なぜ"フェチ"はここまでブームに? 春画、ニーソ、ふともも…10のトレンドから検証&2016ヒット予想
2015年は、フェチが世間をにぎわせた一年でした。フェチがマスコミに取り上げられたり、フェチイベントが大盛況で話題になったり……。そんなフェチのあれこれをみみずくが10大ニュースとして総括します。
2015年は「フェチ」が熱かった!!
「フェチ」は、「フェティシズム」の省略形です。フェティシズムは、物・体の一部・特殊なシチュエーションなど、人間以外に執着して偏愛する嗜好のことです。ただ、最近流行の「フェチ」という言葉は、もっと軽い意味で使われます。「マニア」や「コレクター」の言い換えだったり、「~好き」を「~フェチ」と表現したり、といった感じです。
今や日常語ともなりつつある「フェチ」。そんなフェチを象徴するイベントが2015年にたくさん開催されました。イベント巡りを生き甲斐とするみみずくが今年一年のフェチトレンドを振り返ります。
春画に見る古典的なエロスへの回帰
2015年、日本のアートシーンに大きな衝撃を与えたのが「春画展」です。
「春画」は、江戸時代を中心に流行した性風俗を描いた絵。エロスとユーモアが満載で、海外でも高く評価されています。2013年から2014年には、「春画 日本美術の性とたのしみ」が大英博物館で開催され話題となったくらいです。
一方、日本国内では、春画がタブー視されてきました。春画の露骨な描写がネックでした。多くの美術館が春画を敬遠していた中、2015年9月から目白台・永青文庫が「春画展」を開催!
春画に描かれた古典的なエロスは、後世の人たちの感性にも影響を与えてきました。たとえば、葛飾北斎『喜能会之故真通』には、タコが海女に絡みつく官能的な絵が収められています。この絵は、「触手」と呼ばれるフェチジャンルの原点とされます。
それほど刺激的な春画だからこそ、「春画はアートか?ポルノか?」という議論が今も絶えません。そもそもアートと非アートの境界はあいまいです。2014年には漫画家・ろくでなし子さんが逮捕され、「わいせつ」の概念をめぐって現在も裁判係争中です。そんな時代に「春画展」が日本で初開催されたこと自体が一大事件でした!
TBS『おーくぼんぼん』にフェチフェスが登場
2015年1月、フェチ界隈では一大事件が起こりました。TBS『おーくぼんぼん』でフェチフェス05が紹介されたのです!
『おーくぼんぼん』といえば、大久保佳代子さんの冠番組です。「女性による、女性のための、女性目線」をテーマにしたバラエティー番組として、女性視聴者たち、そして、女性を知りたい男性視聴者たちから支持されています。
そして、『おーくぼんぼん』で紹介されたフェチフェスは、“ジャパニーズフェチ”をテーマとする国内最大のフェチイベントです。アーティスト・コスプレイヤー・女優などが大集合。即売会あり、撮影会あり、パフォーマンスありの濃ゆ~いひとときを楽しめます。コミケやデザインフェスタのフェチい部分を集めて、ギュッと濃縮したイメージですね(笑)。
フェチフェス05は1500人規模の動員を記録しました。2015年は、初っ端から「フェチ」が熱かったのです!
番組内では、「変態事情に詳しい」と紹介された変態研究家・赤根京さんをはじめ、ゼンタイ(全身タイツ)でおなじみの『TOKYOZENTAICLUB』さん。それから、光る縄を使ったサイバーロープショーのパフォーマーとして知られる一鬼のこさん、「女装×髭面」が超キュートなレディビアードさんなど、個性豊かな面々が紹介されました。
彼らを知るだけでもフェチフェスの楽しさが伝わってきますね。『おーくぼんぼん』では、「人類の知性の発展を感じます」という評価までいただきました(笑)。人類が自らの欲望を忠実に表現すると、斬新で魅力的なアートが誕生します。その最先端を行くのがフェチフェスです!
『おーくぼんぼん』でフェチフェスが紹介されたことをきっかけに、女性の中にもフェチが浸透した感があります。その後のフェチフェスでも女性の来場者がどんどん増えていきました。
2015年は、女性に好評なフェチイベントが目白押しでした。その背後には「おーくぼんぼん×フェチフェス」効果がありそうです。