NHK高校講座 生物基礎「植生と遷移」 2015.12.22


考えちゃったんだよ。
それは事実になっちゃ嫌〜!生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
日本の国土のおよそ3分の2を占める森林。
この森林は長い年月をかけてできてきたものである。
今回は森林ができていく様子とその仕組みを調べていきますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森の精のミドリ君です。
ミドリ君は最近悩んでいるそうです。
え?「森の精って一体何だ?」って。
よろしくね〜。
よろしくね〜。
さあ今日のテーマは…植生と…?遷移?つまり……という事です。
えっえ?それって生えている…えっ?ちょっとちょっと森の精のミドリ君そんな事ってあるの?
(マルタ)「おっと出番が早いなぁ」。
うん。
(マルタ)「うん。
僕の住んでいる森だって初めは森じゃなかったんだよ」。
えっ!?
(マルタ)「生えている植物の種類が次々と変わっていって今の森になったんだよ」。
へぇ〜そうなんだ。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「森林はどのようにしてできるの?」。
はい…今日はその様子と仕組みを学習していきましょう。
さてお二人さん……という事は分かるかな?えっ森林ができやすい?うん。
日本はほぼ温暖で雨も多い。
つまり…なるほど。
お〜なるほど。
だから森林ができやすいんですね。
はいそうなんです。
何も生えていない土地これを裸地といいますが日本ではこの裸地がほとんどの場合数百年で森林になるんです。
(丸)えっ!?数百年で森林に?そうなんです。
そこで今日はこの数百年の間にどのように植生が遷移するのかこの「?」を調べます。
(丸)そんな「?」どうやって調べるんですか?丸君!富士山じゃ。
まず富士山に行って…はい!丸だけの…行ってきます!今回丸君を案内してくれるのは…先生…。
(山藤)大丈夫ですか?これどこまで行くんですか?そうですねこの辺りにしましょうか。
あ〜よかった〜。
この辺りは1707年約300年前に富士山が噴火した噴出物によって裸地になった場所なんですね。
300年たった今見渡してみるといろんな所にいろんな植物が生えているのが観察できますね。
まず目につくのはイタドリなどの草が集まって生えている所。
この草むらにはカラマツなどの樹木も生えている。
そしてこの木が大きくなり森林になっている所もある。
お〜。
先生この辺りに来ると土のにおいしますね。
そうですよね。
この森も噴火直後は裸地だったんですよ。
ここ裸地だったんですか?
(山藤)ええ。
長い年月をかけてこのような森になったんですね。
丸君…はい。
富士山の五合目では…そしてその…うん。
では…それはう〜んとん〜…。
(マルタ)「丸君にはちょっと難しいかな」。
ミドリ君!
(マルタ)「ヒントだよ」…それはさっきも出てきたけど十分な水と適当な温度だよね。
(マルタ)「それだけじゃないよ。
日光でしょ。
そして空気。
そして栄養素も必要だよ」。
(丸)ん?栄養素?えっ何?ちょっと教えてよ。
では私がお答えしましょう。
植物の生育に必要な主な栄養素とは…これを植物の…という事で…えっ!?じゃあ…いやいや。
今度は…えっ何でですか?伊豆大島の三原山ではこの数百年の間に大きな噴火が3回もあったんです。
しかもそれぞれの時溶岩がいろいろな場所に流れました。
この図はその時に流れた溶岩の跡を色分けしたものです。
(マルタ)なるほど。
そして…つまり…1986年の噴火からおよそ30年後。
このような溶岩の裸地は水分や栄養分が少ないため植物の生育には適していない。
しかしこの溶岩の表面にも……などが見られる。
これらは体が小さいため栄養分の少ない場所でも少しの水と十分な光があれば育つ事ができるのだ。
溶岩以外の噴出物で覆われている所もある。
このスコリアという粒状の噴出物は水を保ちにくい。
そんな所にもイタドリが生えている。
イタドリは長い根を深く張って少ない水分を集めたくましく成長していく事ができる。
こちらは…オオバヤシャブシの根には根粒というものがある。
この中にいる…オオバヤシャブシは栄養素の少ない所でも育つ事ができるのだ。
ではこの図を使って森林ができていく様子をまとめてみましょう。
はい。
はい。
今の映像では溶岩の裸地にまず地衣類やコケ植物が生えていましたよね。
でイタドリやオオバヤシャブシも生えていました。
ここで着目すべき要素は…地衣類やコケ植物は体が小さいので少しの水があれば育つんです。
(マルタ)長い根によってイタドリも少ない水分を集めていましたよね。
はい。
ここでの着目要素もやはり…あの…オオバヤシャブシは何かの菌がどうのこうのみたいな事言ってましたよね。
はい。
そのどうのこうのというのはこれですね。
オオバヤシャブシの根にはこのように根粒があります。
見えますでしょうか。
この中には根粒菌という細菌がいて…
(丸)ああ三大栄養素の1つの窒素ですね。
はいそうです。
火山の…という事でここでの着目要素は…
(マルタ)なるほど〜。
裸地に植物などが生える時着目すべき要素は水と栄養素ですね。
うん。
まあ当たり前といえば…そうですか?ああぁ…。
ではこの続きを見てみましょう。
次はどのような植物が育ってくるのだろう。
イタドリの根元には葉や枝が落ちて腐りやがて養分の豊かな土壌ができる。
そこによく育つのがススキである。
繁殖力の強いススキはイタドリが生えていた所に生育し溶岩の風景を徐々に草原へと変えていく。
次に噴火からおよそ65年後の跡を見てみよう。
ここでは草原の中に背の低い低木が見られる。
これらの樹木はススキより背が高くなるためより多くの日光を得てススキとの競争に打ち勝つのだ。
イタドリなどのあとにはススキの草原ができていましたね。
はい。
イタドリの葉や枝などが腐って土壌ができました。
ですからこの土壌に含まれる水や栄養素が着目要素です。
次に草原は低い木の林になっていました。
はい。
ススキなどの草が腐って…そして樹木は草よりも背が高いので日光をたくさん受けられます。
なのでススキに勝つんです。
という事はですよ…そうなんです。
え〜。
う〜ん。
溶岩の流出からおよそ240年後の森林。
この森林には陽樹と呼ばれる樹木が目立つ。
伊豆大島には溶岩の流出から1,000年以上たった所もある。
ここには陰樹の森林ができている。
最後は陰樹の森林になるんですね。
そうなんです。
ここでの着目要素は…陽樹の森林ができると…日光が少なくても…結果として…ああこれも……という事ですね。
そうなんです。
これが植生が遷移する大きな原因なんです。
植生の遷移にも訳があるって事さ!二次遷移って何ですか?はい。
今見てきたように…一方…えっどういう事ですか?それは。
例えば山火事や自然災害で…そういう場所で始まる遷移を二次遷移というんです。
という事は陰樹の森林もずっとそのままではないという事ですか?そうなんです。
例えば大きな樹木が倒れてそこから遷移が始まる事もあるんです。
うっそうとした森林の中には光が届かず地表には草や樹木はほとんど見られない。
しかし老いて倒れた大木の近くには草が生えている。
ギャップと呼ばれる隙間が大木が倒れた事によってでき地表に日光が当たるようになったからだ。
こうして…こんにちは。
八田さんこんにちは。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
先生森林って絶えず遷移しているんですね。
そうなんです。
特に山火事などの大きな森林の破壊が起きると森林は大きく遷移します。
はい二次遷移ですよね。
はい。
ここではその山火事をうまく利用して子孫を増やす樹木を紹介しましょう。
「うまく利用する」?はい。
これはバンクスマツのマツカサです。
この中には種が入っているんですがふだんは…種が出てきません。
ところが山火事の…中の種が落ちて芽が出るんです。
へぇ〜!まるで山火事を待ってるみたいですね。
そうですよね。
更に洪水を利用する木もあるんです。
洪水。
カツラいう樹木はこのような大きな木になるんですけれども種はこのように5ミリほどの小さなものなんです。
へぇ〜。
この種が洪水を利用するんですか?はい。
カツラの種は水分がたっぷりあって日光が強く当たる所でしか芽を出せないんですよ。
なるほど。
じゃあ洪水のあとはぴったりな条件って事ですね。
そうですね。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「森林はいつも変化している」。
一次遷移によってできた陰樹の森林も山火事や自然災害そして樹木の寿命などによっていつも変化しているんです。
なるほどいつも変化してるのか。
うん。
という事はミドリ君みたいに今は何もない裸地だけどいつの間にか丸沢みたいに陰樹の森になるそういう事ですね。
あっギャップできてるよ。
えっうそ!どこ?ここここ。
えっギャップ!?えっえええ?ここここ。
えっ?えっ?2015/12/22(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「植生と遷移」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
日本の国土の約2/3は森林で占められています。ほどよい気温と十分な降水量があり、ヒトの活動の影響を大きく受けない場所には森林ができます。日本はこの気候条件を満たすので、高山や海岸、水辺の地域を除く、たいていの場所はいずれは森林になります。今回は、森林のでき方とその後の変化について学んでいきます。【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド 【講師】山藤旅聞
出演者
【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【解説】都立両国高等学校・付属中学校教諭…山藤旅聞,【語り】増谷康紀

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趣味/教育 – 中学生・高校生
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バラエティ – その他

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