。いい歳していつもこんな事してる朔太郎が怖い。
「まずは俺からだ!」と他人の浴槽で踏ん張りだし尻から泡を放出する朔太郎。どうやら今日は中々の出らしいです。
いくら何でも意中の朔太郎相手の前にオナラする訳にもいかないと思い悩むローラ。こんな事でヒロインが苦悩する女児アニメを狂気と呼ばずに何と呼ぶか。
そこで思い至ったのが、空気を入れたタオルを浴槽に沈める事でオナラっぽい音を出す作戦。見事ローラのタオルは「ゴボゴボ」と大きな音を立てます。
それを聴いた朔太郎は「おぉ、凄くデカいのが出たなぁ……」と感心します。今迄で最高記録らしいです。
実際にオナラをした訳ではないのに猛烈な羞恥心に包まれるローラ。マジカルチェンジのヒロインでなければ、実質片想いな相手にオナラに近い音を聴かせる事もなかったでしょう……。マジカルチェンジ屈指のサービスシーンも含めてオススメできる回です。
■「それは乙女の戦いだった」
27話のAパート。いつになく力強いタイトルですね。
話は朔太郎が忘れた財布をラブラが届けようとする所から始まります。
珍しく他人の為に働こうとしたラブラが部屋を出ようとすると、突然「でっ、でるらぶ~!」と震えだして大きな放屁をします。先程紹介した話でお気づきの読者も居るかも知れませんが、このアニメは基本的にオナラやウンコが大好きです。
そんなウンコ大好きスタッフの悪い癖が存分に発揮されたのがこの回です。
場面は移ってバスでお出かけ中の朔太郎たちへ。朔太郎がスマホに夢中のなか早速「女の子だからこんなとこでする訳いかないんダナ」と放屁を我慢するルナ。この辺の描写は割りとリアルに震えているので、スカトロ好きのケモナーも納得の出来ではないでしょうか。
ルナのお腹の様子を膨らんでいくお餅で比喩するという、スタッフのオナラに掛けた演出の拘りには脱帽です。
メルト寸前のルナが苦しんでいる中、あいりちゃんたちは朔太郎に財布を届ける為に自分たちもバスを用意しようとします。「マジカルバス~!」と珍しくまともな名前の魔法を唱えてみたものの、バスはバスでも現れたのはお風呂のバスでした。
あいりちゃんたちがコントやっている間にも、バスの中のルナは狂い悶ます。
心配した朔太郎に触られた衝撃で出そうになり動きまわるルナ。「どうしたんだ?」と訊かれて「急に踊りたくなったんダナ……」と苦しい言い訳をします。
そこでルナは魔法で腹痛を解決しようと考えつきます。早速「マジカル止まってなんダナ~!」を使ってみると、関係ない後ろのカップルの腹痛が治ります。
しかしルナは諦めません。続けて「マジカル静かに聴こえないように出てなんダナ」を使って密かに放屁する作戦に切り替えますが、実際にすかしっぺを行って周囲に迷惑を掛けたのはまたしても後ろの関係ないカップルでした。
そんな時に突然後ろから「お兄ちゃ~ん! 忘れ物だよ~!」とバスで爆走するあいりちゃんが追ってきます。
視聴者にとっては予期せぬサービスシーンにニッコリですが、わざわざ入浴スタイルに着替えたり、片脚を上げてバスに浸かってる感を出すあいりちゃんは冷静に見て意味不明な痴女です。街なかをこんな女子中学生が走り回っていたら恐怖以外の何者でもありません。
頑張って追いついてきたあいりちゃん。
それを見た朔太郎の「なんでお風呂に入ってるんだ?」という素朴な疑問がジュエルペットらしい。
その時、何故か魔法が発動しルナが人間形態へ変身し、その副作用で腹痛が収まります。
しかし、何だかんだあってルナは人間形態になってもまた腹痛が襲ってきます。流石に人間の女の子がオナラに苦しむ展開はしないのかなと油断してたらこれです。これで何かに目覚める男児も少なくないのでは?
「バスガス爆発」から「ガス爆発」でオナラを連想するところも良い。
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如何でしたでしょうか?
以上がジュエルペットマジカルチェンジの狂っている回5選でした。
勿論マジカルチェンジの面白い回も魅力も紹介しただけでは収まりません。特に前回のブログに書いたので敢えて避けた「メロンパンカーニバル」の回や、ラリマーがアイドルライブで全裸になったと思いきや骨まで晒す回など、まだまだ魅力的な回が多数存在します。
それにしてもマジカルチェンジはシリーズの中でもかなり安定して笑えましたね。ジュエペが一旦アニメ打ち切りになったのが残念でなりません。
因みに個人的に一番異色だと思ったマジカルチェンジの要素はこれです。
ジュエルペットマジカルチェンジ本当に凄いアニメだったんですけど、何より3クールあるのに主人公が学校で過ごす描写一切入れなかった事と、人間のレギュラー登場キャラは3名だけで回してたの改めて考えてもヤバい
— にゃるら (@nyalra) 2015, 12月 26
今後も面白い女児アニメを沢山視聴していきたいですね。