こんにちは、そばだけは「しょっちゅう食べなくてもいいから、うまいものを食いたい。マズいそばほど腹が立つものはない」と息巻いている三沢文也です。
そばなんかお腹にたまらないし、本当にダメなものは味がしない…。
おまけに、関西人だから安いそば特有の「ツンとした辛いダシ」がダメなんだ…。
だから、「かけそばと天丼」なんて組み合わせが理解できない。ヘタすると駅前でかけそばをありがたがって食ってる連中が、味覚音痴にさえ思えていた…。
だから、いいところに行っても「暖かいそば」なんか怖くて頼めないんだよ…。何回も来て「ここなら信用できる」って思うまで僕は絶対に冷たいそば…それも具材でごまかさないで食べる「ざる」のそばしか食べたくない人なんです。
正直、蕎麦屋なんか紹介するつもりはなかった…。
なにしろ、そばなんか「高い」か「マズい」の二択しかないと思ってたから期待もしてなかった…。
だが、一回目のグルメ紹介で「利八」というラーメン屋を訪れた際、その帰り道にこんなうさんくさい蕎麦屋を見つけてしまった…。
後日、改めて訪れたのだが…やっぱりうさんくさい。
看板は立ってるけど、二階に入らないとお店がわからない…。
おまけに、地図で見てもらうとわかるのだが…このうさんくささが怖くなるような通りなんだ。
この通りは30メートルも離れた所にフィリピンパブがいくつかあったり…一本向こう側には、「朝キャバ・昼キャバ」と打たれた宣伝がされていたり…駅から直接行くとなると、そこを通ってやっと来るようなお店だから「古い雑居ビルの二階の蕎麦屋」が余計にうさんくさく感じる…。
もし、本当に行きたい人はみずほ銀行・川崎信用金庫・川崎市役所などがある大通りから回っていったほうがいいね…。見てもらえば、よくわかると思うけど。
で、二階に視線を移すとこれだ…。
あー怖いよ〜でも見たいよ><
入り口だけ。お店の入り口見るだけなら大丈夫だよね?ね?ね?
あれ?思ったよりキレイ。
うん、入ってみて入ってみて…。あーじゃあ、その、ランチの天ぷらそば1つ。
向こうにある、お新香を取りに行くの?自由に取れるんだ…。
へぇ〜面白いサービスだなぁ〜…ってけっこうすごい!
そば打ちしてない時間も、そば打ちスペースを有効活用とは…。
そんでこの、お新香がまたおいしいんだ。
「お待たせしました、田舎盛りの天ぷらそばでございます」
…って、太ッ!?
お箸で持ってみるか…。
うん、太くて硬い!
ネタじゃなくて、噛んだ時に風味や歯ごたえを感じられるように、わざと固めに茹でてある!
しかも、田舎盛りにするとそばがわさびに負けないから、そばの味が強めになるのか…。なるほどなるほど。
ちなみに天ぷらそばは、江戸三大料理の2つが入ってる。(ちなみに、最後の一つは寿司)
なんで、こんなことを今さら言うかというと…単純に「おいしいそば」が食べたいなら田舎で食うのが一番確実なんだよ…。そばの産地…北海道・長野・山形などなど。
東京のそば屋で…それもそこそこおいしいそば屋でそばを食べるメリットは「そば屋の天ぷらがうまい」ことにあるんだよ!胃もたれしないようなふわっと口どけするような繊細な天ぷらを揚げてくれるのが、東京でそばを食う楽しみなんだよ!
なぜか、うどん屋・定食屋・居酒屋も天ぷらは出てくるけど、アタリ率の高さから言えば、そば屋が一番。それも天丼や定食のものではなく、天ぷらそばの天ぷらは余計に良い。
…というわけで、天ぷら。
オススメは手に持ってるキス天。野菜やキスは本当に揚げたてのおいしいやつはホロホロっと解けるのが心地よくて心地よくて…。
かけそば嫌いを直してくれた「飲み干せる」そば!
その後、なんどか通ってからのこと。思い立って「苦手なかけそば」に挑戦することにした。
…が、このお店、普通に頼むとかけそばが700円する。
うーん、嫌いなものに、それも腹持ちが悪いそばだけのお昼ごはんでそれが700円というのは嫌だなぁ…。
そこで、こちらも理解不能なメニュー「天丼セット、温かいそば」に挑戦。
天丼がおいしいのは、もうふれなくてもわかると思うからほぼ言及しないけど、画像だけ。
まず、ししとうが嬉しい。嫌いな人もいるけど、天丼にはししとうだよ!特に濃いめの天丼、ずっしりガッツリな天丼にはなおさらししとうだよ!
実際、タレたっぷりの重めの天丼だから「もし、そばが濃い目の味付けだったら残すかも…」と心配になった。
さて、問題はそばだ!!
今回は田舎盛りではなく、普通のそば。太さの違いもよく見ていただいたいところ…。
よく見てもらったらわかるんだけど…手打ちだからそばもそれぞれに太さ少しだけが違うんだよね…。
ざるにするよりもよりわかりやすく違う。
持ったほうがわかりやすいかな…。
ネギは別添え、メインは三つ葉と柑橘の皮ねぇ…。安直にかまぼこやわかめとか入れてこないところからして、もう違う!
…本題に入ろう。
そばの茹で加減は「やわめ」。噛まずに飲み込めるほどやわい。
でも、「やわめけど、コシはあるから持った時には麺自体の重さと簡単に切れない安定感」を感じる。ちゃんとした麺じゃないと、こうはならない!
しかも、メリハリがいい!
そばをすすってると「そばの風味がする」のに、ダシにはそば臭さやそばの臭みを消すために「醤油やみりんで力押しする」ような下卑たつゆではない!断じてない!!
つゆの…それも落ち着いたコクのある醤油味…加えて、キレのある節の味がする。柑橘の皮や三つ葉の爽やかさは天丼と合うけど、決してつゆをごまかすためじゃない所がいい。
三つ葉を口に含まなくても、最後にグイッと飲み干す時にも「爽やかだけど、深いコクのツユ」の香りがする。
よく「うどんはあつく、そばは冷たく」と言う人/「通は冷たいそば(特にざるやせいろを頼む)」と言い張る人がいて、僕もこのそばを食べるまでは同じ意見だった。
でも、本当に信用できるそば屋なら暖かいそばのほうがいいわ…。段違いにおいしい。
今後も、気に入ったそば屋を見つけたら暖かいそば…できれば、かけそばに挑戦しよう!
兵庫県民だから、兵庫県のそばを推したい!!ちなみに、そば処以外の兵庫のそば事情についても少し。
兵庫全域としてはうどん・焼きそば・粉物文化だからいい加減なそば屋は存続できない分、そば屋が少数精鋭になるのよねぇ。だから、余計に僕にとってはそばは「贅沢品」なイメージが強いのよね…日常食ではなく。
出石そばも、土着の文化と言うよりはお殿様の国替えの時に、お殿様がそれ以前にいた信州からそば職人を連れてきたことがルーツだし。