その反論はいろんな意味でダメダメ。

http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20151222/1450847284

こちらも急場で出来るだけ手短に回答しようと思ったんだけど、twitterじゃ無理があるんでタンブラーでやるね。

 時系列を確認しておく、について

http://dictionary.goo.ne.jp/jn/69413/meaning/m0u/%E5%85%83%E5%87%B6/

げん‐きょう【元凶/元兇】

悪党の中心人物。悪者のかしら。転じて、諸悪の根源。「汚職事件の―」


そもそも貴方が「最初に」言い出したなんて言ってない。貴方が(他の言葉で言えば)首魁だと言っているのだ。他の連中って、韓国文化を否定した、ネトウヨだ! と脊髄反射してるか、あるいは、美味しそうなおかゆを描くのは(アニメーターには)難しい、みたいな、興味なかった人まで懐疑側に回しちゃったアレな発言だけだったでしょ。
貴方の、さくら荘における鍋料理の意味、構造を分析している部分に批評としての価値を認め(その一点に限れば俺は褒めています。というか、「褒めていました」。この残念なエントリが上がる前までは)、貴方こそがこの論点における批判批判派の論理的な支柱だと見なした、と言う話です。だから、時系列について色々言われても、あんまり関係ありません。

法華狼氏の今回の反論の含意するものについて

さて、ここからが本題。俺の、

このとき、七海が寝込んでる状況を考えてみろ。夢に賭けて身一つでタイムリミット付きでこの生活やってる彼女は、健康管理を怠って大事なオーディションに失敗しパートナーに迷惑を掛けて、風邪で寝込んでこの上なく落ち込んでいる、という状態なのだ。

に対する法華狼氏の回答はこうである。

天才が悪意なく秀才や凡才を傷つけ、秀才がやつあたりを凡才にぶつけ、凡才が天才に嫉妬から反発する。そんな作品に対して、なぜこのような感想をいだくのか疑問でならない。特別な鍋をつくった秀才と、「弱みを見せてくれたから」という天才、そのふたりとも原作からして凡才に喧嘩を売るような言動ばかりだったではないか。ふたりが悪ノリで体調の悪い少女を送りだした描写にはなぜ引っかからないのか。

つまり、法華狼氏はあの一連の描写が、天才による自覚のない無神経、あるいは秀才(仁が秀才であるかは疑問だが)による自覚的な八つ当たりである、としているのだ。自覚のあるなしはともかく、はっきりと七海への悪意の描写だとしているわけだ。俺の指摘した、あのシーンから悪意を読む解釈については反論していない。ここに注目していただきたい。

それでもふたりが「特別な鍋」であることを語ったのは主人公に対してであり、その描写を通じてスタッフは視聴者に説明した。誰も倒れた少女に正面から喧嘩を売っていない。 

あれを見て、こいつら感じ悪いなあと視聴者が感じてもおかしくないということについては反論できなかったと解釈させていただく。視聴者は主人公にも七海にも感情移入して視聴している。七海に見えないところでこんな気分悪いこと言ってた/やってた、という話になっているのだが。七海に見えずとも、俺達には見えている。こういう描写が俺達に嫌われても何もおかしくないだろう。それのどこがどうネトウヨ的だというのか。

さて。これは何を含意するか。

第一に。仲間との絆の確認に鍋を食べるさくら荘の伝統にこのサムゲタンを連ねるのが法華狼氏の以前紹介した解釈であった。で、今回のこれを合わせると、つまりここで行われている「さくら荘の鍋パーティー」は無神経な煽り、あるいは八つ当たりの嫌がらせである、ということになってしまったのだ。それ台無しじゃね? さくら荘が一気にとてつもない悪意の伏魔殿になってしまうわけだが、このエントリ以前に君はそんなことを考えていたのかね? と。 そんな風になってしまう改変を視聴者が快く思わなくても不思議はないので、そりゃ嫌がる人がいて当然だわ、ということにしかならない。以前貴方の鍋パーティー擁護をよい分析だと評価したのも正直取り消したくなりました。そんなもん視聴者に支持されるわけあるか。

第二に。つまり、法華狼氏の今回の立論によって、サムゲタンは無自覚な(美咲による無神経な発言)、あるいは自覚的な(仁による八つ当たりの嫌がらせ)悪意の依り代にされてしまったのである。そのような演出だと彼は主張するのだから。外国のあまり知られてない料理を悪意の乗り物にするってのはちょっとなあ。俺はそんな酷い解釈出来ない。というか、韓国料理だというだけで否定している(と貴方たちが思い込んでいる)ネトウヨを批判したかったはずの貴方がこんなサムゲタンdisをしてしまうのは、本末転倒なのではないだろうか。わけがわからないよ。