熊井洋美
2015年12月26日00時04分
東京電力福島第一原発で11月以降、高濃度汚染水の発生量が大幅に増えている。新たな汚染水対策として護岸近くの井戸でくみ上げ始めた地下水が、想定以上に多く放射性物質を含み、海へ流すことができないためだ。1日平均200~300トンの地下水が高濃度汚染水の発生源である建屋内に移送され、これまでの汚染水対策の効果が打ち消される形になっている。
きっかけは、汚染地下水の海への流出を抑えるため10月26日に完成した海側遮水壁。1~4号機付近の護岸沿いに長さ30メートルの鋼管を壁のように埋め込んで、地下水をせき止める。地下水位が上がり過ぎないように護岸近くで地下水をくみ上げ、浄化処理して海に流す計画だった。
ところが、5本ある井戸のうち4本で、除去が難しいトリチウム(三重水素)の濃度が海への排水基準(1リットルあたり1500ベクレル)を上回った。地下水位も想定以上に上がり、くみ上げ量が予定の数倍になった。その結果、溶けた核燃料に触れた高濃度汚染水がたまる建屋内しか行き場がなくなった。護岸近くの汚染土壌に地下水が触れたのが原因とみられる。
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