【ヒューマン】
未年に大ブレークした吉田羊。誰もがその名前と顔を覚えたが、「どの役を見ても『吉田羊だね』といわれるようになったら良くないので、無色の俳優でありたいです」=東京・浅草橋【拡大】
「ボク妻」の撮影の合間に行ったインタビュー。36歳になる記者とカメラマンが未年と知ると、「あら? じゃあ、私と同い年かしら」とユーモアたっぷりにあいさつ。クールなイメージとは対照的な笑顔と親しみやすさで、場を和ませてくれた。
同作は、余命宣告された放送作家・三村修治(織田)が、残される妻・彩子と息子のため、妻の再婚相手探しに奔走する物語。吉田は修治を支える彩子を演じる。
夫婦役で初共演する織田について「一生懸命で、本当に作品を良くしたいという思いが、全身の毛穴から放出されているような方」と表現。「その純粋さが役にリンクしているので、織田さんは修治にしか見えないですし、会話をしていると私が彩子になってしまう。今から修治が死んでしまうことを考えると涙が出てきてしまうぐらい、感情移入してしまって…。本当に織田さんのおかげです」と感謝する。
現場では積極的に会話を交わしているといい、その場で受ける感情で演技し合うなど、アドリブを入れながら撮影を楽しんでいるという。
女優を目指したのは、大学3年。周囲が就職活動する中で、自身には協調性がなく会社勤めは向かないと思ったことから、「小さいころからトイレで一人芝居する癖があったりして、何となく興味があったお芝居の世界に、今踏み出さなきゃこの先、一生ないだろうと奮い立たせて飛び込みました」と明かす。