こんにちは中井貴一です。
本日最初のサラメシは奈良の春日大社から。
1,300年にも及ぶというその歴史。
数々の神事が古い形のまま残されています。
そんな春日大社に今年4月に入った若者が。
そしてもう一人…2人はいわば春日大社の新入社員。
共に親が神職の家庭で育ったという2人。
それでも1,300年の歴史を前に勝手が違う事だらけ。
そんな新人2人の仕事とサラメシ拝見させて頂きましょう!こちらは春日大社の社務所。
階段を下りて奥へ進むとそこには神職やスタッフ専用の食堂があります。
略せば…あっ!これも社食だ!何でもこの日は一番人気のメニューが。
そう春巻き。
月に一度は出るという定番で少なくとも30年以上は続く伝統のメニューだそうです。
なるほど〜。
春巻きの具材も神社ならではですか。
これが春日大社のサラメシ。
提供されるのは一日70食ほど。
聞けばほかにも神社の社食ならではの事があるんだとか。
それがこちら。
神様のお供え物が毎日お下がりとしてやって来るんです。
こちらのおひつごはん。
お米は毎年新米の季節に日本全国からお供えとして寄せられそのお下がりが社食で提供されています。
でランチタイムはこんな感じ。
春日大社のシンボル藤の花のかんざしを挿すみこさんから警備や清掃スタッフまでなんともアットホームな雰囲気です。
やって来たのは新人の一人森山さん。
あっそこに座る。
ちょっと不思議な光景。
でも神社ですから当たり前。
でも見慣れない方にはね…。
私なんかはね時代劇の時の撮影所の食堂で慣れてますからこういう感じは違和感なし。
わあ〜盛りますね〜!この食堂でいつも一番の大盛りごはんがもう一人の新人保尊さんです。
はいマヨネーズ…いやおわっドバッといきますね!いいまた食べっぷり!一口でかい!入社して8か月実はこの時新人2人は忙しさのピークを迎えていました。
11月新嘗祭といわれる秋の大祭が目前に迫っていました。
それは新人が大きな祭りにデビューする日。
それならばとその新人デビューに密着させて頂きました。
秋の大祭は作物の豊作に感謝するお祭り。
日本全国の春日神社や地元の農家からお米や野菜などがお供え物として届きます。
特にお米はその年に各地で取れた新米が奉納されるためものすごい量。
お供え物を並べるだけでも大変な作業です。
こういう時こそ若い新人の出番!さあ率先してハツラツと行きましょう!え〜何と言いますかねまだまだひと事って感じ?新人ゆえってとこでしょうかね。
ほら日が暮れてもまだまだお供え物の山。
2人は残って居残り作業。
結局この日も仕事が終わったのは夜の11時を過ぎていました。
今年もおいしいごはんが食べられる事に感謝して…。
新人2人にとっては大きな祭りへのデビューの日。
おお〜森山さん決まってますね〜。
ん?で保尊さんは?と思ったらこんな所に…。
実は表舞台の仕事に就ける新人は一人だけ。
どちらかは補佐役に回らなければならないのです。
裏方あってこそ祭りが滞りなく進む。
それは十分分かってるつもり。
でも若い頃ってどっちが先に大きな仕事任されるかって結構気になるもんなんですよね。
あっ保尊さん!?まさか逃げ出した?待って待って!いえいえそんな事はありません。
実は春日大社の境内には本殿のほかにも多くの神社があるんです。
だから保尊さん先回りしてこちらの社殿でも祭りの準備という訳。
ここではある任務が保尊さんに任されていました。
先のとがった細長い棒を持って何をするかというと…。
ん?
(カラスの鳴き声)そうお供え物をカラスから守る事。
確かに祭りの最中にお供え物を奪われる訳にはいきません。
これで今年も新嘗祭は無事終了。
無事に終わって何よりだけど保尊さんやっぱりどこか寂しげな背中。
ちょっと心配だったんでおせっかいは百も承知で祭りのあと保尊さんのお昼ごはんについていってみる事に。
この日からはランチも新米。
しかも新嘗祭のあとは毎年赤飯。
おお〜相変わらず盛りますねこれ!ひょっとしたらね食欲ないんじゃないかな〜とか思い詰めてんじゃないかな〜とか心配したんですけどこの食欲なら大丈夫そうですね!ありますありますあります。
一人じゃないから頑張れる。
そうごはんがうまいのは成長している証拠!保尊さん森山さんこれからも同期で切磋琢磨してお仕事頑張って下さいね!わあ〜この季節にはたまりませんね〜露天風呂!続いては山奥の温泉宿で働く皆さんのサラメシです。
最寄り駅からは徒歩20分。
山道を行くと見えてくる一軒宿。
北海道から沖縄まで全国の秘湯ファンが泊まりに来るそうです。
働くのは6人の従業員。
そしてあと2人この宿にはどうしても必要な方たちがいるんだとか。
この温泉宿で一番大事。
マネできない大変な仕事をしているのがこちらのお二人。
勤務歴10年の土井さんと相棒の北山さん。
何だか割と無口な方たちみたいで…。
富山県黒部市にある…こちらの駅で毎朝この時間から2人の一日は始まります。
ちなみに一斗缶の中身はサラダ油。
食材にビールやジュース燃料の灯油からトイレットペーパーまで。
旅館に必要なありとあらゆるものを毎日麓の温泉街から運ぶのが2人のお仕事です。
以前は物流会社でデスクワークをしていたという土井さん。
定年後に選んだのがこの力仕事でした。
トロッコ列車に揺られる事25分。
(汽笛)わ〜絶景の中通勤羨ましい〜!と思ったでしょ?ところが甘かった。
駅で降りた先は車が入れない山道。
荷物は全て…そう!人力で運ぶんです。
荷崩れを起こさないようロープ固めも慎重に。
宿まではずっと手押し車で。
これバランスとるの大変なんだ。
従業員専用のトンネルテレビでは分かりにくいんですが滑りやすい長〜い下り坂なんです。
トンネルを抜けると更に急な下り坂に。
キ〜キ〜といってる音分かります?これブレーキの音。
途中から下り坂ではほとんどブレーキを握りっ放しなんだそうです。
おっとっと!危ない危ない危ない!よかった!土井さんすかさずフォロー。
重い時は1台で80キロ以上になる事もあるんだとか。
過去にはこんな状況を知らないお客さんから宅配便で大きなトランクが麓まで届いた事も。
もちろんこうして運んだそうです。
お二人の仕事は逓送さんと呼ばれます。
山奥の工事現場などに物資を届けるこうした仕事が昔はたくさんあったんだそう。
電話やラジオがなかった時代逓送さんが運ぶ新聞が唯一の情報源でした。
こんな何気ない光景も山奥では逓送さんがいてくれてこそ。
多くの人が2〜3年で辞めていく中土井さんは勤続10年。
気が付けば歴代最高齢の75歳。
でこちらは調理場。
昼のまかない作りが始まっています。
食材も調味料も食器も元はみんな土井さんたちが運んできたもの。
調理は4人の女性スタッフが日替わりで担当。
煮しめなどいわゆる昔ながらの家庭料理が中心だそうです。
うわ〜こりゃあったまりそう!さあスタッフが食堂に集まってきましたよ。
これが山奥の温泉宿のまかない。
黒部でとれた野菜がたっぷり。
こちらはこんにゃくと厚揚げと丸いもの煮しめ。
ヤーコンと豚肉の炒め物に…おかのりのお浸し。
そしてあったまりたい時はやっぱりこれ!豚汁!大きめの里いもがたっぷり入っています。
土井さんほっと一息サラメシタイムです。
あったかい豚汁が疲れた体を癒やします。
昔ながらの素朴な味付けがずっと受け継がれてきました。
気持ちはありますね。
実は撮影にお邪魔したこの日は年内最後の営業日でした。
真冬になると…ほらこんな感じ。
豪雪地帯のため冬の間は雪に閉ざされ営業できないんです。
営業再開は春4月下旬から。
帰り道は上り坂。
使用済みのシーツに浴衣空き缶や生ゴミまで全部持ち帰ります。
休みの間土井さん毎日5キロ歩いて鍛えるそうです。
ちなみに明日はお孫さんとお出かけ。
ランドセルを買いに行くんですって。
巡り来る春までしばしのお別れ。
山奥の温泉宿のサラメシごちそうさまでした。
あの人も昼を食べた。
俳優声優司会者…いや一番しっくりくるのはやはりキンキンだろう。
愛川欽也。
お茶の間をにぎわす人気者は15年前後輩の役者たちと劇団を旗揚げ。
「芝居を愛するみんなのために」と夢であった劇場も設立。
自ら座長を務める公演の初日そこには必ず届く昼ごはんがあった。
それは明治元年創業。
東京・銀座にある弁当専門店のいつもの味。
主役はメカジキ。
代々受け継がれたみそに漬け込んで焼き更にしょうゆだれに。
じっくりが香ばしい。
脇を彩るのは卵焼き。
たっぷり使った砂糖とみりんが口をちょっと甘やかす。
冷めた時にちょうどおいしくなるように甘辛く濃いめの味付けは下町育ちの愛川の食欲をそそった。
メカジキと共に看板を張るのがもち米だけで炊き上げる赤飯。
縁起物だからと破れやすい小豆ではなくささげ豆を使うのが店のこだわり。
何年たっても変わらない素朴な味がお気に入りだったという。
これが愛川欽也が愛した赤飯弁当。
公演初日には皆で同じものを。
この祝い弁当が何よりのお楽しみ。
大の餅好きだった愛川をうならせた赤飯は一粒も残さず。
腹が満たされればゆっくりと客席へ。
誰かの声が聞こえる舞台のそばにいつも彼の姿はあった。
それは彼が去って半年後の事。
よっ!毎度弁松でございます!劇場にまた弁当が届いた。
それは愛川のための追悼公演初日。
先生もここで食べたりしてたもんね。
太陽好きだからね。
そうねすごいいいお天気だし。
そう晴れ男だね。
いつもの場所でこれからも。
これが愛川欽也の愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
それでは今年はこの辺で。
お相手は中井貴一でした。
(あさ)あっいてた。
(忠嗣)あさ姉!久太郎!2015/12/24(木) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
サラメシ[字][再]
祭りの裏方として飛び回る、春日大社の新人神職に密着。神社の“社食”拝見。▽駅から山道を徒歩で20分。秘湯の宿を支える仕事とサラメシ。▽愛川欽也の愛した昼飯。
詳細情報
番組内容
奈良の春日大社にこの春入った2人の新人神職に密着。新嘗祭(にいなめさい)の裏方として忙しく飛び回る新人たちのサラメシは?▽黒部峡谷の黒薙温泉は、最寄り駅から山道を徒歩で20分。車が入れない秘湯に欠かせない、物資を運搬する“逓送(ていそう)さん”。75歳の逓送さんの仕事ぶりと、温泉宿のまかない飯を拝見。▽愛川欽也が愛した昼ごはん。舞台の初日に必ず取り寄せ、劇団の仲間たちにふるまったという赤飯弁当。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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