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【社会】

もんじゅ廃炉求め提訴 周辺住民「重大事故の危険性」

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)が運営する高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、福井県など十二府県の住民百六人が二十五日、原子力機構には技術的能力がなく、重大事故の危険性が高いとして、国に原子炉設置許可の取り消し(廃炉)などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状では、もんじゅは一九八三年に設置許可を受けて以降、建設費や維持管理費などの事業費が一兆三千億円を超えたのに、ほとんど発電していないと指摘。九五年十二月のナトリウム漏れなど事故は後を絶たず、廃炉にするしかないと主張している。

 原子力規制委員会は十一月、原子力機構に代わる新たな運営主体を見つけるよう文部科学省に勧告した。

 提訴後の会見で弁護団の河合弘之弁護士は「代わりの運営主体をつくってトップは代わっても、実質的な運営は原子力機構のままというズルは許さない。そのために裁判を起こした」と強調。原告の福井県小浜市の住職中嶌哲演(なかじまてつえん)さん(73)は「別組織が運転を続けるのではなく、廃炉にしてほしい」と訴えた。

 原告は、もんじゅの半径二百五十キロ圏内に住み、東京電力福島第一原発事故後、福島県から避難した人たちも含まれる。

 規制委の事務局である原子力規制庁は「訴状が届いておらず、コメントは控える」としている。

◆ナトリウム漏れ警報鳴る もんじゅ、誤作動か

 二十五日午後七時四十分ごろ、福井県敦賀市白木の高速増殖原型炉もんじゅで、原子炉容器室内のナトリウム漏えいを調べる検出器の数値が基準を超え、異常を知らせる警報が鳴った。運営する日本原子力研究開発機構によると、別の検出器に備えたフィルターからナトリウム微粒子は確認されておらず、誤作動とみられる。

 警報は午後七時三十八分〜午後九時十七分に断続して計四回鳴った。機構は原因を詳しく調べる。

 

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