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 東芝の米原発事業子会社ウェスチングハウス(WH)が来年、インドで新たに原発6~12基の建設を受注する見通しであることがわかった。ダニエル・ロデリック社長兼最高経営責任者(CEO)が朝日新聞の取材で明らかにした。「原発の新規建設から保守点検などに事業の中核を移している」とも述べた。

 WHをめぐっては東芝が2006年の買収時、見えない企業価値を表す「のれん代」約3500億円を資産計上。「収益性が衰えていない」として、この評価を変えていない。だが、WHの業績が非開示のため、情報開示の姿勢が問われている。

 ロデリック氏は、まず「10年前は新規原発が8割を占める収支計画を立てていた」と語り、その目算が狂って13、14年3月期に多額の損失を出したことを認めた。一方、いまの収支内訳は、新規建設が2割にとどまるものの、4割を占める原発の保守点検などの事業、3割の燃料関連ビジネスが好調で「昨年度は東芝グループになって以降、過去最高の収益だった」と好業績を強調した。

 新原発の受注については「来年にはインドで6~12基の契約を結べるだろう」と述べ、来年1~3月には実現しそうな契約があると明言した。中国でも「30~50基」の受注へ期待を示し、米国、東欧、豪州などでも受注が広がる可能性に言及した。