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元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

大学で近代日独軍事史を研究する伊藤智央の記録。エーリヒ・ルーデンドルフに関する著書もあります。東大卒業(法学士)、ドイツ・ジーゲン大学大学院修了(歴史学修士)、現在ボン大学大学院博士課程在籍。某米系コンサルティングファームでも勤務経験有り。

【グロ注意】雁を丸ごと一匹買ってみた―ドイツのクリスマス料理

ドイツ 食べ物

ドイツではクリスマスに雁を食べる家庭が多いです。
ということでタイトルの通り、雁を丸ごと一羽買いました。

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 (但し、ドイツの雁は羽毛が真っ白です)


車で20分ほどのところにある農場直営の肉専門店で、1ヶ月ほど前に電話予約して雁を確保しておきました。
そしてようやくクリスマス前に雁を引き取りに行きました。

購入した雁は4,5キロの重さで、内臓と首は、内臓が取り出された後の胴体の中に入っています。
首は長いために、場所を有効活用するためです。

胴体

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内臓

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前日の下準備


まずは胴体の中にある内臓と首を取り出して、首と胴体を水で簡単に洗います。
特に胴体の内部は血がまだついているので、しっかり洗いましょう。

その後、水を紙でよくふき取り、取れていない毛をピンセットで取ります。
バーナーで焼くほうが簡単ですが、バーナーが無いのでピンセットを使います。

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その後、塩味がしみこむように塩をこすり付けて、冷蔵庫で一日寝かします。

ようやく調理開始


冷蔵庫から雁を取り出して水洗いすることで塩を洗い流します。
そして改めて塩とモグサの一種(Beifuß)*を胴体の中に手をいれてこすり付けます。
モグサは、雁には脂がのりすぎているために脂っこい雁の消化を助ける目的で投入します。

*日本のモグサはお灸に使います。どうでもいい話ですが、チェルノブイルはそのまま日本語に訳すと、モグサという意味だそうです。

次に、雁が乾燥してしまわないようにお腹を爪楊枝で閉じて、さらに、胴体から離れたままで焦げてしまわないように、羽や足を紐で胴体に結び付けておきます。

ここでようやくオーブンに入れます。

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最初の1時間220度で、次の6時間は80度でゆっくりと焼いていきます。
皮がぱりぱりになるように、途中でハケで塩水を胴体にかけてあげます。

ようやく出来上がりました。皮もパリパリにやけて初めてにしては上出来でしょう。これで、2日以上食事の心配はいらないです。
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この丸焼き以外も、オーブンで焼いている間に出た、脂を使っていろいろな料理ができます。副産物ですが、それもまたおいしいです。

例えば、残った肉とともに、この脂をそのまま瓶に移して冷蔵庫に入れておくと、雁のリエットができます。パンに塗って食べると最高です。