(城島)
地をはう地吹雪
今日の舞台は民謡大国青森です
厳しい冬とともにある青森の唄
自然の猛威と向き合い耐え忍ぶ
凍てつく寒さの中で育まれた力強い歌声に人々は生きる勇気を託します
(ハイ)
(ハイ)「アー」
(ハイ)
(ハイ)「アー」
(拍手)「民謡魂ふるさとの唄」。
今日は青森県むつ市からお送りして参ります。
ご案内は私城島茂と…。
アナウンサーの近藤泰郎です。
(2人)よろしくお願いします。
青森県民謡ファンにとっては熱いところですよね。
しかしそもそもどうしてこの青森県はそんなにも民謡が熱いんでしょうかね。
理由はさまざまあるとは思うんですが青森県ではですね強大なツートップがあるんです。
オープニング山本謙司さんに飾って頂きましたが「津軽あいや節」。
津軽民謡を代表する一曲です。
その津軽民謡ともう一つ南部民謡という大きな柱があってこのツートップが民謡大国青森を築いているんです。
ツートップなんですね。
津軽と南部この雰囲気も世界観もまるで異なるこの2つがあるからこそ民謡に大きな幅が生まれ人々を引き付けて離さないという事だそうです。
続いてはその南部民謡をお聴き頂きます。
魅力は何といってもおおらかさ。
まずはここむつ市田名部でうたい継がれてきました「南部餅つき唄」を松倉雪江さんの唄で。
そして銅や木炭を運ぶ牛を追いながらうたわれた「南部牛方節」を松田隆行さんにうたって頂きます。
それでは2曲続けて…。
(2人)どうぞ。
(ハーエヤコラエヤコラエヤコラハイハイ)
(ハーキタコラサッサ)
(拍手)
(パーパパパパ)
(キャラホーパーパパパパ)
(パーパパパパ)
(キャラホーパーパパパパ)
(拍手)南部民謡聴いてるだけでもその情景が目に浮かんでくるようですね。
確かにおおらかさを感じました。
しかしまあ曲にもよるんでしょうがあまりにも津軽民謡とは雰囲気が違いますよね?そうなんですよね。
同じ青森県なのに…です。
今でこそ同じ県ではございますがかつては国が違ったという事ですかね。
南部藩の唄津軽藩の唄というように。
さすがは城島さんそのとおりなんです。
それゆえにこんなにも違った雰囲気の唄になっているんです。
どういう事でしょうか?ご説明しましょう!おきましたね。
さあこちら紙芝居をご用意させて頂きました。
さあまずですねこちら。
かつて南部氏の勢力が及んでいた地域です。
これは青森県岩手県そして秋田県も入ってますよね。
かなり広かったわけですよねここ全部が。
そうなんです。
しかし時は戦国乱世。
何が起きてもおかしくない混とんの中何と南部から…。
津軽が独立したんです。
津軽の人の気質を表すこの言葉ご存じですか?あ聞いた事がありますね。
強情っぱり意地っぱり頑固者という意味なんですがなぜ津軽がじょっぱりなのか。
その理由というのは独立したというところにあるんです。
南部から独立したからには力を借りる事などできない津軽。
何が起きても己で乗り越えなければいけなかったんです。
なるほど。
意地を張りとおしたというそのじょっぱりの気質。
実はそれがそのまま津軽民謡に表れているんです。
どういう事かというと津軽の各地で行われてきた唄会なんです。
唄会?もともと津軽民謡はボサマと呼ばれる盲目の芸人による門づけ芸だったんですが明治になって身分制度が廃止された事によって多くの人が唄や三味線を習うようになったんです。
そうすると腕に覚えがある人たちが集まって次第に開かれるようになったのが唄会なんです。
でこちら。
あ何ですか?これは。
昭和の初めごろの唄会の様子なんです。
お花見やお祭りお正月といった多くの人が集まる場で開かれた人気のイベントで大人から子供まで魅了していたというのがこれ分かりますよね。
そうなんです。
ただ私たちがイメージする「のど自慢」とは大きく違うんです。
ん?同じ曲で皆さん勝負するみたいな事なんですか?そこにこそじょっぱりの気質が表れているんです。
だって子供もいますしね飽きて寝ちゃったりとかいう事もあったりするんじゃないですか?いやいやいやいや前にうたった人よりも自分は負けない前の人よりもきれいな声で前の人よりも高い声で前の人よりも高度な節でとあの手この手持てる技全てを注ぎ込んで競い合うそれが唄会だったんです。
は〜いやでも同じ曲で勝負するんですから聴いてるお客さんの耳もね肥えてきますしね。
そうですよね。
そこでですね今日はそんなじょっぱりの舞台唄会をこのステージに再現したいと思います。
こちら!うたって下さる歌手の皆さんをご紹介しましょう。
津軽民謡界をけん引してきました大御所山本謙司さん。
聴く人全てを引き込む福士優子さん。
津軽民謡名人の血を引く福士あきみさんです。
今日はお三方にいずれも「津軽よされ節」をうたって頂きたいと思います。
ただ歌手の皆さんにとっては同じ曲で勝負するというのはどういうお気持ちなんでしょうかね?そうですよね。
いやいや…何か緊張してなさそうですけど大丈夫ですか?福士あきみさんはどうでしょうか。
(あきみ)そうですね。
なかなか同じ歌詞でホントに現代ではうたう事がないので今日はすごく…さあ山本謙司さんお二人こう言ってますけども。
そう私も刺激があります。
でもねまあこれは若いご両人がこれから引き継いでいってもらいたいという願いもあります。
そういう思いがあるわけですね。
あのこのコーナーやっぱりお三方にとにかく真剣に勝負をして頂こうというふうに考えましてその練習というものはそれぞれ個別に行いました。
ですから本番でどなたがどんなうたい方どんな節回しでくるかというのはお互いに分かっていないと。
知らないわけですか?どうくるか。
そうなんです。
そしてじゃあその優劣はどうやってつけるのかという事ですが唄会にはもちろん審査員もいましたがそれ以上に大きかったのがお客様の反応だという事なんです。
という事はですよ今日もたくさんの皆さんにお運び頂きました皆さんの拍手歓声が大きく影響してくる事になると思います。
準備はよろしいですか?どうでしょうか?
(拍手)さあいやがおうにも舞台は整いました。
参りましょう真剣勝負の舞台唄会です。
「津軽よされ節」。
(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手)
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(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手)
(拍手)福士優子さん福士あきみさん山本謙司さんにうたって頂きました。
いや〜津軽民謡界注目の3人による唄会。
皆さんいかがでしたでしょうか?どうだったでしょうか?
(拍手)ホントに名勝負。
どうしますか?え僕がですか?いつの間に。
まあでもこれ優劣つけなきゃいけないわけですよね。
いや〜これはもうでも聴いてても皆さんのそれぞれの持ち味が生きてましてね楽しむ心を忘れないという…。
(山本)緊張しました。
いやいやいや…。
でもホントに民謡心から好きだという気持ちで皆さんと一体化してる感じがしましたよね。
あきみさんはあきみさんでこの伸びやかな節回しがさすがだなと思いました。
そして優子さんは一番手でしたよ。
ものすごい緊張感も後ろから見てて伝わるんですけどうたいきった時の笑顔が何ともいえないこのチャーミングというか。
お願い致します!
(ドラムロール)今日の唄会優勝者は福士優子さんです!福士優子さんおめでとうございます!初っぱな頑張りましたよ。
あの緊張感の中よく頑張りました。
ていうか皆さんねもう優勝っていうかトップレベルですから全員皆さん1位なんですけどもね。
ホントに名勝負をホントに繰り広げたこの3人の皆さんにもう一度皆さん大きな拍手をお送り下さい。
山本謙司さん福士優子さん福士あきみさんでした。
(近藤城島)ありがとうございました。
人は死ねば魂は恐山へいく
ひと言でいい。
言葉が聞きたい
あの世とこの世をつなぐ橋渡しをしてきました
現役最高齢のイタコを訪ねました
あどうぞ。
3歳の時はしかで視力を失いました。
生きるためにイタコの道を選んだといいます
タケさんの声に耳を傾ける人は今も後を絶ちません
大切な人を亡くした悲しみはいつの時代も変わる事はありません
笑顔を取り戻した夜…
人々は踊ります
「田名部おしまこ」。
あの世とこの世をつなぐ盆踊り唄です
(ハーおっこいさーのサーッサ)
(ハーおっこいさーのサーッサ)
(ハアーおっこいさーのサーッサ)
(ハーおっこいさーのサーッサ)
(拍手)ありがとうございました。
続いては津軽三味線をお聴き頂きたいと思います。
そこでですね今日はこちらに木乃下真市さんにお越し頂きます。
お願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
唄会において津軽民謡を磨き上げたのがじょっぱりの気質だとお伝えしましたが津軽三味線もやはりじょっぱりの気質だといわれているんです。
中でも津軽三味線を進化確立させたのが津軽三味線の神様ともいわれる白川軍八郎です。
神様ですか?はい。
白川軍八郎は明治42年の生まれ。
幼いころに視力を失い8歳の時に生きていくためにボサマの道を選びました。
師匠から言われるのは…生来のじょっぱり気質に火がついた軍八郎は独自の奏法を次々と編み出していきました。
木乃下さんはこの軍八郎の三味線とはどうやって出会ったんですか?はい私が子供のころ家に津軽三味線の名人ばかり集めたレコードがありましてその中で初めて聴きましたね。
聴きながらちょっと弾いてまねしたりとかしたんですか?そうなんです。
簡単にまねできると思ったら…だったらどうやって練習したんですか?それは。
それはですねレコードをですねターンテーブルに無理やりそれに手を押しつけてですね回転を遅くしてそれで一つずつ耳で解読しながらとってきましたね。
ベンベンベンベンベンみたいな感じですか?ホントそのとおりです。
ホントにそんな感じなんですか?普通に聴いてたらですね目にも留まらぬ早業とよくいいますけど耳にも留まらないんです。
ホントに速くてもう何を弾いてるか分からないという状態。
さあ木乃下さんにとってこの白川軍八郎というのはどういう存在だったんでしょうか?津軽三味線のフレーズをですね私たち「手」と呼んでるんですね。
さあ今日はどんな演奏を聴かせて頂けるんでしょうか?はい今日は白川軍八郎先生の音源に合わせてですね私と澤田勝秋先生と一緒にですね擬似競演っていうんですかね3人で競演したいと思います。
夢のコラボレーションよろしくお願いします。
ご準備を。
(拍手)
(津軽三味線)
(拍手)ありがとうございました!さあいよいよ大詰めです。
続いては…。
南部民謡の真骨頂ともいわれます名曲「南部追分」をお聴き頂きます。
(拍手)あきましたね拍手が。
南部民謡ならではの弾むような三味線。
そして伸びやかでおおらかな節回しを味わって頂けたらと思います。
松田隆行さんにうたって頂きます「南部追分」。
それでは…。
(2人)どうぞ。
(ハーソイソイソイ)
(ハーソイソイソイ)
(ハーソイソイソイ)
(ハーソイソイソイ)
(ハーソイソイソイ)
(拍手)ありがとうございました!青森県むつ市からお送りして参りました「民謡魂ふるさとの唄」。
そろそろお別れのお時間です。
次回は来年愛知県刈谷市からお送りする予定です。
暮らしの中で生まれた民謡刈谷ではどんな唄が聞こえるのでしょう。
次回もどうぞお楽しみに。
最後は一足早く新年のおめでたい唄で結びましょう。
「俵積み唄」。
・「ハーこの家旦那様のお屋敷をば見てやれば」・「倉の数が四十八コラいろは倉とはこの事だ」・「一の倉は銭倉コラ次の倉は金倉」・「次のお倉は宝倉コラ次の倉から俵倉」・「俵倉には米を積むコラ七万五千の御俵をば」・「七十五人の人足でヤッコラセーの掛け声でコラ」・「棟木までよと積み上げたさても見事に積み上げたコラ」・「お誉め下んせ旦那様コラ」お祝い下んせ嬶様」・「めでたいなめでたいな」・「この家旦那様は億万長者と申される」
(拍手)2015/12/20(日) 15:05〜15:49
NHK総合1・神戸
民謡魂 ふるさとの唄「青森県むつ市」[字]
青森県むつ市から。津軽民謡を磨き上げた伝説の「唄会」で“じょっぱり魂”が火花を散らす。さらに、津軽三味線のキングとレジェンドが“神様”と奇跡のコラボレーション!
詳細情報
番組内容
今回は青森県むつ市から。津軽民謡を磨き上げた伝説の「唄会」を再現。“じょっぱり魂”が火花を散らす。民謡界を代表するツワモノ歌手たちが「津軽よされ節」で白熱の名勝負を繰り広げる。さらに、津軽三味線の“キング”こと木乃下真市と“レジェンド”こと澤田勝秋が、“神様”白川軍八郎と奇跡のコラボレーションを果たす。ジャパニーズソウルでは、イタコの地を訪ね、あの世とこの世をつなぐ盆踊り唄「田名部おしまこ」を紹介
出演者
【司会】城島茂,近藤泰郎,【出演】山本謙司,松田隆行,松倉雪江,福士あきみ,福士優子,澤田勝秋,木乃下真市,森川弘彩,米谷智,荒井ふみ子,田辺三花,西田美和,西田和子,むつ市連合婦人会,中村タケ
ジャンル :
音楽 – 民謡・邦楽
音楽 – 民族音楽・ワールドミュージック
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
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