お久しぶりです〜。
はいどうも。
しばらくでした。
東京ドームで待ち合わせたのは…お久しぶりですほんとに。
どうもしばらくでした。
ああうれしい。
長嶋さんが野球と出会って７０年。
今回４時間に及ぶインタビューが実現しました。
チャンスにめっぽう強いバッティング。
見る者を魅了する華麗な守備。
ファンに愛され「ミスタープロ野球」と呼ばれました。
そして長嶋さんと言えば「いわゆるひとつ」の…あの天覧試合のサヨナラホームランバットも…。
小さい事は気にしません。
みんなが大好きな長嶋さん。
常に注目され期待される人生。
人知れぬ苦悩もありました。
長嶋茂雄さん７９歳。
その野球人生の全てを語ります。
監督今日はもう長嶋茂雄がどう出来上がってきたのかも伺いたいのでお生まれになった時から伺いたいんですけど。
アハハハハッ。
４人兄弟の末っ子で生まれた時が２，６００グラムの小さい赤ちゃん。
野球と出会ったのは９歳の時でした。
終戦直後のもののない時代。
野球のボールは母ちよさんが作ってくれました。
お母さんが布を巻いて。
出ますよね。
それで見ててね…へえ〜。
あ…じゃあ覚えてらっしゃるんですか？お母さんが血を流しながら…。
ええもちろん。
じゃ貴重でしたねボール一つが。
今やみんなたくさんあって投げますけど。
「プロ野球選手になって母を喜ばせたい」。
その思いが長嶋さんの原点となりました。
昭和３３年長嶋さんは六大学野球の通算ホームラン記録をひっ提げ巨人に入団します。
それは数あるオファーの中で最も低いものでした。
そうですよね〜。
よくぞ。
だって１回しかもらえないから高いところ行けばよかったのにとは思わず巨人に？ええ。
迎えた開幕戦。
相手は球界ナンバーワン投手…痛烈なプロの洗礼にも決して下を向く事はなかったといいます。
自信を失ったりは？ちょっと実は大切な物を今日お持ち頂きまして。
何ですか？本邦初公開というか…。
皆さんの前に。
あっ分かった〜。
お持ちします。
ちょっと待って下さい。
アハハッ。
監督持つの緊張します。
うわ〜…。
これは監督からご説明頂くと何のバットかというと…。
あの天覧試合のサヨナラホームランの。
（アナウンサー）「天皇皇后両陛下は２５日後楽園においでになり…」。
プロ入り２年目２３歳で迎えたプロ野球初の天覧試合。
午後９時１２分。
両陛下が退席される時刻の僅か３分前の事でした。
（アナウンサー）「５球目村山の高めの速球を長嶋レフト上段にサヨナラホームラン」。
最高の場面で最高の結果を出す。
これぞスーパースター長嶋茂雄の真骨頂。
そういうせっぱ詰まったああいうサヨナラ最終打席みたいな時って監督どうなってるんですか？監督の頭の中とか体って。
じゃ前日とかに明日はピッチャー誰とかあの辺に天皇皇后両陛下いらしてこうこうこうこうなるっていう…。
監督はその前夜のイメージではサヨナラホームランだったんですか？ええ。
サヨナラホームラン!?…をイメージ。
ええ。
試合は競っていいゲームを天皇皇后両陛下に見せて最後は自分が持っていくぞという。
ええ。
勝利への飽くなき執念。
そして長嶋さんはファンを楽しませる事にもこだわりました。
（アナウンサー）「長嶋はフルカウントから空振りの三振」。
空振りしてもヘルメットを豪快に飛ばすこの姿。
ヘルメットはあえて大きめの物を用意していました。
時にはバットを持たずに打席に立つ事も。
実はこれ…手のひらを開いての全力疾走。
軽やかにグラウンドを駆け回る背番号「３」に人々の視線はくぎづけです。
そしてなんといってもサードの守備。
指先まで意識した美しいスローイング。
歌舞伎の所作をまねたといいます。
スローイングは何でまた歌舞伎から持ってきたんですか？アハハッ。
う〜ん…。
長嶋さんがこだわった華麗な守備。
それを支えた独自の守備理論がありました。
その１５１６っていうのはご自分で意識して…。
ショートゴロはでもショートに任してもよかった…。
アハハハハッ。
アハハハハッ。
フライがまあ自分のところに上がってくると…。
当時は黒江さん？黒江さんね。
どうぞ。
もっと若い時は広岡さんね広岡さんに任しちゃう。
ま主に大体黒江さんがやりましたよね。
捕って当たり前ですからね。
アッハッハ！常にファンを意識してプレーした長嶋さん。
若き日に強く憧れた一人の選手がいました。
ニューヨーク・ヤンキースのスーパースター……という不滅の大記録。
そしてファンのために全力プレーを貫く姿勢から「野球選手の鑑」と呼ばれていました。
「金髪のお好きな世界中の紳士をがっかりさせたマリリン・モンロージョー・ディマジオのご両人は新婚旅行を兼ねて２月１日羽田に着きましたが思いの外の歓迎にさすがの人気者もたじたじ。
逃げるように宿舎帝国ホテルへ向かいました」。
長嶋さんが高校３年生の時そのジョー・ディマジオがマリリン・モンローと新婚旅行で来日。
なんとそこに…。
すごいねいい人だね。
はぁ〜っそうか。
監督はジョー・ディマジオさんのどこが好きだったんですか？ディマジオ選手のファンに対するサービスであったり人として監督がこの人すごいなこの人憧れるというのはどんなところ。
まさに現役時代の長嶋監督長嶋さんにつながるんですけどそれはやっぱりディマジオみたいにというかそういう考えがあったんですか？近づいていきたいっていう。
２０代にして国民的スターとなった長嶋さん。
心に決めていた一つの信念がありました。
それは努力する姿を決してファンに見せない事。
見せるとでも楽ですよね。
ええ。
調子悪い時もこんなに頑張ってるんですけどって。
安易になる。
以前監督が選手時代長嶋茂雄である事は孤独だったっていうふうに振り返っておっしゃってましたけどスーパースターでいらっしゃいました…。
ファンには見えない場所で己と向き合い技を磨く日々。
感覚を研ぎ澄ませ一振りに集中します。
部屋を真っ暗にして音っていうのはどこでどう聞こえる…。
バットってここから振り下ろしますよね？さっ！すん！この時しないね？こう真ん中。
さっ！音するしない。
するしない。
するしない。
そういう事をね覚えてるからねやるのよ。
一瞬ですよね？そうだよ…その音のこの場所とこの場所が…。
そうなんですか。
そうよ。
音でスイングを見極める!?う〜ん監督難しい世界です！９年連続日本一Ｖ９へと巨人を導いた長嶋さん。
その黄金時代を共につくったのが世界のホームラン王王貞治選手でした。
（場内アナウンス）「３番ファースト王４番サード長嶋」。
（歓声）王が打てば長嶋も打つ。
長嶋が打てば王も打つ。
競い合うように高め合うように。
２人は数々の記録と記憶を残します。
強烈な輝きを放った２つの星…長嶋さんにとって王さんとはどのような存在だったのでしょうか。
共にスーパースターが３番４番で同じチームにいるっていうのはそれは選手としてはどうなんですか？互いに。
王さんにも勝つぞと。
ちょっとここは王さんホームランじゃなくて二塁打ぐらいにしておいてチャンス回してみたいな事は思ったりやっぱり…。
やっぱありますか！ありますよねぇ！思いますよねそれはね。
パコーンッていっちゃうよりその方がファンも楽しいですし…。
ああ〜。
今改めて王選手の存在って長嶋茂雄という選手にとってはどういう…。
３８歳で現役引退。
長嶋茂雄は最後までスーパースターでした。
やった〜！
（歓声）
（歓声）超満員のファンに届けた通算４４４本目のホームラン。
試合が終わるとファンのもとへ。
予定にはなかった場内一周でした。
泣かれた時っていうのは気持ちの中でどんなふうになって…。
そしてあの言葉。
皆様の温かいご声援の数々のひとつに支えられまして今日まで支えられてきました。
私は今日引退をいたしますが我が巨人軍は永久に不滅です！
（拍手と歓声）アメリカ帰ってこれから何したいんですか？Ｐｌａｙｇｏｌｆ．ゴルフ？彼ねゴルフねシングルなんですよね。
もうハンディキャップゼロですから。
打てるはい。
イマ６イマ６。
６…シックス？ユースクラッチ！巨人軍に今一番必要なものこれは何だと思いますか？「我らがチョーさんがついにやった」。
・「ハッピーバースデートゥーユー」
（拍手）じゃあありがとうございました。
どうもそれじゃ…。
（拍手）引退の翌年長嶋さんはすぐさま巨人の監督に就任します。
しかし華やかなプレーで栄光を築いた選手時代とは全く勝手が違いました。
（観客）ミスタージャイアンツ頼むで〜！思うように選手をコントロールできず１年目は球団初の最下位に転落。
６年間で一度も日本一になれませんでした。
どんなところが一番監督という仕事大変だなと…。
選手の時はそれでも練習して２試合後３試合後明日返せる。
そうそうそうそう。
監督になったら…。
自分だけの何か頑張りでは…。
そうそうそう。
１２年間の休養を経て巨人の監督に復帰した長嶋さん。
自らの後継者となる選手に出会います。
（司会者）「第１回選択希望選手。
読売松井秀喜」。
４球団が競合した松井秀喜選手。
（司会者）「『交渉権確定』という印が押してあるのが…」。
（拍手）自らの手で引き当てました。
長嶋さんは松井選手を３年で４番バッターに育て上げる「一千日構想」を打ち立てます。
止めて止めて。
止めろ止めろ。
マンツーマンで己の全てを注ぎ込んでいきました。
そうこれでいいんだよこういう打ち方。
よ〜し今のいいなＯＫ。
さあちょっとこちらをご覧頂きたいんですが「Ｈ．ＭＡＴＳＵＩ」と書いてありまして実はこのバットは長嶋監督のお宅に置いてある松井さんのバット。
何で監督のおうちにあるかというと松井さんが監督のお宅で練習というか素振りをされた。
ええ。
それはもともと長嶋監督用の…。
うちにあったんですよ。
素振りスペースが。
そこではどんな…？明かり消して？まさに監督が現役時代に…。
その世界その形が松井さんは分かった。
長嶋茂雄がその独特の感覚を唯一共有する事ができた松井秀喜。
しかし意見が分かれた事がありました。
それは守備位置について。
ええ〜。
長嶋さんはこの選手の名前を出して松井選手を説得しました。
ジョー・ディマジオです。
言うまでもなく……と僕が言って。
ああそうだったんですか。
そうですよはい。
知らなかった…。
はい。
そうだったんですか。
そうそうそう。
松井選手と共に長嶋さんは監督としても数々のドラマをファンに届けていきます。
史上初同率首位の２チームが最終戦で優勝を争った…松井選手が中日を引き離すホームランを打ちました。
（アナウンサー）「第４球空振り三振！１３０試合目ついに優勝を飾りました！」。
最大１１．５ゲーム差をはね返した大逆転優勝…
（アナウンサー）「セ・リーグ史上最大の逆転優勝達成」！そして…
（歓声）
（拍手と歓声）背番号「３」を復活させたこの年ダイエー王監督との「日本シリーズＯＮ決戦」が実現しました。
ダイエーに先手を取られ２連敗。
しかし…。
（歓声）松井選手のバットがチームを救います。
（歓声）ＭＶＰを獲得する活躍で勝利へと導きます。
（アナウンサー）「第３球を投げた。
空振り三振！」。
ファンを魅了しそして勝つ。
選手時代から追い求めた理想の野球でした。
運命の出会いから１０年。
松井選手は新たな旅立ちを決意します。
長嶋さんが憧れた大リーグ。
選んだのはあのジョー・ディマジオが在籍したニューヨーク・ヤンキースでした。
まな弟子の決断に長嶋さんは…。
そうするとあれですかねかわいい我が子のような松井選手が行く時は残念だけれども自分も行きたくて時代として行けなかった…。
そうですね。
その期待というか夢というか行ってこいよっていう。
「ＨｉｄｅｋｉＭａｔｓｕｉｉｓＭＶＰ２００９！」。
（歓声）夢を託した松井選手は監督の希望どおりというか夢のとおり願いどおり活躍して。
ええそうですね。
そう考えたらほんとすごい歴史ですね。
ジョー・ディマジオに憧れた長嶋さんの夢をまた松井さんが継いでヤンキースに始まってヤンキースにまた戻って。
そうだったですね。
野球と共に歩んできた長嶋さんの人生。
大きな転機が訪れたのは６８歳の時でした。
アテネオリンピックに向かう日本代表の指揮を執る中脳梗塞に倒れたのです。
右半身に重いマヒが残り自由に言葉を話す事もできなくなりました。
しかし長嶋さんは懸命にリハビリに励む姿をあえてメディアに公開しました。
そこにはこんな思いが。
現役時代は監督練習してますっていう姿も籠もって見せないという事でしたけど…。
それは２００万人の同じように頑張ってる方々の励みになる…。
まあ何だかんだと…そういう事です。
アハハッ。
リハビリはうそはつかない。
（場内アナウンス）「４番サード長嶋茂雄背番号３」。
そしておととし。
（場内アナウンス）「ピッチャー松井秀喜背番号５５」。
長嶋さんは松井秀喜さんと共に東京ドームのグラウンドに立ちました。
（歓声）２人そろって国民栄誉賞を受賞したのです。
栄光の背番号「３」。
輝くプレーで日本中を明るく照らしました。
ファンに喜びを届けそして大好きな野球を思い切り楽しむ。
みんなが愛するスーパースターです。
長嶋茂雄さんというスーパースターの人生は幸せですか？う〜ん…。
どんなところが？７９歳の今の夢は何ですか？…気持ちがあるね。
2015/12/23(水) 22:00〜22:50
ＮＨＫ総合１・神戸
スーパースター 長嶋茂雄〜野球人生のすべてを語る〜[字]
スーパースター長嶋茂雄。華麗なプレーや数々のドラマの裏には人知れぬ孤独や苦悩がありました。まな弟子・松井秀喜との絆など、とっておきの秘話を有働アナが伺います。
詳細情報
番組内容
プロ野球界、いや日本のスポーツ界が生んだ最大のスーパースター、長嶋茂雄さん、７９歳。伝説として語り継がれる華麗なプレーや数々のドラマ。その裏には、人知れぬ孤独や苦悩がありました。スターとなる礎となった大学時代の恩師の教えや、決して表には見せなかった努力の日々、手塩にかけて育てた「まな弟子」松井秀喜との絆など、数々の秘話を聞き出すのは有働由美子アナウンサー。とっておきのインタビューをお届けします。
出演者
【出演】長嶋茂雄，【きき手】有働由美子
キーワード１
長嶋茂雄
ジャンル :
スポーツ – 野球
ドキュメンタリー／教養 – スポーツ
ドキュメンタリー／教養 – インタビュー・討論
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:34072(0x8518)