(榊マリコ)銃創は左胸に1発だけね。
(土門薫)銃を取り締まる刑事だった男が銃で撃たれたってわけか。
被害者から摘出した弾です。
(乾健児)BIRIシステムで照合してくれる?
(吉崎泰乃)弾に前科ありました!
(林幸一)その事件の犯人は…俺じゃない。
(梅原真樹)冤罪の臆測を呼ぶ事は今の検察や法務省にとって最も避けなければならない事で…。
いい加減にしてくれ。
(大西武政)もっと大きな組織だ。
(真樹)撃たないで!
(権藤克利)おい!
(銃声)権藤!
(真樹)あなたは人の命を奪う決心をした事がある?まさか…。
(真樹)私も初めてだった。
(警笛)
(銃声)
(土門薫)宮内勉33歳。
奈良から来たのか…。
(榊マリコ)銃創は左胸に1発だけね。
鑑識さんがこの下で見つけた。
(乾健児)薬莢ですね。
弾は…。
貫通してないから弾は体内にあるはず。
解剖が終わったら渡すから先に薬莢の鑑定お願い。
はい。
死亡推定時刻は?死体の硬直は始まったばかり。
死後2〜3時間ってとこね。
(権藤克利)土門さん!おう。
被害者の身元なんですが…元刑事です。
え?3年前まで奈良県警で組対一課にいました。
組対一課?ええ銃や薬物の取り締まりをする部署です。
銃を取り締まる刑事だった男が銃で撃たれたってわけか。
よろしくお願いします。
(宮内美津保)兄さん!
(風丘早月)ちょっと!嘘…どうして兄さん…。
なんでこんな事に…。
なんで…。
(早月)妹さん。
肩甲骨で止まってた。
お預かりします。
(乾)現場で見つかった薬莢から見て凶器は38口径のオートマチックの銃です。
薬莢から指紋は出ませんでした。
所長!日野所長!
(日野和正)あっ私か…。
被害者から摘出した弾です。
マリコさんこれ何か微物が付着していました。
わかった。
乾君はこの線条痕の鑑定をお願い。
ではおのおの鑑定お願いします!
(一同)はい。
ああ…肩凝るな。
薬莢に付着していたのは米麹でした。
(吉崎泰乃)銃に弾を込めた犯人の指か手袋に付着してたんですね。
(宇佐見裕也)それをさらに分析したら酵母と乳酸菌が出ました。
これを見る限り日本酒に使われるものです。
この手の酵母が酒の味に違いを出すんだよね。
酵母って確か酒蔵にすみついてるんですよね?最近じゃ日本酒の協会が酵母や乳酸菌を配ってる場合も多いみたいよ。
じゃあその協会にこの酵母や乳酸菌を配っているかどうかを聞けば流通先がわかるかもしれませんね。
うん。
捜査本部に言っとく。
あっ早い方がいいでしょう。
私が行ってきます。
(一同)お願いします。
鑑定結果はどうだった?現場にあった薬莢と一致しました。
これが弾の線条痕です。
ねえBIRIシステムで照合してくれる?はい。
弾に前科ありました!奈良市女子高生・警察官射殺事件。
3年前奈良市内の女子高生辻村美香さんが行方不明になった事件だ。
そこで奈良県警が彼女の携帯の電波から捜索範囲を割り出して捜査した結果管轄の交番の沼尻巡査部長から華萌岳の山小屋で美香さんを発見したと通報があった。
そこへ捜査員が駆けつけると美香さんと沼尻巡査部長は撃たれていて死亡。
すぐに緊急配備が敷かれ近くにいた広域暴力団の元構成員林幸一が逮捕された。
林は身代金目的で美香さんを誘拐したものの沼尻巡査部長に発見されたため2人を撃ったと自供した。
林は銃を所持していなかった上川の水で腕や服が洗われていたため火薬残渣は出なかったようだ。
凶器は逃げる途中で川に捨てたと供述しているがその場所の記憶が二転三転し結局見つかっていない。
ほとんど自供だけで起訴されたのね。
うん…。
だが林は一審で死刑判決を受けたあと控訴していない。
じゃあ今は死刑囚?うん。
でも偶然じゃないわよね?ん?3年前に奈良で事件を起こした銃が3年前に奈良県警で銃の取り締まりをしていた刑事を撃った…。
ああ。
宮内元刑事はその事件の捜査を担当していたのかもしれないな。
(権藤)いえ宮内さんはその担当じゃありませんでした。
ただその事件で殺された沼尻巡査部長と警察学校の同期だったみたいです。
いただきます。
宮内元刑事と沼尻巡査部長が同期…。
で死刑囚の林幸一は今どこにいるかわかったか?大阪拘置所です。
3年前お前が使った銃がまた殺しに使われたぞ。
(林幸一)えっ?お前が川に捨てたと供述した銃だよ林。
結局銃はいまだに見つかってないけどな。
お前仲間がいたんじゃないのか?違う…。
何が違う?まさか銃は捨ててなかったのか?3年前に射殺事件を起こしたあとお前は銃を…。
違う!その事件の犯人は…俺じゃない。
あの時俺は組を破門になったばかりでシノギがうまくいかなくて自殺すら考えて…。
(林の声)どこかで死のうとあの山さまよってたら…。
(銃声)
(林の声)怖くなって逃げたら警官に見つかって…。
その時思ったんだ。
自殺するのも死刑になるのも同じだって。
そう思ったらもうどうでもよくなって…。
でも間違ってた。
死刑囚になって初めてわかった。
俺は死にたくないって。
ならなぜ再審請求をしなかったんだ?しようと思ったよ。
これから弁護士探して…。
(権藤)林の話が事実だとして3年前の真犯人が今また人を殺したとすると…大ごとですよ。
(梅原真樹)梅原です。
「法務省刑事局」…?
(佐久間誠)土門。
はい。
死刑が確定すると法務省の検事が1人選ばれ裁判に間違いがなかったか膨大な資料を審査する。
ええ。
それこそ膨大な時間をかけて。
そんな仕事をしている検事さんがどんなご用でしょうか?先日私は林の死刑執行に問題なしと判断しました。
梅原検事は林の死刑執行起案書を書いたそうだ。
今法務省を回って決裁されています。
数日後には法務大臣に届けられる。
そういうデリケートな時期だったんです。
あなたが勝手に林に面会し取り調べをしたのは。
捜査の一環として話を聞いただけです。
結果反省して死刑を受け入れていた林の心を乱し無実を主張させるに至った。
だからそれを知った法務省が彼女を派遣してきたってわけだよ。
俺にどうしろと言うんですか?これ以上不用意な行動をしないよう直接注意させてくださいと佐久間刑事部長にお願いしました。
抗議は甘んじて受け入れます。
失礼します。
話は終わってません。
土下座でもしろって言うんですか!?その程度で済むと思われては困りますね。
何っ!?特例として梅原検事を特捜本部付きとして迎える事になった。
はっ?法務省の検事が特捜本部付きなんて聞いた事ありませんよ!
(佐久間)だから特例と言ってるだろう。
(ノック)失礼します!あっすいません。
緊急なんだけどちょっと…。
なんだ?何かわかったんだろ?彼女も特捜本部の人間だ。
気を使う事はない。
この酵母と乳酸菌全てが揃ってる可能性の高い酒蔵が見つかった。
普通ここまでついてきますかね?あなたの行動が気になりますから。
でもすごいですね。
法務省の検事さんなんて。
法務省に出向してもう長いんですか?異動したばかりでまさかこんな事が起こるなんて。
気になりますよね。
死刑囚がもし冤罪だったら…。
冤罪?言葉には気をつけなさい!すいません…。
3年前に奈良県警が誤認逮捕し奈良地検が誤認起訴したそう言ったも同じよ。
可能性を言っただけだろ。
万に一つもそんな可能性はありません。
随分警察や検察を信じてるんだな。
あなた方は信じていないんですか?俺たちは事件を追うだけだ。
先入観を持たずにな。
先入観?私はあなたよりも3年前の事件を知っています。
膨大な時間をかけて裁判記録を読んだんでしたね?警察や検察裁判所の言う事を信用出来なかったら私の仕事は成立しないんです。
(乾)あっ!はいどうぞ。
ありがとうございます。
ご主人と奥さんにはアリバイがありました。
息子さんもだ。
つまりこの酒蔵は事件とは無関係って事ね。
まだこの酵母と乳酸菌を鑑定してみないと。
今はここにいないが10月から3月の間ここで働いているこの手の従業員も調べる必要がある。
(乾)所長!ん?蔵から採取した指紋に前科がありました。
(泰乃)7年前銃の不法所持で逮捕されてますね。
逮捕したのは奈良県警!?
(宇佐見)所長!大石酒造の酵母と乳酸菌ですが薬莢から出たものと成分が一致しました。
迫田肇?どうしたの?あっ…。
1人だけ連絡がつかなかった従業員だ。
3年前に奈良から引っ越し仕込みの期間だけあの酒蔵で働いている。
じゃあ今は京都に住んでるの?この住所にはいなかった。
今現住所を探してる。
(大西武政)「この男が今事件の容疑者である事はわかった」
(大西)「しかし3年前の女子高生・警察官射殺事件との関連は薄いようだが?」「ええ。
まあ本部長のおっしゃるとおり事件のあった年に迫田が奈良にいたというだけでは…」「土門君」はい。
迫田は7年前に拳銃不法所持で逮捕されています。
奈良県警に確認したところある交番の警官に職質された事が逮捕のきっかけでした。
「ある交番の警官?まさか…」はい。
3年前の射殺事件の被害者沼尻巡査部長です。
(ざわめき)彼に職質逮捕されたあと迫田は懲役にいっています。
「じゃあ沼尻巡査部長を恨んでいた可能性があるって事か?」「待ってください」「沼尻巡査部長が射殺された3年前迫田は服役中だったんでは?」いえすでに仮出所していました。
(権藤)失礼します。
「迫田の現住所がわかった。
京都市内の実家に戻っている」「実家?」
(権藤)両親は他界していて今は迫田1人です。
「橘班は迫田を任意同行」はい。
(佐久間)案内しろ。
(権藤)はい。
まさか…3年前のこの事件の真犯人は林ではなく迫田なのか?だとすると林は冤罪という事になりますね。
そんな事はありえません。
しかし梅原検事もしそうだとしたら…。
その場合気になる事が一つあります。
迫田が宮内元刑事を今殺害する動機です。
(携帯電話)失礼。
(携帯電話)はい土門。
いない!?迫田の車もなくなっている?すぐナンバーを確認してNシステムで追ってくれ。
情報は科捜研に集約。
逃げたのか?そのままヤサ張ってくれ。
迫田のヤサのガサ入れ令状をお願いします。
マリコさん!宮内さんを撃ち殺したのと同じ弾です。
迫田が宮内元刑事を殺害して逃亡している可能性が高いな。
でもどうして迫田が?
(泰乃)国道1号線上鳥羽のNシステムです。
市内に向かってます。
今日の10時7分です。
迫田と一緒に乗ってるの誰だ?この人…。
なんで…。
知ってるのか?迫田の車が見つかったとか?どうして私にすぐに報告がないんですか?どうしました?この女性知ってるんですか?いえ…。
誰ですか?殺された宮内さんの妹さんです。
えっ?そうですか。
何度電話しても宮内美津保は留守です。
奈良市内の彼女の家を調べさせてください。
奈良県警の立ち会いが条件だぞ。
はい。
鑑定はうちの科捜研で出来るように頼んでおいてください。
お願いします。
えっ?おい!ご苦労さまです。
ここです。
どうぞ。
(宇佐見)ここからこんなものが出ました。
黒色火薬の成分ね。
宮内さんを殺害した銃の火薬と一致しました。
銃口に付着してた火薬がこれに残ったんだ。
凶器の銃が包まれてたってわけか。
(泰乃)なんでそれが妹さんの家にあったんです?もしもし?土門さん?宮内美津保が迫田に拉致された可能性があります。
携帯は?つながらないのか?迫田も彼女も電源を切っています。
んー…。
はぁー…迫田の動きは?上鳥羽のNシステムを最後に引っかかりません。
迫田は銃を所持している可能性が高く一刻も早く見つける必要があります。
公開捜査にしてください。
私は反対です!公開捜査になれば林が無実を主張している事が公になる可能性があります。
だからなんですか。
冤罪の臆測を呼ぶ事は今の検察や法務省にとって最も避けなければならない事で…。
そんな事は捜査とは関係ありません。
あなた方警察にとっても不名誉な事です。
3年前奈良県警が誤認逮捕したと思われたら…。
おい。
いい加減にしてくれ。
(携帯電話)はい梅原です。
え?はい。
はい。
(扉が閉まる音)泰乃さんお茶を。
えっ…。
どうぞ。
あ…すいません。
おいしい!ブルーベリーの成分が入っているので目にいいはずです。
(日野)迫田の車が見つかった!
(宇佐見)えっ!?迫田と美津保さんは?行方不明だそうだ。
車は木屋町の路上で見つかった。
泰乃さんこの近くの防犯カメラの映像集めるわよ。
はい。
どういう事ですか?今言ったとおりの意味だよ。
公開捜査は見送る。
なぜです?警察庁の判断だ。
冤罪の臆測は警察庁も避けたいってわけですか。
臆測の段階で発表する事は出来ないって事だろう。
冤罪を発表しろと言ってるんじゃないんですよ!今回の事件の被疑者を公開捜査してくれと言ってるんです!だから!それは今同じ意味を持つ。
発表すれば3年前の事件に気づくマスコミが必ず出る。
一刻を争います。
迫田は銃を持っています!公開捜査にして妹に万一の事があったらどうする!このまま手をこまねいていてもそうなる可能性が…!捜査方針を決めるのはお前じゃない!ちょっと来てください!これ違いますか?木屋町の押小路橋です。
(乾)民間のカメラなんでこれで精一杯ですね。
よくわかりませんね。
時間は今日の14時20分。
でも似てますよ着てる服とかも。
この映像から2人の身長わかる?やってみます。
僕は2人の着衣の色と模様を照合してみる。
私たちはこのカメラの現場へ行ってみます。
(宇佐見)あれですね。
この辺り。
(カメラのシャッター音)誤差の範囲で迫田の身長と一致しました。
服の色と模様から妹さんが着てた服に間違いない。
やっぱり…。
(宇佐見)映像の立ち位置から2人の下足痕が割り出せました。
その下足痕をたどった結果2人はここからこの方向へ向かったようです。
その先にある防犯カメラは今泰乃さんが調べてます。
手分けして調べましょう。
うん。
梅原検事。
その手どうしたんですか?昨日はなかったですね。
なんでもありません。
すいません!ちょっと見てください!これ…昨日の15時4分の映像です。
美津保さんじゃないですか?んー…そう見えなくもないけど。
拡大鮮明化。
はい。
警察所管のカメラじゃないんでこれが限界です。
あっ!宮内美津保だね。
彼女は迫田から逃げたって事ですか?いやだったらなんで警察に助けを求めないんだろう?本当に彼女1人?ええでしたけど…。
(泰乃)あっ!
(日野)おっ!ストップ。
拡大鮮明化。
はい。
これが限界です。
誰だ?一緒にいるの。
女性ですかね…。
(宇佐見)顔がよくわかりませんね。
コマ送りしてみます。
ストップ。
もしかして…。
宮内美津保と…梅原検事か?やっぱりそう見えるわよね。
梅原検事と身長が誤差の範囲で一致しました。
じゃあやっぱり…。
あーただこれだけでは可能性が高いとしか…。
でももし梅原検事だったら…。
2人は昨日の午後3時頃会ってた事になりますよ。
(権藤)何してんだろう?何かもめてるように見えますよね。
ん?どうしたの?梅原検事昨日はなかった絆創膏を右手にしていた。
絆創膏…それ手に入る?それで2人が会ったかどうかわかるのか?かもしれない。
手に入れろ。
え?どうやって?どうやってもだ。
えっ!?行け。
いや…。
権藤行け!はい…。
あと美津保さんの服もお願い。
出来れば洗濯前のものを。
わかりました。
いました!迫田です。
うん確かに迫田だ。
昨日の19時3分か。
あれ?この前に見た迫田の映像ある?はい。
(日野)2つの映像並べて。
はい。
服が違う。
(泰乃)靴も違います。
14時20分から19時の間に着替えたんだ。
この2つの映像場所は?えっとこっちが木屋町でこっちが河原町です。
この間の防犯カメラ探してくれ。
俺たちは着替えた場所を当たってみる。
はい。
河原町のホームセンター?うん。
そのゴミ箱に捨ててあった。
似てるだろう?奴が着てた服に。
(ノック)失礼します。
宮内美津保の服です。
自宅から押収しました。
ありがとう。
梅原検事の絆創膏は?どうぞ。
すごい!どうやって手に入れたの?いや…梅原検事がトイレから出た時絆創膏が変わってたんでもしかしたらと思って入ったらゴミ箱に…。
入ったのか?女子トイレに。
だってしょうがないじゃないですか!フフッ…。
よくやった。
おかげで2人が接触したかどうかわかるかもしれない。
迫田の下足痕と照合してみます。
間違いない。
同じ靴です。
照合の結果迫田の着衣に間違いなかった。
(宇佐見)これに付着していた土からこんな成分が出ました。
殺菌作用のある成分です。
鑑定の結果少し特殊な洗剤でした。
普通の洗剤も殺菌作用はありますがいつも使っていると菌が耐性を持ちます。
これはそうならないための配合がされています。
あっ成分で調べた結果この商品でした。
院内感染を防ぐ効果が期待出来る洗剤で病院の清掃に使われます。
病院?ええ。
京都で使っている病院や清掃業者を調べてみます。
こっちが梅原検事の絆創膏から採取した細菌。
こっちが美津保さんの服から採取した細菌。
これで何がわかる?両方の表皮常在菌を調べてみる。
表皮常在菌?皮膚の表面にいる菌で人によって構成が違うの。
その構成を分析すれば個人を特定出来るかもしれない。
わかった頼む。
それから化膿菌も調べてみる。
化膿菌?傷が化膿する原因になる細菌よ。
それを調べればいつ頃ついた傷か逆算出来る可能性がある。
問題の洗剤を使っている病院や清掃業者です。
京都だけでも結構ありますね。
(日野)でも美容外科は3件だけだ。
美容外科?迫田は多分警察に追われてる事を気づいてるよ。
だから服を着替えた?なら顔を変えるために美容外科?なるほど。
それでこの洗剤が靴についた。
失礼します。
あの土門さんは?あっ今マリコさんのとこ。
(権藤)あっどうも。
あっちょっと…。
あの調べてほしい事が出たんだけど…。
梅原検事の絆創膏に化膿菌はなかった。
じゃあいつついた傷かはわからないのか?化膿菌がないって事は最近出来た傷よ。
うん。
おとといの15時頃かどうかもわからないよな?ええ。
でも可能性はある。
美津保さんの服から採取した表皮菌だけどこの血液の部分から検出されたの。
やはり2人は会ってたんだな。
梅原検事のけがは美津保さんによるものよ。
(ノック)失礼します。
梅原検事の経歴調べました。
宮内美津保との接点は?ありません。
ただ兄の宮内元刑事と接点がありました。
ん?2人は大学の先輩後輩です。
2人とも二条院大学の法学部出身でともに社会問題研究会というサークルにいました。
梅原検事。
ええ宮内さんは私の一つ先輩。
それが?宮内元刑事は今回の射殺事件の被害者ですよ。
被害者との面識をなぜ特捜本部に報告しなかったんですか?事件には無関係だからよ。
本当に無関係ですか?これを見てください。
宮内美津保?と梅原検事です。
とても法廷には出せない証拠ね。
はあ?出しても裁判所に却下されるレベルって事。
自分じゃないと言い張るつもりですか?これが私だという証拠は?あなたがしていた絆創膏を調べました。
え…。
血液の付着した部分から美津保さん特有の菌が出ました。
科学ってすごいのね。
出来れば事件に関係のある鑑定をしてほしかったけど。
あなたが宮内美津保と接触した動かぬ証拠ですよ。
証拠にはならないわね。
なぜですか?私は彼女の家の捜索に立ち会いました。
その時に彼女の菌が付着した可能性もあるはず。
これはあなたの右手の傷に付着した菌です。
捜索の時あなたけがしてなかったでしょう?それ証明出来ますか?梅原検事…。
私は検察官が最もしてはいけない事は真実を隠したり曲げたりする事だと思います。
法律家の真実は科学者の真実とは違うの。
そうでしょうか?それともう一つ。
本人の承諾なしに採取した検体に法的な証拠能力はありません。
検察官は証拠のない話には付き合いません。
(携帯電話)はい土門。
この病院だけ院長と連絡がつきませんでした。
ん?しかも昨日から臨時休業してます。
昨日出勤したらカギが開いたままになってて…。
おとといの13日は?私は定時の17時半に帰りました。
東先生はいつもどおり残ってカルテの整理をしていたはずです。
下足痕はなかった。
うん。
床の掃除をしたのはいつですか?昨日の朝しました。
私が。
迫田の指紋が見つかりました。
やはり東先生はいませんでした。
駐車場にあるはずの車もなくなってます。
東医師の車ヒットしました!
(泰乃)国道162号線Nシステムの画像です。
間違いない。
迫田だな。
でも東医師乗ってません。
13日の20時45分北行きの映像です。
わかったありがとう。
10キロほど先の交番の防犯カメラの映像には通過の痕跡がないそうよ。
(乾)Nシステム…交番…。
っていう事はどこか山の中に入ったって事ですかね?よしあとは俺たちが追う。
見つかったら連絡して。
うん。
ここはどうですか?まだ連絡はありません。
梅原検事どうしてここに?私には捜査に立ち会う権利があります。
土門さん!見つかりました。
(宇佐見)戻りました。
(泰乃)おかえりなさい。
わかりました。
東医師の車が見つかった。
おい。
あれです。
うん。
ここから動くな。
おい。
梅原検事どうしてここに?
(銃声)検事!
(銃声)迫田!銃を捨てろ!
(銃声)
(銃声)
(捜査員)待て!撃たないで!
(権藤)おい!
(銃声)権藤!伏せろおい!
(銃声)動くな!迫田!
(銃声)おい!救急車!
(捜査員)はい!迫田!おい!ああ…。
(捜査員)解除しましょう。
うっ…。
東医師はいない。
権藤が撃たれたのはあんたのせいだぞ。
待機を命じたのになぜここへ来た!?迫田はあなた方に撃ち殺されるのではなく司法で裁かれるべきだと思ったからです。
梅原検事を捜査から外してください。
特捜本部付き検事だ。
無理を言うな。
彼女のせいで権藤は撃たれたんですよ。
とにかく命に別状がなくてよかった。
彼女は何かを隠している。
それが俺の心証です。
(ため息)お前の勘だけではどうにも出来ん。
3年前の女子高生・警察官射殺事件その捜査資料の全てを奈良県警から取り寄せてください。
資料全部か?きっと3年前の事件から全てが始まっています。
(早月)解剖を始めます。
先生。
何かの植物?調べてみます。
(銃声)迫田の銃は宮内元刑事を殺した銃でした。
そして3年前の女子高生・警察官射殺事件に使われた銃とも一致しました。
じゃあやっぱりその事件の犯人も迫田?だとすると3年前の事件は冤罪…。
所長迫田の靴から採取した土に一部酸化鉄を多く含んだ赤土が混じってたんですが地表より少し下の地層のものだと思われます。
迫田はペンションに行く前にその地層が露出した場所を歩いたって事か。
ああその足取りを追うのに役立つかもしれません。
迫田の着衣から2つの植物の花粉が出ました。
まいど!
(一同)おはようございます。
(早月)あら?マリコさんは?今鑑定中です。
風丘先生。
おはようさん。
おはようございます。
はい皆さんで朝食にどうぞ!いつもの必殺バームクーヘン〜!ありがとうございます。
えっ朝からケーキ?あら甘いものは朝にこそいいのよ。
脳の働きのためにも朝甘いものやフルーツ食べるのが…。
先生それより今日は?あら?あそうそう。
あの迫田って人の遺体からなんか植物みたいなの採取したでしょ。
ええご遺体の手の指から。
その指にちょっとした炎症があったのね。
気になってちょっと皮膚調べてみたらほらこの成分が。
(早月)これにかぶれたのね多分。
植物かぶれ。
その植物きっとイラクサです。
迫田の爪からこの葉の一部が出ました。
そうかイラクサって葉や茎に毛みたいなトゲがある。
ああこのトゲの内部にこの成分がある。
それに触れると痛みが走る場合がある。
じゃあ迫田はこの花が咲いててこの土が露出しててイラクサがある場所を歩いたって事だ。
早速探してみます。
あれ?なんか今日いつもと違いますね。
そうですか?
(泰乃)ここにキンミズヒキがあります。
ミソハギもあそこに。
イラクサもある。
ここ踏まれてる。
マリコさんここにタイヤ痕があります。
あこれ下足痕じゃないですか?暗幕ALS。
はい。
(シャッター音)オッケーです。
はい。
迫田の下足痕です。
迫田はここで車を降りた…。
なんのため?この靴の向きあっちに向かってますね。
下足痕追跡しましょう。
マリコさん。
このあたり下足痕が集中してます。
迫田の靴に付着してた土と色が似てます。
もしかして…。
土門さんに連絡。
(乾)はい。
遺体の状況から見て死後約3日ってとこ。
じゃあ東医師が殺害されたのは13日。
舌骨が骨折してる。
頸部圧迫による窒息死ね。
やはり絞殺…。
これって…。
泰乃君。
はい。
美津保さんの写真見せて。
はい。
(泰乃)これが13日の10時7分。
でこれが同じ日の14時20分です。
でこれが15時4分。
やっぱり…。
(泰乃)え?これとこれ見て。
ただいま。
あマリコ君。
どうしたの?美津保さんのしているストール。
でこれが東明美の首に巻かれていたストール。
同じものじゃない?じゃあこれは美津保さんの?
(乾)もしかして東医師を殺したのは美津保さん?まさか。
どうして?例えば迫田に殺害を強要されたとか。
そんな…。
(日野)だから彼女は警察に助けを求めないのかもしれない。
このストール調べてみます。
頼む。
ちょっと待ってくれ。
自殺した迫田を宮内元刑事と東医師殺害の被疑者として送検するよう特捜本部に進言します。
迫田が宮内さんを殺した動機がまだわかっていない。
顔を変えるように頼んだ東医師を殺す動機はあります。
銃は?宮内さんを撃った銃は3年前の事件と一致している。
それは林が犯行後に捨てた銃を迫田が拾った。
それだけの事でしょう。
なぜ送検を急ぐんだ?これ以上調べられたら何か困る事でもあるのか?梅原検事の書いた林の死刑執行起案書は今法務省を回っている。
知っています。
ここにきて林は再審請求をしようとしている。
だから法務省は急いでるんだよ。
法務省での決済が終わればそれは死刑執行命令書と名前を変えて法務大臣に届けられる。
そうなればもう死刑を止めるのは難しい。
3年前の起訴や判決は違っているかもしれない。
しかしこの期に及んでそんな可能性がある事は絶対に許されない。
きっとそれが彼女の思いだ。
まあとにかく新たな証拠が出ない限り梅原検事の線で進むぞ。
(ノック)失礼します。
宮内美津保が犯人?その可能性を示す証拠が出ました。
このストールに美津保さん特有の菌がありました。
(真樹)捜査を長引かせれば林の死刑執行に影響が出ます。
京都府警はその責任が取れるんですか?梅原検事。
疑問が残っている以上事件を終わらせる事は許されないはずです。
新たな証拠が出た以上迫田の送検はいったん見送る。
梅原検事と映ったあとの宮内美津保の新たな画像見つからないのか?ええ警察所管のカメラだけじゃなく民間のカメラも調べてるんだけど…。
うちには帰ってないんでしょ?うん。
だから今市内の宿泊施設に写真を回している。
だが京都を出ていれば厄介だ。
宮内美津保今どこにいるんだ?土門さん!美津保さんの携帯の電波受信したって本当?うん。
河原町三条でキャッチされたあと電源は切られている。
京都市内にいたんだ。
自分の携帯でどこかに電話したようだ。
どこかって?海外の通信会社に転送されていて特定するのに時間がかかる。
土門さん3年前の捜査資料が奈良県警から届きました。
ん?なんですか?3年前林は逮捕された時「辻村美香を1発沼尻洋二を1発計2発撃ちました」と取調官に供述している。
だがその後の取り調べで「辻村美香を1発沼尻洋二を2発計3発撃ちました」と供述を変えている。
本当ですね。
撃った弾が逮捕直後は2発だったのがその後の取り調べで3発に増えた。
これどういう事だ?まあでもこの程度の記憶違いよくありますよ。
実際これを見ても撃たれた弾は美香さんは1発沼尻巡査部長は2発計3発です。
この3発の弾奈良地検から取り寄せてみるか。
えっ?
(携帯電話)すいません。
(携帯電話)はい権藤です。
はい。
はいわかりました。
13日の19時にチェックインされて翌朝チェックアウトされています。
確か…あこちらです。
その時間の防犯カメラの映像ありますか?
(係員)はい。
多分宮内美津保ですね。
(宇佐見)帽子でよくわかりませんね。
これ宮内美津保の筆跡だった。
彼女の指紋もあった。
じゃあやっぱり…。
彼女の携帯の現在位置がわかりました!はい。
半径10メートル以内にいます。
(携帯電話)かかった。
(携帯電話)
(男)「はい」男だ。
ああもしもし?この電話…。
(電話の切れる音)すいません。
ちょっとその携帯見せてください。
はあ?おい待て!宮内美津保の携帯です。
この携帯どうしたんだ?落ちたの拾っただけだよ!だから木屋町の路地に落ちてたの!おいこの電話1回だけ使ってるな?それも一度海外に転送されるようなところにかけている。
ネットで見たんだよ携帯買ってくれるって。
そこに電話してコールバック待ってたらまさか警察なんて…。
(日野)わかりました。
男が電話したのは振り込め詐欺グループだった。
振り込め詐欺?事件との関連は?生活安全部が調べてるけど多分ない。
もしかしてその携帯足がつくのを恐れて宮内美津保が自分で捨てた?これでまた彼女を捜す手がかりが減りましたね。
女子高生・警察官射殺事件の弾丸の提出を奈良地検に求めたそうだね。
はい。
まあ一応今事件との関連を調べるため…。
3年前の犯人が捨てた銃を今回の犯人が拾って事件に使い自殺したではいけないのかね?それ以外の真実がこの事件にはあるかもしれません。
例えば3年前の犯人が違っていたとか?県警も地検も冤罪事件には非常に敏感になっている。
わかるね?
(佐久間)そこからなんか言ってきたんでしょうか?もっと大きな組織だ。
法務省検察庁警察庁…。
わかっているようだ。
安心したよ佐久間君。
(ため息)
(日野)おはようございます。
あおはようございます。
(乾)おはようございます。
今日も一日頑張りましょう。
はい。
携帯の会社から連絡がありました。
ついさっき宮内美津保のIDが打ち込まれたそうです。
(日野)彼女のID?彼女の携帯携帯発見アプリっていうサービスがあるんです。
自分の携帯が今どこにあるのかかなり詳しい地図で教えてくれるサービスなんです。
きっと彼女は外のパソコンから自分の携帯を捜したんです。
だとすると携帯は彼女が捨てたんじゃない。
接続情報を令状で提出してもらいました。
彼女がIDを打ち込んだパソコンのIPアドレスをたどります。
そうしたら彼女にたどり着けるかもしれません。
奈良地検に付き合ってくれ。
3年前の弾が提供されます。
知ってます。
届き次第鑑定するつもりですけど。
梅原検事が取りに行った。
どうして梅原検事が?捜査員に任せずに自分で行くと言い張ったらしい。
乾お前専門家だろ。
彼女が弾を隠したりすり替えたりしないようにその場で鑑定出来ないか?乾君携帯顕微鏡カメラ。
あとBIRIシステムにつなげるパソコンですね。
弾受け取ったのか?それをどうするつもりだ?こちらで独自に鑑定します。
そんな事が許されると思ってるのか?3年前の林の供述は県警に無理に変えさせられた可能性がある。
逮捕時2発だった弾が取り調べで3発に増えている。
知っています。
でもそれは時間が経って林に正確な記憶が戻っただけでしょう。
よくある事です。
それを調べれば全てがわかる。
渡してもらおう。
捜査より役所の体面が大切ですか?警察と検察は絶対に正義じゃなきゃならない。
そうじゃないと社会秩序は保てないの。
真実を隠して守る社会秩序ってなんですか?そのせいで何人もの命が奪われたとしたらそれでもあなたはその社会秩序を守るつもりですか?あなたは警察や検察という組織を貶めたいの!?あなたが属しあなたの仲間がいる組織よ!いつも…こういう時いつも私思うんです。
仲間や組織が正しいか間違っているかは私が今正しい事をしているかどうかにかかっている。
仲間や組織の正義が先にあるんじゃない。
所長これを見てください。
御池通りの防犯カメラです。
13日の14時半。
宮内美津保だね。
誰かと話してる。
どこへ電話したか通話記録を調べてもらいます。
ごめんなさい。
偉そうな事言って…。
あなたは人の命を奪う決心をした事がある?え?どうなの?まさか…。
私も今回が初めてだった。
(真樹の声)何週間もあの部屋から一歩も出ずに一日中3年前の事件の記録を読み続けた。
この記録を作った警察と検察と裁判所を信じて。
あっ!
(真樹の声)座ったままの姿勢が長すぎるとすぐには立てない。
先輩検事から聞いていたのに…それくらい没頭した。
(真樹の声)私は法律家よ。
人権の根本が人命だって事はわかってる。
それがわかった上で1人の人間の命を奪うべきかどうかそれを懸命に考えた。
(真樹の声)私の決断が社会の秩序を保つそう信じて。
それが宮内先輩との約束だった。
約束…?
(真樹の声)学生の頃この時期はいつも若狭の海にいた。
そこで社会の秩序とか正義とか…。
(真樹の声)若かったのね。
そんな事ばかり毎日一晩中…。
(宮内勉)待ってくれ。
第一目的は危険な人間を社会から隔離させるためだと考えるべきだろう。
宮内先輩の意見だとその延長線上にあなたの考えは危険だから隔離するという論拠があるような気が…。
それは違う。
考えの段階じゃ犯罪じゃない。
でも責任能力が裁判で争われる現状からみても…。
ちょっと待ってくれ。
これは刑罰論の問題だろう。
(真樹の声)それで宮内先輩は警察官に私は検事になろうと…。
だから信じてるんですね。
警察や検察を。
そうよ。
だからこそ3年前の証拠を渡したの。
冤罪なんて鑑定結果は絶対に出ないと信じて。
3年前の3発の弾ですが3発中2発は線条痕が同じでした。
この1発は?違ってました。
しかも今回の事件の弾と合致したのはその1発だけ違っていた弾です。
じゃあこの2発は?別の銃から発射された弾です。
え?どういう事ですか?そうか…。
3年前…。
(沼尻洋二)至急至急!奈良3より王寺辻村美香さん発見!大丈夫ですか?よいしょ大丈夫だからね。
(銃声)
(辻村美香)ああっ…!
(銃声)
(マリコの声)2発は林が撃ち残りの1発は迫田が撃った。
(銃声)
(乾の声)そうです。
つまり凶器の銃はもう一つあった。
だから線条痕も2種類あったんです。
BIRIシステムには事件ごとではなく弾1発ずつ登録されます。
今回の宮内元刑事を撃った弾と一致したのは3年前に撃たれた3発のうちの1発。
迫田の銃の弾だったんです。
迫田はずっとその銃を持ち続けてたのね。
当時の捜査本部は林が1人で撃った事にしたかった。
だから無理に供述を変えさせたんだろう。
林の供述は変えられても警察庁で管理してるBIRIのデータまでは変えられなかったんですね。
宮内美津保が公衆電話からかけた先がわかりました。
「梅原真樹」?
(権藤)13日の14時半の電話です。
やはりあの電話で梅原検事は彼女と接触したんだ。
その梅原検事ですが特捜本部にいません。
携帯にかかってきた電話で話したあと慌てて出て行ったそうです。
美津保さんがIDを打ち込んだ端末がわかりました。
京都駅にあるパソコンサービスです。
その時間帯の防犯カメラの映像借りてきました。
彼女です。
間違いありません。
よーし。
これは付近の防犯カメラから彼女の足取りが追えますね。
はい。
行こう。
はい。
見つけました!
(日野)宮内美津保に間違いないね。
どこ行くつもりなんだろう…。
改札のデータを調べるわ。
行き先がわかるかもしれない。
どうしてここに?兄から聞いた事があります。
昔この合宿所であなたたちと正義を…未来を語り合ったって。
もう一つの拳銃…。
え?それを警察が隠した。
何言ってるの?兄はずっとそれを調べてたんです!だからそれは宮内さんの思い違いで…。
マスコミにそれ発表して!兄と正義を語り合ったあなたなら出来るはずよ!出来ない。
当時警察がそんな事をしたとはどうしても思えないの。
(パトカーのサイレン)宮内!
(美津保)来ないで!やめろ!やめろ!兄が殺されたのは警察のせいよ!3年前あなたたちが真実を隠したから!だから迫田が野放しになって兄は殺されたの!証拠のない事は信用出来ないと言ったはずよ!おい!証拠はあります。
3年前犯行に使われた銃はもう一つあった。
それを科学的に証明した鑑定書です。
このもう一つの銃の存在は発表されます。
あなたのお兄さんの望みどおりに。
3年前突然宮内先輩が警察を辞めたと知って会いに行きました。
すでに起訴された事件じゃないですか。
県警の捜査資料を調べた。
被疑者の供述が逮捕された時と送検される前で変わっていた。
そんな事よくあります。
殺されたのは俺の同期だ。
真実が知りたい。
馬鹿げてます。
それで警察を疑って辞めるなんて…。
(美津保の声)兄が殺された時それを思い出して兄が見ていた手帳を探し見つけました。
3年前の殺人事件が書かれていました。
(美津保の声)それでやっとわかったんです。
この事件を調べるために兄は警察を辞めたんだと。
そこに迫田の名前を見つけて兄の死について何か知ってるかもしれないそう思って…。
(迫田肇)どうして俺に?兄の手帳にあなたの名前が書いてあったんです。
あっちょっと!返してください!
(美津保の声)迫田が3年前の事件に関与している事を確信しました。
それで兄が信頼していた梅原検事に相談しようと思ったんです。
法務省にいる事は兄から聞いていたので直接東京に会いに行こうとしたら…。
ああっ!あっ!あの手帳出せ!お前の兄貴が調べたとおりだよ。
交番のおまわりのくせに俺を逮捕したのが沼尻だ。
(美津保の声)それを逆恨みした迫田は刑務所を出たあと沼尻という警官をつけ狙いとうとうあの日…。
(銃声)
(銃声)
(銃声)
(美津保の声)それに気付いた兄が迫田に近づき…。
(迫田)あんた元刑事だろ。
なのに俺が来なかったら全てを検察に話すと脅した。
なんで警察じゃなくて検察なんだ。
信頼出来る奴がいるんだ。
検察官にな。
(銃声)
(美津保の声)私が兄から何か聞いていないか私がそれを誰かに話していないか執拗に勘繰りました。
それで拉致されて…。
でも自分の家に警察が来ていたのを見て「車を捨てる」と言い出して…。
降りろ。
(携帯電話)携帯出せ。
(携帯電話)
(携帯電話)くそっ!
(迫田)どけコラ!それで迫田は通報される事を恐れたんですね。
だから顔を変えようとして…。
(東明美)それは無理です。
今日来て今日オペっていうのは…。
ならいいですもう…。
迫田から逃げたあと兄の住所録を見て梅原検事の携帯に連絡しました。
宮内勉の妹の美津保です。
(美津保の声)梅原検事が京都に来ている事を知ってすぐ会う約束をしたんです。
(真樹)とても信じられません。
兄が信用出来る検察官だって…だから話したんです!検察官は証拠のない事は信用出来ません。
もういいです!ちょっと待って!
(真樹)ちょっと待って!
(美津保の声)もう検察も警察も信じられなくなってそんな時…。
(警察無線)「手配中の迫田肇と宮内美津保の乗っていた車を木屋町で発見。
2人は逃走し近辺に潜伏している模様」「現時刻をもって緊急配備を発令する」梅原検事は私を信じなかったばかりか犯人に仕立て上げようとしている。
そう思いました。
こうなったら自分で迫田を捜し出し兄の無念を晴らすしかないと…。
それであのナイフを手に入れたのか?でも迫田が追い詰められて自殺した事をニュースで知ってそれで今度こそ梅原検事にと…。
若狭の海で待ってます。
必ず1人で来てください。
こうなった以上検察庁は必ず発表します。
3年前の真実を全て警察の責任にして。
それなら迫田を被疑者死亡で送検する前にうちで発表すべきです。
全てを明らかにしたのは京都府警だと!だったら早く記者会見の準備をしないか。
何をグズグズしてるんだ。
ええ?はい!「京都府警が犯行に使用された銃弾の科学捜査を行った結果3年前の被害者の女子高生は現在収監中の死刑囚が射殺しもう1人の被害者の警察官は今月の事件の容疑者が射殺した事が判明しました」3年前の女子高生・警察官射殺事件もこんな風に大きく報道されたんでしょうね。
きっと警察はプレッシャーだったはず。
それで県警は解決を急いだんですね。
だから林の供述を変えさせたんだと思います。
そんな事は理由にならん。
そうですね。
でも私もそうなるところでした。
林の死刑執行起案書止めてもらえませんか?
(上司)「君は自ら作成した起案書を止め悪しき前例を作るつもりなのか!」そんな上層部からの圧力で大切な証拠を握り潰すところでした。
それをあなた方が止めてくれました。
感謝します。
梅原検事…。
私に検事の資格はありません。
辞めるつもりですか?色々とご迷惑をおかけしました。
迷惑?その程度で済むと思ってるのか。
3年前の銃も見つかっていない以上これで林の死刑判決がどうなるかわからん。
だがもう一度事件を検証して正しい決断を下せるのは死刑の審査を任された検事だけ。
つまりあんただけだろ。
あなたが追求していた社会正義を今こそ守るべきじゃないですか?そしてまた社会の秩序を保つ事。
それが宮内さんとの約束なんじゃないですか?社会に信用される…そんな警察を作るのが俺たちの仕事かもしれないな。
2015/12/22(火) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
科捜研の女11 #1SP[再][字]
「法務省から来た女!疑惑の検事!隠された銃弾の秘密!!京都〜奈良を結ぶ冤罪の罠!?」
詳細情報
◇番組内容
沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所研究員の榊マリコが、事件現場に残された微細証拠を手がかりに真相を究明する科学捜査ミステリー。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、風間トオル、斉藤暁、泉政行、奥田恵梨華、高橋光臣、若村麻由美、田中健
【ゲスト】
菊川怜、津川雅彦
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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