北京=倉重奈苗
2015年12月27日00時19分
中国の対ウイグル族政策に批判的な記事を書いたフランス週刊誌の女性記者が、査証(ビザ)更新に必要な記者証の発給を中国外務省に拒否され、事実上の国外退去となる問題で、中国外務省は26日、「テロを助長するような自由は決して認めない」との談話を発表した。
中国外務省の陸慷報道局長名で発表された談話は、「テロのお先棒を担ぐような間違った言論について中国の民衆に謝罪しようとせず、引き続き中国で仕事をするのはふさわしくない」と同記者を批判。「中国は外国人記者が取材する合法的な権利を保障するが、テロを助長するような自由は決して認めない」とした。
記者証の発給を拒否されたのは、北京駐在の仏誌ル・ヌーベル・オプセルバトゥールのウルスラ・ゴーティエ記者。11月にウェブサイトに配信した記事で、新疆ウイグル自治区で衝突事件が起きる原因は、少数民族への抑圧的な政策があるとし、パリの同時多発テロとは性質が違うなどと指摘していた。
中国駐在の外国人記者らでつくる駐華外国記者協会(FCCC)は26日夜、「記者証発行とビザ手続きをジャーナリストへの脅しに使うのは極めて不当な措置だ」と中国政府を非難する声明を出した。(北京=倉重奈苗)
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朝日新聞国際報道部
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