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 杭工事のデータ偽装が相次いだ問題で、国土交通省の有識者委員会は25日、横浜市の傾いたマンションの杭工事に関わった3社に建設業法違反の疑いがあるとする報告書を発表した。同省は工事の丸投げなど違法行為がデータ偽装につながったと見て、行政処分を検討する。

 報告書によると、3社は元請けの三井住友建設、1次下請けの日立ハイテクノロジーズ、2次下請けの旭化成建材。日立ハイテク社は、杭が固い支持層に届いたかどうかの判断を旭化成建材に任せ、施工計画書の作成や工程調整、完成検査も担わせる「丸投げ」の状態だった。丸投げは、施工責任があいまいで手抜き工事につながるとして禁じられ、下請けも含め営業停止処分の対象だ。

 また、2500万円以上の大規模な工事を請け負った業者には、他の現場と兼務しない専任の「主任技術者」の配置が義務づけられている。だが日立ハイテク社と旭化成建材は、いずれも主任技術者を複数の現場と兼務させていた。三井住友建設も兼務を知りながら改善を指導せず、行政への通報も怠った。3社とも業務改善命令の対象となる。