投資のリターンは、マーケットからの「感謝のしるし」

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昨日は、3つの集まりに参加しました。

午前中はワインファンドを運営しているヴァンネットの北田社長とG-Callを運営する秋山社長を交えて、ワイン投資について、ディスカッションしました。過去の実績を見ると、円ベースでも申し分ない結果になっています。

そして、夕方は設立3周年を迎えたARUNのシンポジウムへ。代表の功能さんをリーダーに、途上国への社会的投資を手掛け、カンボジアに1億円以上の投資実績があります。投資のリターンを出すだけではなく、途上国の経済や社会にプラスのインパクトをもたらす。欲張りな投資ですが、こちらも着実に成果を出しています。

その後は、仲良しの仲間たちとの会食へ。ここでは、3月にツアーを進めているシンガポールやマレーシアなど海外不動産投資の話で盛り上がりました。アジアの不動産もこれから有望なマーケットだと思います。

3つの会合で出た3つの投資対象。それぞれに目的や方法は異なりますが、根底に共通するのは「投資のリターンは、マーケットからの感謝のしるし」ということです。

投資とは、自分が持っているお金という資産を誰かのために使うことです。そのお金が有効に使われれば、新しい価値を生み出し、お金が殖えて戻ってきます。逆に有効に使われなければ、投資はマイナスになってしまうのです。

ワインファンドのリターンがプラスになっているということは、そのお金で投資されたワインが時間と共に価値を生み、熟成されたワインをお金を出して買いたい人がたくさんいることを示しています。投資したワインが粗悪品で誰も買わなければ、投資はマイナスになっているはずです。

ワインファンドは、ワインを愛する人に価値を提供し、その感謝のしるしがリターンになっているのです。

不動産投資も同じです。不動産は賃貸に回され、借り手に良好な賃貸環境を提供する。それに対する感謝のしるしが、家賃です。だから不動産投資で収入を得るということは、投資したお金が住環境の提供に貢献していると言えるのです。

不動産投資は、住環境を必要とする人に価値を提供し、その感謝のしるしがリターンになっているのです。

では、社会的投資はどうでしょうか?ARUNのシンポジウムで、ゲストスピーカーとして登壇した、米倉誠一郎教授は、社会的投資にもミニマムなリスクで、大きなアップサイドがあるような、ベンチャーキャピタル投資のようなリターンへの執着が必要だと指摘していました。私もこれに同感します。社会的投資も、投資先の人からの感謝のしるしをリターンとして投資家に還元する。

人の善意に支えられた途上国のサポートを否定するわけではありませんが、それだけでは市場の広がりに限界があります。

毎年、数十万人、あるいは数百万人の人が、年末ジャンボ宝くじを買っています。でも、ARUNに出資しているのは、まだ86団体しかありません。

宝くじを買っている人は、社会貢献しようと思っていません。3億円が当たれば良いと思っているだけです。しかし、もし社会的投資で自分の投資した300円が3億円になるかもしれないとしたらどうなるでしょうか?

投資としても魅力的であり、かつ社会の役に立つことができるとしたら・・・。大きな投資のインセンティブになるはずです。

リターン万能主義も行き過ぎると弊害が存在します。しかし、「投資」というビジネスを広げるのであれば、そこには「リスクとリターン」がまず検討されるべきで、それがマーケットからの感謝の尺度だという原則はどの投資でも同じだと思います。

私にとっては、3つとも魅力的な投資対象。良い投資対象を見つけ、それをどう組み合わせていくかを紹介していく。私ができるのは、そんな価値の提供ではないかと思っています。


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