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【芸能・社会】

上村一夫の世界 美女画500点 没後30年東京で記念展

2015年12月26日 紙面から

「マンガストーリー」の表紙原画(1974年6月29日号)(c)上村一夫オフィス

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 「昭和の絵師」と言われた人気劇画家、上村一夫の没後30年を記念した「わが青春の『同棲時代』上村一夫×美女解体新書展」が来年1月3日から東京・弥生美術館で開かれる。

 45歳で急逝した上村は、一世を風靡(ふうび)した「同棲時代」で知られ、1973年に映画化された際には、由美かおるの衝撃的なヌードが大きな話題になった。ほかにも「修羅雪姫」「しなの川」などの人気作があり、後進の劇画家やイラストレーターに多大な影響を与えた。独特のタッチで、特にエロチシズムに満ちた女性画は、多くのファンをしびれさせた。

 弥生美術館での劇画家の展覧会は初めてで、今回は未公開を含む約500点が展示される、上村の展覧会としては過去最大規模。美女画に焦点を絞り、人物像や時代背景まで分析した興味深い内容になる予定。併設の竹久夢二美術館は上村が、開館した翌年の85年に訪れ、直後の86年に亡くなったゆかりの地でもある。同美術館では、「イラストレーターから出発された人なので、独特のセンスがあり、デザインとしても優れた作品が多い。若い世代には新鮮に映るのではないでしょうか」と話している。

 命日の1月11日に会場でトークイベントを開く上村の長女、汀さんは、「今回は私も読んだことのない雑誌掲載のみの原稿などもあり、大変興味深いものになると思います」。

 今月10日には、1969年から80年までに描かれた「ヤングコミック」の表紙260点や劇画作品リストを収録した「ヤングコミック・レジェンド 上村一夫表紙画大全集」(少年画報社)が出版され、21日には144ページオールカラーの豪華画集(国書刊行会)も出版された。展覧会は3月27日まで。

<上村一夫(かみむら・かずお)> 1940(昭和15)年3月7日、横須賀市生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒。在学中に広告代理店でアルバイトをし、社員の深田公之(のちの阿久悠)と知り合い劇画の世界に。67年「月刊タウン」創刊号の「カワイコ小百合ちゃんの堕落」でデビュー。月産400枚を手掛ける売れっ子に。下咽頭がんで入院後、86年に急逝。

<弥生美術館> 東京都文京区弥生2−4−3 東京メトロ千代田線・根津駅か南北線・東大前駅から徒歩7分。

 

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