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シリア首都南部からIS撤退へ 政権軍と異例の合意

朝日新聞デジタル 12月26日(土)20時48分配信

 内戦が続くシリアで、首都ダマスカス南部のヤルムーク難民キャンプやその周辺地区を占拠していた過激派組織「イスラム国」(IS)やアルカイダ系「ヌスラ戦線」などの武装勢力が、占拠地域から撤退することでアサド政権軍と合意した。AFP通信などが25日、伝えた。

 シリア内戦では、政権軍と反体制武装組織の間で地域的停戦が成立したことはあるが、ISと合意するのは珍しい。政権関係者は25日、戦闘員2千人と家族らの計4千人を移動させるバスが占拠地域に入ったとAFPに語った。ISはシリア北部のラッカへ、ヌスラ戦線は同組織が支配する別の地域へ向かうとみられる。

 停戦に向けた交渉は約2カ月に及んだといい、地域を離れる際、各戦闘員はスーツケース1個と個人用の武器の携帯が認められる。政権軍は24日に反体制側の重火器を押収したという。

 ヤルムークは内戦前、パレスチナ難民約18万人が暮らしていたが、2012年12月ごろから反体制武装勢力が入り込み、政権軍と激戦が続いた。今年4月にはISも侵攻した。食料などの支援物資が届かず、住民は食料不足に苦しんでおり、パレスチナ解放機構(PLO)によると、現在約7千人が残されている。(カイロ=翁長忠雄)

朝日新聞社

最終更新:12月27日(日)0時58分

朝日新聞デジタル

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