「ワインファンド」は、ユーロ危機による円高でどうなったか?

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<業務連絡>
昨日、ラジオ日経で放映された早川周作さんの番組にゲスト出演いたしました。こちらのページの右上のオンデマンドで聴くことができます。
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日本で唯一のワインファンドを運営する北田朝雪さんとお会いしました。先月の日経マネーのワイン投資特集でもご一緒しましたが、5年以上のお付き合いをさせていただいているとても緻密で信頼できる方です。

このブログでも何回か書いていますが、ワインは投資対象として大きな可能性を持っています。原油や金のようなコモディティと言われる「商品」に分類されるのですが、ワインにはたの「商品」とは決定的に異なる特徴があります。

それは、ビンテージワインは将来、供給が増えないということです。

ビンテージワインとは、ボルドーやブルゴーニュの高級ワインで、製造した年号が決まっているものです。例えば、シャトーマルゴーの2000年と言えば、2000年に生産されたものだけ。その年に何本生産されたかは公表されます。それが、消費され、破損紛失したりして、供給が年々減っていくのです。

コモディティの価格は基本的には需給で決まりますから、供給が増えないというのは、大きなメリットと言えます。需要に関しては、ここ数年中国での消費が伸びています。嗜好品なので景気の変動によって影響されますが、経済成長が続けば、今後も堅調な需要を期待して良いのではないででしょうか。

フランスのワインに投資する場合、日本人投資家のとって、もう一つの問題は為替です。私が購入した2009年当時、1ユーロは135円程度でした。それから2割以上円高になっています。しかし、ヴァンネットが公表している運用状況を見ると、直近の時価評価では、円ベースでもプラスになっています。現地通貨ベースでは、3年足らずで6割以上上昇しているからです。

このようなリターンが常に実現できるとは限りませんが、株式、債券、不動産といった資産だけではなく、それらの資産と相関の低いコモディティも、これから資産の一部に組み入れる動きが広がると思います。その中で、ワインへの投資も、選択肢の1つになるのではないかと思います。

ワインファンドは投資信託ではなく、匿名組合契約という仕組みで作られています。以前ご紹介したセキュリテと同じです。

金融商品は、仕組みのリスク、投資対象のリスク、税制、など様々な面を勉強して理解し、その上で納得して投資しなければいけません。リスクを取らなければリターンはありませんが、内容を確認もせず投資をするのはリスクではなく、単なる無謀です。セキュリテやワインファンドへの投資も、当然のことながら元本保証はありませんし、最終判断は自己責任で決めるものです。

ワインファンドは通常最低投資金額が300万円ですが、現在100万円から投資ができるワインファンドを募集しているようです。興味のある方は、ヴァンネットのWebで詳細をチェックしてみてください。


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