連続テレビ小説 あさが来た(75)「東京物語」 2015.12.23


(友厚)ここは東弘成館といって大阪にある弘成館の東京屋敷みたいなもんです。
(うめ)ふ〜ん。
そやけどこれえらいお尻に優しいお椅子だすなぁ。
(あさ)弘成館いうたら五代様の鉱山業の会社だすわな?ええ。
西から東まで多くの鉱山を買うたため大阪だけでは手が足りんようになってしまいました。
そこで東京にもカンパニーを作った次第です。
どのぐらいのお人が働いてはるんだすか?そうですなぁ…ここだけ言うたら200人ぐらいでしょうか。
200!?はい。
五代様もこれからはやっぱり東京で主にお仕事しはるおつもりなんだすか?ええ?天子様かていつかはお戻りになると思てましたのに東京にお行きになったきりだす。
今井の家かてそうだす。
みんないつかはそないなってしまうのかな…て。
そうですなぁ。
もし私がそうしていたらもう少し彼の役に立っていたかも分かりませんな。
彼?実はあなたに会わせたい人がいるんです。
本当はそれが一番の目的であなたを東京にお連れした。
会わせたい人?
(ノック)・
(三坂)失礼します!ご紹介します。
こちらは内務大久保利通殿です。
へ…大久保利通様!初めまして。
はぁびっくりぽんや。
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」うめ。
うめ!びっくりぽんや。
大久保利通様いうたらあのお方やな!?あの政府で一番偉い…。
はれ?寝てる…!
(笑い声)長旅でお疲れかな。
すんまへん。
うめ…うめ!よろしですよ。
寝かせてあげましょう。
私も実は昨日ここでうたた寝して家に帰らずじまいでした。
はは〜ん。
それでそんな気の抜けた格好しよっとか。
(笑い声)あなた様とは立場が違いますよってに。
それにしても今日の格好は決まりすぎと違いますか?おヒゲも伸びすぎや。
(笑い声)お前にはかなわんな。
あの…お二人は?この五代友厚君は私の心の友です。
心の友?これは我々の故郷摩のいろは歌です。
私とこれはそのようにしてお互いをお互いの鑑として切さたく磨してきた仲でしてな。
まあ私はこれとは違ってほんの小禄でしたがね。
何言わはります。
今や日本政府の実権を握る人物が。
何の…。
これだけ寝食惜しんで日本のために尽くしているのにすっかり嫌われ者だ。
そないだしたんか。
五代様が友を大事にされる事は存じておりましたんやけどあなた様みたいな頼もしいお友達がいてはりましたとは。
友を大事に?この男が…か?へぇ何せお名前かて友に厚いの友厚様でございますよって。
なるほど。
聞いていたとおりの興味深い婦人だ。
(大久保)東京は来てみていかがでしたか?へぇまだちょっと歩いただけだすけどレンガ造りの建物や新しい商いのお店がぎょうさんあったり立派な馬車や人力車がようけ通ってこれが五代様の言うてはった文明いうのやてしみじみ思いました。
(小声で)誰?それにこのアイスクリン!こないすばらしい文明があったとは…文明開化万々歳だす!豪快な食べっぷりですなぁ!東京はもう江戸とは何もかもが違う。
我々が東京を政治経済文化の中心地として発展させようとしてきたからです。
しかし大阪には大阪にしかないものがある。
それは古くから商いの町として栄えたという歴史です。
五代は大阪商人の知恵と経験そして誇りこそが世界と渡り合えるのだとずっとそう主張しています。
五代様が…。
「大阪にこの国の未来が懸かっている」とも。
だから私が何度高官の席を用意して東京に呼び寄せても来てはくれなかった。
こやつさえいてくれたら私も内務としてどれだけ助かった事か…。
内務…今内務て?あ…うめ。
やっとお目覚めだすか?やぁまさか…ほなこれ内務様の上着!?そうだす。
それにそのアイスクリンも大久保様が下さいましたんやで!早頂きなはれ。
溶けてしまいます。
頂きます!あささん。
この男をよろしく頼みます。
はい?大阪が大きく育ちそしてほかの土地ややがてこの東京とも一つになって大きな経済を生み出す。
日本が世界と対等にやっていくにはそれしかない。
そのためにこれからも五代にそしていずれはこの私にもどうか力を貸して下さい。
おあさ様が内務様のお力て…!?へぇ分かりました。
任しとくなはれ!何二つ返事で引き受けてはるんだすか!こんな大事な話を!いいんですよ。
さああささん。
あっこれは…シェークハンドだすな?ほ〜う。
シェークハンドをご存じでしたか。
これはイギリスの紳士の挨拶ですよ。
へぇ友情の証しやて聞きました。
おう!あらま…。
おっと。
なかなか力がある。
大久保様おおきに。
うち頑張ります。
大久保様が政府にいて下さいますのやったら日本のこれからは明るいのやないかいう気がしてきました。
え?私もそう思いますよ。
内務殿。
あなたこそこれからや!ハハハ!ありがたい。
そのような温かい言葉を聞くのは久しぶりだ。
身にしみる。
はぁなんちゅうこっちゃ。
日本の政府のてっぺんにおられるお方と日本一の鉱山王がおあさ様を囲んではるやなんて…。
(うめ)はぁ信じられまへん。
ほんま信じられまへん。
まだブツブツ言うてますのか。
今日の大久保さんは珍しくえらい優しい顔してはりましたなぁ。
そうだしたんか。
はい。
近頃は政府での地位も揺るぎないものになって人を寄せつけない威厳があって…。
せやからあない優しい顔見るのは久しぶりなんです。
ほんまに仲がおよろしいのだすな。
ハハハ。
あの…あれは何してはりますのやろ?わぁ。
ガス灯だす。
ようけ並んでますなぁ。
はい。
ここからおよそ1里の間に85本のガス灯が街道を照らしてます。
85本!?なんて明るい事。
ちょうちんとは比べもんになりまへんなぁ。
(うめ)ほんまだすなぁ。
(五代)これから東京の夜はますます明るなりますわ。
へぇ。
旦那様や千代にも見せてあげたいなぁ。

そのころ大阪では…
(ふゆ)きれいだね。
もうすぐ咲きますで。
フフッ。
回想
(亀助)一緒に行くのがあれだけの男盛りだすさかいなぁ。
回想五代様。
あなた様は大阪になくてはならんお人なんだす。
(新次郎)やっぱり洋行帰りのお方はおなごに親切なことだすなぁ。
誰にでもという訳やありません。
さすがあささん!あっわての奥さんに何してますのや!はぁ〜あ…。
(亀助)ああもうため息なんかつきはって。
うるさいな!お前が男盛りとか余計な事言うさかいや。
そない心配やったら外に出しはれへんかったらよろしいのに…。
けどなしょうがあれへんのや。
わてな五代様が持ってるようなもんはあさに何も与えてあげられへん。
その点では男として負けてしもてますさかいなぁ。
そうだすなぁ。
勝ってるとこいうたら背ぇの高さとお家柄とお金…は向こうの方が持ったはるやろか?お家柄かて向こうが上や。
それに摩の名門やいうてましたしなぁ。
ああ…。
それやったら背ぇの高さと…。
ええ…背ぇの高さとえ〜背ぇの高さと…。
背ぇ背ぇて!そらわてが背ぇ高いだけのアホみたいやがな!そんな!新次郎様が男として誰かに負けるやなんてそないな事ある訳ございまへん!へ?あっいえその…お千代様も幸せや思います。
新次郎様のようなお父様がいてて…。
そううちの父なんかおなごを物みたいにしか思てまへんだしたさかい。
へぇそないだしたんか。
へぇ。
おあさ様も新次郎様の優しさやええとこを誰よりよう分かったはるはずだす。
何も心配する事なんかございまへんよってに。
おおきにおふゆちゃん。
いや。
ああそないいうたら家の周りうろついてたけったいな男近頃誰も見ぇへんようになりましたなぁ。
へぇそうだす。
盗人か商売敵かのぞきか分かれしまへんけどこの家の男の衆がしっかりしてんの見て逃げ出したんや思いますわ。
そら頼もしいなぁ。
ええ。
これで安心だすなぁ。
おふゆちゃんが一番心配してましたもんな。
へぇほっと致しました。
うちはどうにも気が小そうて…。
すんまへんおおきに。
な〜んの何の!うまい事やりましたなぁ。
へぇそらもう。
もうお兄ちゃんでも何でもええさかいここらで男上げとかな。
はぁ…。
お前は楽しそうでよろしいな。
さあ千代おいで。
フフフ〜ン。
よいしょ。
はい〜。
千代千代〜。
ハハハ。
おふゆちゃんひょっとして…。
はぁ早帰ってけえへんかなぁ。

(よの)新次郎!ん?新次郎!あ…ちょっとよろしいか。
へぇ。
実はなこないな便りが届きましたのや。
これは…。
はぁ!
新次郎がいろいろな事にやきもきしている間にも東京のあさは五代に連れられ東京の新しい名だたる所を見学していました
はぁ〜ええ匂いやことなぁ!
(うめ)はぁほんまだすなぁ。
ビールいうの飲んでるお方もいてはるみたいだすなぁ。
ほんまにえらいけったいなお茶屋さんだすなぁ。
あのおなごだ…!
あさがこの日待ち合わせをしていたのは一体誰なのでしょうか?
あっいてた。
(歓声)戦後70年の今年。
2015/12/23(水) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(75)「東京物語」[解][字][デ]

あさ(波瑠)は、東京を訪れ、五代友厚(ディーン・フジオカ)と内務卿の大久保利通(柏原収史)と意気投合する。一方、大阪の新次郎(玉木宏)はあさを心配に思って…。

詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)とうめ(友近)は、東京の五代友厚(ディーン・フジオカ)の事務所を訪れる。そこに現れたのは、政府の要人で内務卿を務める大久保利通(柏原収史)であった。あさは、三人でこれからの日本について語る。居眠りしていたうめが目を覚ますと、その様子に驚いて…。改めて大阪のためにがんばろうと思う、あさ。一方、大阪の新次郎(玉木宏)は千代の世話をしながらあさのことを心配に思って…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,三宅弘城,友近,柏原収史,清原果耶,武田鉄矢,風吹ジュン,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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