新・牡丹と薔薇 #19【運命に導かれた出会い】 2015.12.24


(美輪子)・「生きてゆけない」
(美輪子)あのう。
(富貴子)ごめんなさい。
あんまり切なく胸に迫る歌なので。
(美輪子)あのう。
あなたは?どうかしてるわね。
私って。
突然泣いたりして。
失礼するわ。
(美輪子)あのう…。
(眞澄)不思議な人?女の人よ。
私がピアノで『牡丹と薔薇』の歌のメロディーを軽く弾きながらハミングしてたの。
そしたらどこからか近づいてきて「その歌は何の歌なの?」って聞くの。
(眞澄)ああ。
あの歌ね。
美輪子の大好きな。
だから歌ってあげたのよ。
弾きながら歌ってあげたらそしたら突然泣きだしたの。
(眞澄)その人が?それも普通の泣き方じゃないの。
しゃがみこんでしまって肩を震わせるようにして振り絞るような声で。
(眞澄)まあ。
サングラスを外して涙を拭いたとき顔を見たの。
私より4〜5歳年上かしら。
ちょうど亡くなったぼたんくらいの年格好で。
そうよ。
どことなくぼたんに似ていたわ。
(眞澄)ぼたんに?雰囲気がよく似てるのよ。
私ドキッとして見詰めていたら「ごめんなさい。
泣いたりして」って美しい笑顔を残してどこかへ消えてしまったの。
(崑一)それじゃまるでぼたんの亡霊じゃないか。
そうなの!ぼたんが亡霊になって私に会いに来てくれたんじゃないのかしらって思ったくらい。
お前たち姉妹は仲が良かったからね。
ぼたんも美輪子に会いたいんでしょうね。
この絵だってあの業火の中奇跡的に焼け残ったんだからね。
ぼたんは死んでも死なない。
こうして私たちの胸の中に永遠に咲き誇ってるんだ。
『牡丹と薔薇』天国でぼたんもあの歌を歌ってるのかしら?会いたい。
あの人にまた会いたい。
美輪子…。
私の妹。
ごめんなさい。
父さん。
(峰靖)いいんだよ。
写真見るぐらい。
こんな感傷に溺れてちゃいけないと分かってるんですけど。
(峰靖)理屈じゃないからな。
(峰靖)さぞ会いたいんだろうけど仕方ないよ諦めるしか。
ええ。
富貴子。
こうやって私たちに育てられたのも縁なんだよ。
貧しい両親だけどなしかたがない。
運命なんだよこれも。
ええ。
実の母親妹が分かっただけでもよかったと思ってるの。
父さん。
心配しないでね。
気持ちを切り替えて働くわ。
(女性)どうですか?吉田さん。
神崎さんの方はこの店舗の半分の広さで事足りるって言ってるんですけど。
ええ。
私もこんなに広くは必要ないんです。
(女性)ですからお二人でシェアされたらちょうどいいんじゃないかと思って。
それで神崎さんも一緒に来てもらったんですけどね。
(神崎)吉田さんはどういったお店を始められるんですか?ネイルアートサロンです。
女性向けの爪のおしゃれの店ですけど。
(女性)ああ。
(神崎)ああ。
なるほど。
お客さま用のソファや椅子。
関連の商品を展示する場所さえあれば。
(女性)だからこの半分のスペースでちょうどいいんじゃない?半分でも広いくらいですわ。
神崎さんはどんなお店を?
(神崎)手作りの革製品を作って販売しようと思ってるんです。
バッグやかばん。
ポシェット。
財布や小物入れといったものですが。
ご自分でお作りになるんですか?
(神崎)ええ。
お客さんの好みに応じて作ったり自分でデザインしたものを作ったりですね。
じゃあ工房も兼ねて?
(神崎)工房ったって縫ったりたたいたりするだけであまり場所は取らないですからね。
革染めはよそに出しますし僕もまあこの半分もあれば。
ですからこの物件はお二人でシェアされるのにぴったりだって申し上げてるんですよ。
1軒丸々借りるよりも家賃はぐっと安くて済みますしね。
僕の方は吉田さんさえよければ。
そうね。
連名で借りて家賃を折半したらどうですか?2人別々に契約すると家主の方が欲張って家賃つり上げてくるかもしれませんから。
(神崎)なるほど。
どうですか?そうしませんか?神崎さんさえよければ。
(女性)はい。
これで決まりです。
いいじゃないですか。
ネイルサロンの客がバッグを買うかもしれないし。
その逆もありじゃない?
(神崎)どうかよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
(崑一)注文がなかなか厳しいね。
こまやかな知性と見識のある方か。
だって私には色々とアイデアがあるんだけれどうちの従業員じゃ全然相談相手にならないんですもの。
いい人が来てくれればいいがね。
きっと来てくれるわ。
あの人が広告を見たら必ず。
あの人?そうよ。
あの人よ。

(『牡丹と薔薇』の演奏)一度この店に来たんだからもう一度…。
もう一度必ず。
前家賃礼金敷金共に折半して。
それに改築費がこのくらい。
何とか250万で抑えられるわ。
(峰靖)ほう。
250万。
父さん。
ついでといっては変だけどこの天ぷら屋も再開したら?
(峰靖)えっ?思ったよりも経費が少なくて済むの。
改修費100万ちょっとくらいなら援助してあげられるけど。
そうか。
一度離れた客が戻ってきてくれるかどうかだな。
イチかバチかやってみなきゃ分からないでしょ?このままじゃ父さんだって仕事もなく気持ちが腐っていくばかりだわ。
以前のように夫婦2人で一緒に汗水流して働いてほしいの。
いいのかな?富貴子にそこまで負担させて。
この家のこういう沈滞した空気がね…。
父さん。
みんなで気持ちを切り替えて何とかしなきゃ。
(峰靖)おお。
杉彦。
ちょっと母ちゃん起こせ。
寝てる場合じゃないぞって。
(杉彦)うん。
(杉彦)母ちゃん。
(伊佐子)うん?
(杉彦)母ちゃん?
(伊佐子)うん。
(杉彦)寝てる場合じゃないですよ。
(伊佐子)うるさいね。
あっち行ってな。
本当に生産的じゃないんだから。
富貴子がそう言ってくれんなら父さんたちも新規まき直しでやらなきゃいけないな。
ええ。
ずっと経理畑でやってらしたのね?
(女性)はい。
私がこのカフェのスタッフになれたら経費の無駄遣いを第一番に推進していきたいと思います。
(女性)こういうシャンデリアタイプの照明は電気代ばかり食って不経済です。
テーブルの上にぽつんと灯るろうそくのようなカワイイライト。
とてもムードが出ますし若い男女には好まれますわ。
そんな経費節減なんかどうでもいいの。
もう結構です。
ご苦労さまでした。
あら。
そうですか。
(従業員)立川さん。
どうぞ。
(立川)はい。
(立川)立川です。
美大を出てらっしゃるの?ええ。
これでも美的センスを磨いてきたつもりです。
じゃあこのカフェの雰囲気を変えたいという場合あなたならどんな意見をお持ちか言ってみてください。
(立川)このカフェのインテリアは最低です。
モダンなのかナチュラルなのかセンスがばらばらなんですよ。
あら。
そう?私なら全部ぶっ壊してレトロっぽく統一します。
照明も柔らかなトーンのものに変えてテーブルや椅子もアールデコ風のものに入れ替えればとっても落ち着いたムードになると思うんです。
薔薇のモチーフはどうするの?そんなことを言ってるからばらばらになっちゃうんじゃないですか。
結構なご意見ね。
ご苦労さまでした。
(従業員)じゃあ採用不採用は3日後にお知らせします。
(立川)よろしくお願いします。
(従業員)河原崎さん。
どうぞ。

(足音)河原崎さん?はい。
よろしくお願いします。
嫌…。
嫌。
あっちへ行って。
(河原崎)はあ!?もういいからあっちへ行って!
(従業員)終わりましたからどうぞあちらへ。
どうぞ。
浅間さん。
どうぞ。
もうやめて!やめて…。
(従業員)でもまだ面接を待っている応募者の方が…。
いらない。
いらない。
誰と面接したって同じだわ。
もう結構よ。
(男性)あっ。
終わりました。
ご苦労さまです。
(男性)はい。
ありがとうございます。
いやぁ。
できましたね。
どうにか。
後は照明とエアコンの取り付けくらいで。
(神崎)いい感じだな。
あっ。
カーテンもこれから取り付けなければ。
(神崎)ガラス張りのドアが明るくてお客さんが入ってきやすいですね。
そうかしら?神崎さんの方は?見に来ませんか?見たいわ。
どうぞ。
うわぁ。
すてき。
(神崎)細かいところはまだなんですが後は自分で仕上げますよ。
まあ。
ご自分でなさるの?陳列棚ぐらいは自分で作れますから。
とっても落ち着くわ。
どこかの山小屋に来てるみたいで。
そうですか。
これみんな神崎さんが?そうですね。
ミシンをお使いになるの?あっ。
こういったかばんの側面の形や内側のポケットはミシンで仕上げます。
こういう小さいものはこういった道具を使って革に穴を開けて針と糸で縫ってくんです。
じゃあ手縫いで?そうですね。
すてきねこれも。
アナコンダの革と牛革を使って。
ここはトカゲの革です。
まあ。
3種類も?あっ。
それが好きだったら差し上げますよ。
えっ。
私に?どうぞ。
隣同士になったよしみに持っていってください。
だって…。
駄目よそんなの。
商品なのに。
それにお返しができないわ。
男の人にネイルアートをしてさしあげるわけにもいかないし。
いいですよ。
使ってください。
ネイルのお客さんもうちの店に来てくれるって不動産屋さんも言ってたし。
お互いさまですから。
いいのかしら?似合いますよとっても。
うれしいわ。
この感触が何ともいえないの。
(崑一)そんなことじゃやっぱりお嬢さんのわがままだって言われるぞ。
カフェの経営を任せろって大きな口をたたいといて最近じゃピアノを弾きにも来ないそうじゃないか。
やる気がないんなら辞めちまえ。
だっていいスタッフが見つからないんですもの。
あなたがより好みするからじゃないの?そうだよ。
従業員もあきれてるぞ。
何のための面接試験なんだ?必ずあの人が来てくれると思ったのに。
私の直感ではそうなの。
あの人が駆け付けてきて助けてくれるはずなのに。
そんな夢みたいなこと言ってちゃどうにもならないね。
あーあ。
亡霊だったのよ。
亡霊だと思って忘れなさい。
亡霊なんかじゃないわ。
私の前であんなに泣いて。
あれは生身の女よ。
ぼたんだったわ。
よしなさいよいい年して。
子供じゃあるまいし。
お母さんには分からないのよ。
私が今どんなにぼたんを必要としてるか。
どんなに孤独にさいなまれて苦しんでるか。
この家に引っ越してきて心機一転だなんてそんな簡単なものじゃないわ。
パパもお母さんも何も分かってやしない。
私の気持ちなんて分かってやしない!まだ治ってないのかしら?PTSDが。
そうだね。
お医者さまに診ていただいた方がいいかしら?ぼたん。
どうして来てくれないの?どこなの?あなたはどこにいるのよ?
(女性)紫がかったピンクが秋の感じね。
(女性)ストーンとパール。
両方載せたのがよかったわ。
気に入っていただけましたかしら?
(女性)ええ。
もちろん。
(女性)またよろしくね。
ありがとうございました。
あら。
いらっしゃいませ。
(明子)ネイルアートは初めてなんですけど。
ええ。
初めての方もよくいらっしゃいますよ。
どうぞ。
お掛けになって。
奇麗な爪の形をしてらっしゃるんですね。
(明子)いえ。
爪をかむ癖があるので。
それは大変。
奇麗にデザインすればそんな癖はなくなってしまいますよ。
学生さん?
(明子)ええ。
(明子)等々力の緑ヶ丘女子大です。
そう。
お仲間同士のパーティーとか合コンとかそのためのおしゃれかしら?特に目的はないんですけど急にネイルアートをしたくなって。
色々なアレンジがあるのよ。
シンプルなのからこういった花模様。
ライン。
フレンチ。
グラデーション。
マーブル。
(明子)まあ奇麗。
目移りしそう。
あなただったらそうね。
こういったベーシックなフレンチネイルにしておいてそれからお好みでストーンを載せていったらどうでしょう?お任せします。
じゃあまずベースになるカラーを決めましょうね。
篤さん。
まだ頑張ってるの?あっ。
もうそろそろ。
そっちは?今閉めちゃったの。
よかったらこれコンビニ弁当。
食べます?おっ。
いいの?私の分もあるのよ。
一緒に食べましょう。
気が利きますね。
じゃあクローズにしとくわね。
お茶を入れましょうね。

(作業する音)あっ。
もうちょっとだけいい?ここまで仕上げちゃうから。
ええ。
どうぞ。
(明子)ほら。
奇麗でしょう?
(一同)うわぁ。
(明子)色々やってもらってるうちにもっともっと華やかにしたくなっちゃって。
(冬美)いいなぁ。
何だかごてごてし過ぎてるわ。
それじゃクラブのホステスみたい。
(明子)いいんです。
とっても浮き浮きするわよ。
美輪子もやってみない?私は結構。
ピアノを弾くからそんなことはやってられないの。
(遥香)ねえ。
剥がれないの?それ。
(明子)固定液をたっぷりつけてるから大丈夫。
少しぐらいのショックじゃびくともしないわ。
自由が丘のとってもシックなネイルアートサロンなの。
お店の人が優しくてかんで含めるように手入れ方法なんか教えてくれて。
ホントにすてきな人よ。
(冬美)じゃあ美輪子も行ってくればいいじゃん。
(冬美)あんたこのごろ元気ないし気分転換にちょうどいいわよ。
爪をネイルアートでてんこ盛りにしてすてきなドレスでも着てね。
少しは浮き浮きした気分になりなさいよ。
(遥香)ホント。
暗い顔してため息ばかりついて。
どうかしてるわよ?あなた。
これ見てよ。
私の爪はねこれ以上長く伸ばせないの。
だからネイルアートなんか関係ないの。
(明子)そんなことないわよ。
お店の人が言ってたけど仕事の関係でネイルアートができない人もチップリングとか何とかで爪にかぶせる形で指先をデコレーションできるんですって。
(一同)へえー。
(明子)ねえ。
美輪子。
行きましょうよ。
行かない。
行かないの。
そんなところへは死んでも行かない。

(鍵の締まる音)
(神崎)あれ?もう終わっちゃうの?今日は暇だから。
こういう日はさっさと切り上げた方がいいんです。
(神崎)じゃあ僕も閉めよう。
飲みに行きませんか?そうね。
(神崎)ちょっと待ってて。

(ドアの閉まる音)・
(明子)ここよ。
この店よ。
(一同)ここか。
フフフ。
(明子)あら。
もう終わりなんですか?あっ。
まあ。
こんにちは。
(明子)友達を連れてきたんです。
ねえ。
美輪子。
ここなの。
あっ。
あなた…。
まあ。
2015/12/24(木) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #19[字][デ]【運命に導かれた出会い】

ぼたん(黛英里佳)の死から2年。精神を病むほどの美輪子(逢沢りな)は落ち着きを取り戻し、一方、事件を起こした多摩留(戸塚純貴)の家族のもとには思わぬ人物が現れ…

詳細情報
番組内容
 ローズカフェでピアノを弾いていた美輪子(逢沢りな)は、突然号泣し始めた女性に驚く。サングラスを外した途端、その顔を見て衝撃を受ける美輪子。女性の顔立ちがぼたん(黛英里佳)にそっくりだったのだ。美輪子はその日から、もう一度ぼたんに似た女性に会いたい、との思いを募らせるように。
 美輪子につい声をかけてしまった富貴子(黛英里佳・一人二役)は、自分の浅はかな行動を後悔しながら、
番組内容2
一方で湧き上がる肉親への情に耐えていた。欝々とした気持ちを一新させようと、ネイルサロンを開くことにした富貴子に一人の男性との出会いが訪れる。
 ローズカフェに新たな従業員を雇うため面接を始めた美輪子だったが、日増しに苛立ちを募らせる。美輪子は従業員の応募を始めたら、すぐにぼたんに似たあの女性がやって来るに違いない、と思い込んでいたのだ。当然、当の女性が現れるわけもなくて…。

出演者
吉田富貴子:黛英里佳 
小日向美輪子:逢沢りな 
牧原世奈子:田中美奈子 
小日向崑一:岡田浩暉 
浅黄萌子:山口いづみ 
瀬尾綱輝:片岡信和 
 ・ 
小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ) 
【原作・脚本】
中島丈博 
【演出】
藤木靖之 
【音楽】
中川幸太郎 
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック) 
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ) 
大久保直実(ビデオフォーカス) 
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス) 
【制作著作】
ビデオフォーカス 
【制作】
東海テレビ
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ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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