生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分です。
「くらしきらり解説」。
きょうは、こちらのテーマです。
担当は今井純子解説委員です。
消費税の軽減税率ようやく決まりましたね。
今井⇒再来年の4月に消費税率を10%に引き上げたときに何を8%の低い税率に据え置くのか、その品目がすったもんだの末大枠決まったんです。
生鮮食品だけでなく加工食品も対象になったんですよね。
当初自民党は税収が足りなくなるので生鮮食品だけを軽減税率の対象にしようとしたんですが公明党側が増税の痛みを和らげるにはこれだけだと不十分だと主張し続けた結果最後は加工食品も対象になったんです。
米や野菜や肉類こういったものに加えて飲み物や弁当やカップラーメンも対象になったんです。
例えばキャビアとかブランド牛肉のような高級な食材それも軽減税率の対象になるんですよね?これについてはいろいろな意見もあったんですが最終的には食料品も広く対象に加えるということになったんです。
さらに食料品だけでなく新聞も軽減税率の対象なんですね。
民主主義を支える根幹だとして新聞業界が強く主張したこと。
それから海外でも軽減税率の対象にしている国が多いということで最後に加わったんです。
ただこれは家に届ける契約をしている新聞が対象でそれ以外、例えば駅売りの新聞は10%の税率がかかることになるんです。
コンビニで買う場合も同じで10%ですね。
同じ食品でも外食とお酒は外れたんですね。
お酒は生活に欠かせない商品とは言えないということで対象外。
外食については対象に加えようという案も出たんですけれども税収がさらに大幅に減るということになるので結局対象にはならなかったんです。
外食はどこまでが外食でどこまでが食料品なのか線引きがちょっと難しいですね。
今回大枠で考え方が示されたんです。
例えばピザの宅配とかおそば屋さんの出前。
家で食べるから軽減税率ですよね。
これは8%軽減税率の対象になります。
外食なのかそうでないのか線引きする基準の1つが食べるためのいすやテーブルがあるお店の中で食べるのか。
それとも外で食べるのかというところにあるからなんです。
おそばやおすし、ピザいすやテーブルのある店で食べれば10%出前や宅配は8%。
同じようにハンバーガーやドーナツや牛丼も店で食べる場合は10%同じものを持ち帰る場合は8%という線引きになるんです。
でもコンビニでいすやテーブルがあるコンビニで食べる場合は8%という話も聞きました。
それは8%になったんです。
外食か、それ以外かということを分ける線引きのもう1つの基準に食べるためのサービスの提供を受けたのかどうかということがあるからなんです。
2つ基準があるんですね。
これに従いますと、コンビニでおにぎりやお総菜を買ってレジで袋に入れてもらう。
それを自分でテーブルに持って行って食べるという場合は食品を買っただけと見なされるので8%となります。
もしコンビニでも返す必要があるお皿やお盆に買ったものを載せて店員さんが出してくれるこういうところもあるそうなんですがこの場合は外食と見なされて10%となります。
同じようにショッピングセンターのフードコートも返却が必要なお皿やお盆で出されるケースが多いですよね。
これは外食扱いとなるんです。
持ち帰りが増えるかもしれませんね。
そうかもしれませんね。
本体価格500円のもので見ると店の中だと550円持ち帰ると540円この差をどう考えるかということになりますね。
10円の差になるわけですね。
ただ判断が難しいものもあって例えばポップコーンを映画館で買った場合。
ポップコーンは使い捨てのケースですし料理屋さんで食べるわけではないので軽減税率ではないですか?ただトレーに載せて出される場合もあるわけですよね。
同じように野球場だとどうなのかカラオケでポップコーンを頼むとどうなのか、個別で見ていくと判断が難しいケースがまだあるんですね。
いつまでも分からないということでは消費者も店側も困りますので年明けのできるだけ早い段階で財務省ができるだけ具体的な線引きを示すことになっています。
判断が難しいケース外食かそれ以外だということだけではないんです。
例えばおもちゃやカードが付いているお菓子、あるいは豪華な重箱に入ったおせちこういったもの食べ物を買っているのかカードや重箱を買っているのか判断が難しいケースがありますよね。
どう線引きするんですか?原則は食料品には8%それ以外には10%の税率をかけて足すのが原則的な考えなんですがただ例外として高級品ではないもので食料品が主体であれば全体を8%の対象としてよいということになったんです。
ですからカード付きのお菓子はお菓子が主体と判断されれば8%一方、豪華な器に入った例えば漆塗りとかそういった重箱に入ったおせちは10%と判断される可能性が高いということです。
お菓子売り場に明らかにおまけのほうが豪華でラムネやガムが1個付いているというものもありますがそれはどうなるんですか?それは10%の対象になる可能性があるかもしれません。
どういう場合に食料品が主体なのか何が高級なのかこういったことはこれから決めるということになっているんです。
もう1つ、消費者から見て判断が分かりにくいケースを紹介します。
お酒か調味料かという線引きです。
今でも酒税法という法律で線引きがきちんとされているんですね。
例えばみりん風調味料や塩が加えられている多くの料理用の酒の場合調味料、加工食品で8%の対象になることになるんです。
一方、本みりんや塩などが加えられていない料理用の酒10%の消費税がかかることになるんです。
同じ売り場で隣に置いてあったりしますから分かりにくいですよね。
特に消費税率が10%に上がって軽減税率が導入されてから1年半の間というのは特例措置として今と同じように本体価格の表示税抜きの表示をすることが認められています。
8%の商品だと思ってレジに持って行ったら10%かけられたということがあるかもしれないですね。
ぜひ混乱が起きないように表示を工夫してほしいと思います。
家計としてはこれだけ軽減税率の対象が広がって助かるなと思うんですが実際どれくらい家計は助かるんでしょうか。
これはご家庭によってどれくらいのものをどのくらい使うのかによって全く違ってくるんですがあくまで全世帯の平均ということで見てみますと消費税率が8%から10%になって増えるはずだった家計の負担から年間で1万3000円程度出費が抑えられるというのが第一生命経済研究所の試算です。
助かりますね。
でもその分税収が入ってこないんですよね。
穴埋めはどうなったんでしょうか?それが決まっていないというのが最大の問題だと思うんです。
消費税率が上がって税収が増える分は社会保障の財源として使い道が決まっているんです。
予定では10%の増税になると5兆6000億円が増える予定だった。
ところが軽減税率でそのうちの1兆円が入ってこなくなる計算になります。
これは大きな金額ですよね。
穴埋めで当てがあるのはこちらの中から一部施策を先送りする形でこの中から4000億円を取り出して充てるということだけで差額の6000億円をどうするかはまだ決まっていない。
来年末までに決めることになっています。
たばこ税など何らかの増税をするのかそれとも何らかの歳出を抑えるのか。
いずれにしろを誰かが負担しなければいけません将来の世代につけを回さないようきちんとした財源を確保して2015/12/22(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「どう決まったの?軽減税率」[字]
NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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出演者
【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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