未来世紀ジパング【池上彰が徹底解説SP!『世界を動かした1枚の写真』】 2015.12.21


期待されてるってこと。
やろうやろう。
今年1年ホントにYOUの皆さんありがとうございました。
見てくれてる方もありがとうございました。
さぁそれではまた来年も空港でお会いしましょう。
せ〜の。
(2人)『Youは何しに日本へ?』。
年の瀬を迎えた日本の玄関口
出発ロビーには日本での滞在を終え母国に帰る外国人たちが溢れていた。
オーストラリアから旅行に来たというこちらの女性。
日本で撮ったとっておきの1枚は…
そんな彼らに今年いちばんのニュースを聞いてみた。
まずは日本で爆買いツアーを終えたばかりのこの一行。
中国の団体客に聞いてみた
彼が見せてくれたのは…。
北京の自宅マンションから撮ったという写真。
青空が見えている。
ところが翌朝はこのとおり
こちらのアメリカ人夫婦の今年のニュースは…
アメリカ大統領選挙で台風の目となっている共和党のドナルド・トランプ候補。
数々の問題発言で物議を醸している
メキシコから修学旅行に来たというこちらの女子高生たちもいちばんの関心事はトランプ氏の動向だ
たくさんのお土産を送ろうとしているこちらの女性はペルーに里帰りするところ
こちらのロシア人男性はイスラム国の手によるとされるロシアの飛行機事故がいちばんショックだったという
この事件をきっかけにロシアはシリア領内での空爆を強化した
まさに世界が激動した2015年
今夜は池上彰があのニュースの裏側に迫る
覇権を狙う中国の実態を捉えた
更に韓国ではパリ同時多発テロのそのとき国を二分する10万人の反政府デモが起きていた
さぁ今年最後の「ジパング」は世界を動かしたあの写真ということでスタジオには今年一年を象徴する写真をご用意しました。
池上さんこうやって見てるとホントにいろいろなことが起きましたよね。
そうですよね。
ホントにこう世界が激動した年ということで歴史に刻まれると言っても過言ではないんではないかということですね。
そして…。
さぁ皆さんどうですか?こうやって見ていて印象に残ってる写真何かありますか?私はやっぱりフランスのテロが起こったときのエッフェル塔をモチーフにしたピースサインのマークが…。
マララさんが持っていますね。
僕はメルケルさんですかね。
あれだけの難民の人を受け入れると。
ホントにいろいろなことが起きた2015年でしたけれども今回の模型こちら。
カメラになっているんですけどここから今日1枚目の写真が出てまいります。
今日1枚目の写真はこちらです。
はい登場しました。
でこれ以前はどうだったかといいますとちょうど1年前の写真と並べてみましょう。
こちらが1年前の写真なんですけれども…。
きれいなサンゴでしたね。
これファイアリークロス礁という岩礁。
岩とサンゴ礁だったところを一気に埋め立ててしまってこうやって滑走路まで作ってしまった。
軍事基地化しているんだってことがこれでわかると思いますね。
実は去年から今年にかけて7つの人工島を作っていましてそのうちの2つがこちらの写真なんですけど2013年の状態と比べてみましても埋め立てるための船もたくさん来ているのがわかりますよね。
こちらのミスチーフ礁も大分姿が変わっています。
自然がすごい破壊されてますよね。
そうなんですよね。
じゃあこれらの位置を地図で確認してみましょうか。
拡大しますとはいこうなってますね。
こういったものがあるのをこのあたり南シナ海ですね。
南シナ海の中でも南沙諸島スプラトリー諸島。
このあたりがそれということになるんですが中国本土からは1,000キロ近く離れてるんですね。
さあでは緊迫の南シナ海は今どうなっているのか。
ジパング取材班が最前線の島を訪ねました。
眼下に広がるのは今年世界の注目を最も集めた海
まずはフィリピンの最前線の島を直撃した
東京からマニラを経由しておよそ6時間。
南沙諸島とほど近いパラワン島へ
アメリカの旅行雑誌で
知る人ぞ知るマリンリゾートの穴場として近年欧米からの観光客が増えている
そんな風光明媚なパラワン島の海岸にはたくさんの船が
そう漁船だ
漁業の島でもある
バラクーダ。
(スタッフ)バラクーダ。
島の市場には新鮮な海の幸が
ハマグリはひと盛りでたったの80円。
こちらのカツオは1本およそ250円
そんな観光と漁業の島が今危機に直面していた
朝5時。
夜明け前の浅瀬から船に乗り込むのはこの島の漁師たち
彼らにいったいどんな危機が。
漁の同行取材をさせてもらった
漁師歴30年のベテランだ
いざ出港
パラワン島の漁師の船はバンカーボートといわれる木造の船で両側に竹の棒が張り出しているのが特徴だ。
その形からアメンボボートとも呼ばれている
出港して30分。
小さなバンカーボートが漁をしていた
こちらの漁師は網を熱心に引き上げているが…
しかも貴重な3匹目を目の前で取り逃がしてしまった
最近は島の沿岸に多くの漁船が集中するため漁獲量が減っているのだ
するとゴンザレスさん屋根を畳み始めた。
風の抵抗を減らしもっと沖へ出るという
スプラトリーつまり各国が領有を主張する現場だ。
乗組員たちは大揺れする船内で腹ごしらえ。
それは非常時の備えなのか
船はフィリピンの領海を出て南沙諸島にあとわずかというところまで来た
しかしここで船員たちの様子に変化が。
あたりを気にし始めたのだ
ゴンザレスさんが以前よく漁に行っていたというのがフィリピンが実効支配するアユンギン礁付近。
絶好のポイントなのだという。
しかしその近くには中国が埋め立てを進めるミスチーフ礁がある
その海域では埋め立てが始まった去年から中国海警局の巡視船が見回りを強化している
中国籍の漁船も頻繁に操業していて妨害を受けることもあるという
ゴンザレスさん今日はアユンギン礁までは行かずこのあたりで漁をすることに
そのとき…
南シナ海。
南沙諸島周辺で漁をするフィリピン漁船。
そのとき…
船員の1人が指した方角に目を凝らすと…
中国船か?
中国船ではなかった。
この海は日本にエネルギーを運ぶ重要な航路でもあるのだ。
そして漁を始めたゴンザレスさんたち。
マグロなどの大物が狙いだが…
結局1匹も釣れず。
このままでは死活問題だ
揺れるフィリピンの漁師たち。
南シナ海は緊迫の度を増している
ホントにドキドキしながらの漁でしたよね。
パックンさんいかがでしたか?そうですよね。
さあじゃあその場所をちょっと地図で確認してみましょうか。
今のパラワン島というのがここなんですね。
真横ですよね。
真横ですね。
そして中国が自分たちの海だと主張しているところがあります。
それがここになりますね。
これ九段線という言い方をするんですね。
でもこの海の上に破線を書いておいてここが自分の領海だというのが相当無理があるなと思うんですがこれについて実は習近平国家主席が南シナ海南沙諸島は古来から中国の領土であるとこう主張してるんですがさあ鈴木さんこの古来からっていつからでしょう?古来…なんか古い中国の時代っていうと三国志の時代とかかなって思ったんですけど…。
それほど古来ではないんですけど…。
中国が当時明の武将鄭和という人物がいて彼が大航海をしたんですね。
別に住み着いてるわけではないですよね?じゃないんですよ。
そこに人が住んでるならねまぁわかりますけどそうではない。
そして中国側には坂下さんさあこれ何ていう島かご存じですか?えっ…。
これはですね海南島というんですね。
(坂下)初耳です。
あっ初耳ですか。
ここ中国のハワイと呼ばれてる島なんですね。
さあ日本ではそれほど知られていない海南島。
リゾートだけではない驚くべき一面がありました。
中国本土からおよそ30キロ。
南シナ海に浮かぶ海南島。
年間平均気温22度。
ビーチには11月でも水着の観光客が。
中国のハワイと呼ばれるリゾート地だ
その中心三亜市内で見つけたのが…
立たせているのは大きく見せるためだという
このカメ生きている。
路上販売しているという
更に違法な闇ビジネスのターゲットになっている貴重なものがあるという
やってきたのは町なかの工芸品店
店内にずらりと並んでいたのは…
べっ甲として使われるウミガメ。
タイマイだ。
ワシントン条約で絶滅の恐れがある生物に指定され中国国内でも捕獲や売買は禁じられているが密漁が横行しているのだ
人気商品といって出してきたのは…
更にべっ甲のもとになるタイマイの甲羅を見せてくれた
取材班はあるタイマイのブローカーと連絡をとることに成功した
早速指定された場所へと向かう
そこは人けのない路上だった
程なくして2台の車が到着した
ブローカーが後部座席からダンボール箱を運び出した
中から出てきたのは全長50センチほどのカメのはく製。
南シナ海でとったタイマイだ。
黄色が多いものが珍重されこれは100匹に1匹しかいない金色の特上品だという
違法に闇取り引きされる南シナ海の希少生物
それはタイマイだけではなかった。
続いて向かったのは漁港
漁を終えた船が戻ってきていた
何やら重たそうな積み荷を慎重に下ろしている。
と…何だ?これ。
なんとこれシャコガイ
顔を覗かせたのが船長。
話を聞いてみた
精巧な彫刻加工を施した商品が高値で売れるという。
シャコガイも中国で特に保護されるべき第一級保護動物に指定されているのだが…
船長はこの漁船の驚くべき実態を明かした
規制されているシャコガイの漁船に政府の補助金とはどういうことなのか?
実は海南島の漁民には中国にとって特別な役割があるという。
それを表すのが町なかに掲げられたこの看板。
漁師と写っていたのは
と書かれている。
更に…
そう一部の漁民は民兵の役割を担っているのだ
実は海南島観光地でありながら南シナ海における中国の軍事拠点という別の顔も持っている。
港には中国海軍の軍艦が。
潜水艦も停泊していた
こちらはかなり大型の艦船。
中国の最新鋭艦だろうか
漁港に一隻の漁船が入ってきた。
遠洋での漁から戻ってきたばかりだという。
乗組員に話を聞くと驚きの答えが返ってきた
なんと民兵だという
頼むと船に乗せてくれた。
噂に聞く武装漁船に初潜入だ
船内の片隅にはニワトリが。
非常時の食料だという
上の階に操舵室があるのでついてこいという
得意げに説明してくれたのはさまざまな通信アンテナ
操舵室の中央にはレーダーに連動した警報器。
外国船や不審な船を見つけたらすぐに通報する義務があるそうだ
日本製の機器を使い尖閣諸島周辺を航行する。
なんとも皮肉な話だ
去年民兵になって最初の仕事相手はベトナムだったという
彼はなぜ民兵になったのか?
命を落とす危険もあるが怖くはないのか?
リゾート地と漁師と軍事拠点。
表裏一体となった計画が進んでいる
うわ〜ちょっと信じられないですねこれは。
もともと漁民だった人が民兵と武装して…。
しかし民兵の人っていうのはふだんは漁師をやってるということなんですか?大スクープ…。
VTRの男性が尖閣諸島にも行ったって言ってましたよね。
はいそれがこちらの本ですね。
『China2049秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略』。
その英語の原題なんですけれども『THEHUNDREDYEARMARATHON』。
つまり中国の100年マラソン戦略ということですよね。
アメリカの親中派つまり中国寄りの立場をとっているそのマイケル・ピルズベリーという人この人がですね…。
っていうんですね。
パンダが大好き。
そして1972年当時のニクソン大統領が中国に飛んで電撃的に毛沢東主席と会いましてね国交正常化に向けて動かした…。
これまで世界の国々というのは独裁政権でも経済が発展していて豊かになってくるとみんな民主化されると。
中国もそうだろう。
結局どうなったのかといいますと…。
中国はこうなったと。
はい。
アメリカの戦略は間違いだったという反省を込めて書いた本がこの本なんですね。
さぁ先日作者のピルズベリーさんが来日した際私がインタビューに行ってまいりました。
中国の100年戦略についてお聞きしました。
ハローピルズベリーナイストゥーミートユー。
1949年毛沢東による建国から100年後の2049年まで中国はアメリカの支援を受けながら長期計画を秘密裏に遂行しているというのだ
2049年まで!?えっ怖い…。
そしてかつて小平という最高実力者がですね中国は当分これでいけと言った言葉があるんですね。
はいこちらです。
これ日本語にするとですねこういうことですね。
つまり爪を研いでおけ。
だけど見せるな。
さっきのパンダ状態っていうことですかね。
そうですね。
「一見かわいらしいパンダでいなさいよ」。
ということを小平が指示していたっていうことなんですね。
それを実際に現場で見たアメリカの当局者がこうやって裏付けた本を書いたと。
なるほど。
VTRでおそらくそういう戦略のことでしょう。
こういうふうに聞くとちょっと怖いなと思ってしまうんですけれどもとはいっても…。
そうなんですね。
実はね…。
という話があるんですね。
フィリピンは中国の領有権主張が国際法に違反しているとオランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所に訴えていました。
それが受理され審理が10月に始まったのです
中国はこれまで「ここはずっと中国の領海である」と。
じゃあ問題として取り上げられたことでもすごい大きな一歩ってことですか。
そうですね。
なるほど。
この裁判がどうなるかというのも注目ですね。
そうですね。
続いての写真はこちらです。
さぁ出ました。
はい。
今年11月に行われた日韓首脳会談のひとコマですけれどもこれ朴大統領の笑顔印象的ですよね。
そうですよね。
これ安倍総理大臣と朴大統領…。
ところが同じ11月韓国で朴大統領の表情を曇らせる出来事が起こってしまったんですよね。
私も知らなかったです。
ニュースになりましたか?つまり日本国内はあのパリのテロのニュースで一色だったものですからみんなも知らなかったというそういうデモがあったんですね。
11月14日ソウルの中心部で大規模なデモが発生した。
暴徒と化し大統領府を目指すデモ隊
集まったその数およそ10万人。
しかし騒動の原因は意外なものだった
韓国大規模デモから1か月後。
ソウルは再びデモ隊に占拠されていた。
その現場にいた高校の先生だ
実は連日のデモの中心にいたのはチョさんのような
今韓国では教科書をめぐって国を二分する大騒動が起きているのだ。
きっかけは今年10月。
朴大統領が突然発表したある政策だった
それは中学・高校の
8つの教科書から学校側が自由に選べるが2017年からは国が定めた1つの教科書に統一される
騒動のさなかチョさんは休日にもかかわらず自らが教える高校へ向かっていた。
この日も教科書問題について同僚たちと意見をかわす
今教育界の中心にいるのはチョさんたち40代から50代半ばまでの386世代と呼ばれる人々だ
386世代とは学生だった80年代に民主化運動の中心だった世代。
韓国内ではいわゆる左派と呼ばれ北朝鮮にも融和的な人々が多いとされる
現在韓国の教育界の半数近くがこの386世代だという。
彼らが問題とする国定教科書とはどのようなものなのか?実は今使われているある教科書が国定教科書のモデルになるといわれている
それが
他の教科書と一線を画す内容になっているという。
チョさんは教学社の教科書には行き過ぎた親日的記述があると指摘する
この教科書を執筆したのは…
彼らはこう反論する
番組では韓国の教科書を読み比べて徹底検証した。
スタジオで現在韓国でもめている2つの高校教科書。
現物ご用意しました。
まずこちら左側がほとんどの学校で使われている左派と呼ばれる教科書の一つですね。
そして右側が国定教科書のモデルになるのではないかといわれている右派。
その名もニューライトという団体が作る教科書です。
実際内容はどうなっているのか番組で調べてみました。
こちらですね。
例えばですけれどもこちら左派の教科書ですが日本の統治は…見てください。
民族抹殺統治であったという大変厳しい指摘をしていますね。
更にここを見ますと…。
これ見てください。
悪人のような日本の軍人が韓国の人たちを踏み潰すようなこんなイラストで描かれている。
ホントに日本の統治をものすごい悪として描いているというわけですね。
さあ一方ですねこちら右派の教科書はどうかといいますとこういう評価もしています。
韓国歴史教科書反日一辺倒かと思いきや…
こちら右派の教科書はどうかといいますともちろんこの日本が朝鮮半島を統治したことについては全体としてもちろん批判してるんですよ。
批判してる一方でしかしこういう評価もしています。
日本が朝鮮半島を統治していた時代人口が増えていると。
こちら見てください。
人口が増えているというグラフなってますでしょ。
なんでこんなに人口が増えたのかといいますとこちらですね。
「幼児死亡率が大きく減少した」というふうに書いてあります。
そして都市の発展というのがあります。
…といって当時のソウルの写真が掲載されている。
同じ時期なんですけどずいぶん評価が違いますでしょ。
全然違いますね。
日本に対する態度も…。
思いもそうだろうし。
じゃこの左派の教科書が現在の日本についてどう記述しているかというのを見ましょうね。
それがですねこう書いてあります。
こちら見てください。
「長期的な景気低迷を経験した日本は…」。
そんなことありました?ないよね。
「1980年代から」って書いてありますけどそもそもここ認識として間違ってますよね。
それから「君が代」と「日の丸」って日本は禁じていなかったでしょ。
だけど「日の丸」と「君が代」国旗と国歌だという法律的な根拠にそういえばないからこの年に法律を作ったわけですね。
少なすぎる。
でも池上さんどうして朴槿恵大統領は右派の教科書のほうにしようとしてるんですかね?こちらがいいと言うにはですねそれなりの理由があるんじゃないかと言われているんですね。
それはこれは朴槿恵大統領の家族写真なんですね。
お父さんである朴正煕元大統領や兄弟たちが写っているんですがこちらが母親である陸英修さんですね。
実は彼女…。
朴正煕大統領を狙ったんですがそれが奥さんに弾が当たってしまったんですね。
これ実は朴大統領は国のために犠牲になった母親の名誉を教科書に載せたいという思いで…。
更にですねこちらがですね朴正煕元大統領ですね。
左派の教科書ではですね軍事政権で民主化を弾圧した独裁者という面が強調されているんですね。
一方右派の教科書では…。
彼が日韓基本条約を交わして…。
でもどっちも事実ですからね。
そのとおりですね。
独裁者であったのも間違いないですよね。
ただやっぱりということなんですけれどもでも必ずしもそれだけでもないんじゃないかということもあるんですね。
先日さあ今年の一枚次の写真です。
はいこれはですね世界に衝撃を与えた写真です。
これこの『未来世紀ジパング』ではですねその写真を今からあえて画像加工をしないで皆さんにご覧いただこうと思うんです。
非常に悲惨だった…この悲惨な写真だから世界が動いたというわけです。
それがこちらです。
これですね。
難民問題の流れを変えた一枚です。
こちら海辺で亡くなっているのはアイラン君3歳ですね。
シリアから一家でヨーロッパを目指してボートで地中海を渡っている途中船が転覆してしまってトルコの海岸に打ち上げられたその写真です。
この一枚の写真によってヨーロッパの首脳たちが動いたんです。
ドイツのメルケル首相は写真が公開されると多くの難民を受け入れる用意があると宣言しました。
また…
まさにこの写真で世界が動いたということは間違いないですよね。
さあ今難民を取り巻く環境はどうなっているのか。
その変化の現場に密着しました。
ヨーロッパの中央にあるスロベニア。
その国境沿いにリゴンツェという小さな村がある
美しい村コンテストで常連の静かな村だ
そんな村が突如一変した
村人に話を聞いてみた
予期せぬ事態…
スロベニア人口176人の美しい村が今年10月突如一変した
難民が大量にこの村に流れ込んできたのだ
隣国のクロアチアからやってきた難民たち。
村の畑の中を歩き空き地でたき火や野宿をしたという
シリアの人たち難民ですよね。
やっぱりヨーロッパを目指す。
とりわけヨーロッパでもドイツですと受け入れ態勢が非常に充実している。
どうせならドイツに行きたいと思うわけですね。
じゃあどうやって行くのか。
そこでこの地図の部分を拡大してみましょう。
こちらです。
大勢の難民たちはセルビアからハンガリーを経由してオーストリアに入ればここから鉄道ですぐにドイツに入れるんですね。
ですから大勢の難民がハンガリーに押し寄せてきた。
ところがハンガリーこんなに難民が来たら大変だというので9月に国境を閉鎖したんですね。
となるとセルビアからハンガリーに行けなくなったのでじゃあクロアチアからスロベニアを経由してオーストリアに入ればこっちに行けるというわけでその結果本来これまで考えてもいなかったスロベニアに大勢の難民が来てスロベニアがびっくり仰天した。
今でも混乱は続いているのか。
空き地に行ってみると難民たちの姿は見当たらない。
あるのは彼らが残していったゴミだけ。
クロアチアとの国境沿いを見てみると真新しいフェンスが設置されていた。
難民の流入を防ぐため…
難民たちはどこへ行ったのか。
村から走ること5分。
街道沿いにいくつもの白いテントが見えてきた。
なにやらものものしい雰囲気。
武器を持った国境警備隊だ。
更に警察官の姿も。
テントの中を覗くと…。
たくさんの人が集まっていた
国境を勝手に越えてこないようクロアチアからの難民は列車で運ばれるという。
ここはスロベニア政府が用意した難民たちの待機所。
外には出られない。
ドイツを目指しているというイラク人男性。
持ち物は国に捨ててきた
中には何が入っているんですか?
と突然テントの中が騒がしくなった。
人々が荷物を手に取り動き出す
そして30分後今度は本当にバスが来た。
混乱もなく全員が乗車。
向かうはお隣の国何台ものバスが連なり走る。
難民の大移動。
移動中に睡眠をとりながら150kmを進む
難民たちはオーストリアとの国境手前で降ろされた。
スロベニアの滞在時間は1日に満たない。
歩いて
しかし何の検査もない
しかもそこにはあるものが用意されていた
オーストリア人ボランティアによる炊き出し。
その中身は中東から来た難民向けにスパイスたっぷりのシチュー
5時間後のバスが迎えに来た。
今度はオーストリア軍に誘導され再びバスに乗り込んでいく
特別に同行することが許された
バスは次の場所へとひた走る。
車中で唯一英語が通じる人を見つけた
走りだして2時間バスはサービスエリアへ。
休憩時間もとってくれる。
ケマルさんもひと休み
故郷シリアでの話を聞いてみた
更にバスで走ること2時間
指示に従っていればドイツに連れて行ってくれるようだ
オーストリアでは難民たちのために宿泊場所まで用意されていた
その一角に人だかりが
なんと難民相手にスマートフォンを売っていた。
更にSIMカードも。
実は彼らにとってスマートフォンは貴重な現金を払ってでも手に入れたい必需品
先にドイツに向かった人や故郷に残してきた人と連絡を取り情報を共有するのだ。
こちらではおじいさんも必至に充電
ケマルさんの姿も
すでにボートで海を渡ったケマルさん。
そんな友人に勧めたのがこのサイトだ
更に海を渡るのに欠かせないのが
こちらがその密入国業者のページ
彼にはそこまでして叶えたい夢があった
スロベニアを出て3日目の朝
心なしか人々の表情が明るい
この日いよいよゴールに近づくのだ
そんななかケマルさんはある決心をしていた
ケマルさんなぜ計画を変えてしまったのか?
バスが到着したようだ。
最終目的地へと出発だ。
難民たちの足取りは軽やか
ドイツとの国境まではあとは2時間。
こちらはシリアから来た
船の上で手助けした親子と一緒だ
そして辺りは一面銀世界に
ついにドイツとの国境へ!
スロベニアからわずか3日だ。
しかし取材班はここで意外な人物に出会った!
ケマルさんだオーストリアに残ったはずでは!?
ケマルさんもドイツへ国境越え
シリアからはるばる3,000キロ。
こんな光景が毎日繰り返されているのだ
今の状況を見ると坂下さん至れり尽くせりというか食事も出て…。
食事もねあんなに3食しっかり食べられたりとか…。
充電もね。
充電も…スマホを買って充電したりだとか…。
難民の流れ止めることってできるんですか?まぁ今のままだととてもできないということですよね。
これでもこれだけさぁそうなりますとそれがこちら『服従』というタイトルの本なんですが。
こちらもですね4コマ漫画でご紹介していただきたいと思います。
その衝撃の内容とは
それがこちら『服従』というタイトルの本なんですが。
フランス人の作家が書いて今フランスでベストセラーになった…。
こちらもですね4コマ漫画でご紹介していただきたいと思います。
これはね2022年のフランス大統領選挙でこんなことがあるかもしれないということなんですね。
第1党がマリーヌ・ルペン党首の国民戦線。
極右ですねこれ実在の人物ですね。
マリーヌ・ルペン党首なんですけれどもパリ同時多発テロを受けましてこんな発言をしているんですね。
はいで一方第2党はイスラム同胞党というムスリムの政党が第2党になった。
これ架空の政党です。
今こういう政党があるわけではありません。
でもあれだけイスラム教徒が増えれば2022年にはこういうイスラムの政党ができているかもしれない。
さぁ第1党と第2党の決選投票になりました。
そうすると第3党の社会党のオランド今の大統領ですね。
それから第4党がサルコジこれ前大統領でしょ。
どうしようかと悩むわけですね。
でもいくらなんでも極右政党に投票するわけにはいかないよな?じゃあみんなまとまってしぶしぶこちらのイスラム同胞党に投票しようかなっていうことになりました。
その結果イスラム政権が樹立をされた。
さぁ実は先日フランスでは地方選挙があったんですね。
どうなったかというとですねさぁ見てください。
第1回の投票で13選挙区のうち6選挙区でこのマリーヌ・ルペン党首率いる国民戦線が第1党になったんですよ。
キャーキャーでしたね。
さぁで決選投票です。
さぁどうするのか?このオランドサルコジ2人ともマリーヌ・ルペンにするわけにはいかないよねってお互い選挙協力をした結果!すべての選挙区で国民戦線は敗北をした。
阻止したわけですね。
阻止しましたではないですねもちろんこれは…。
で実はですねここに出ているこのイスラーム同胞党というのはもちろん架空の党なんですが…。
もうすぐですね。
再来年ですね。
ないないない…。
今はフィクションだけどこれから先はだって…。
わかんないですよね。
つまりさぁ世界を動かした1枚。
最後は世界の問題どう解決すればいいのか?という写真ですこちら!出てまいりましたこの1枚の写真です。
はいこれ11月にトルコで行われたG20でのひとこまなんですね。
それまで対立が目立っていました左側アメリカのオバマ大統領と右側プーチン大統領がパリでの同時多発テロを受けてさぁどうするかってことを話し合っているんですけれども鈴木さんこういうこれホテルのロビーなんですけどこういうのじゃなくて大きくてちゃんと立派な…。
でその一方でじゃあこんな写真がありますひっくり返しますとこれ先日北京の天安門広場で行われた抗日戦争勝利軍事パレード。
つまり日本に戦争で勝ったパレードですよね?でここに中国の習近平国家主席それからロシアのプーチン大統領韓国の朴槿恵大統領そして潘基文国連事務総長がいる…。
国連のトップがここにいる。
これすごい違和感を覚えたんですけど国連のトップがここにいていいのかって思っちゃいますよね。
そこですね。
国連国際連合。
「国際の平和と安全を維持すること」ということで1945年につくられたわけですよね。
これこのシンボルマークどこか特定の国を中心にしないで北極から見た世界地図。
そしてそのまわりは平和の象徴のオリーブの葉というわけですね。
そしてこの英語名はUnitedNations.さぁパックンUnitedNationsと言いますと?まぁ直訳すればで日本がそのあとここに参加することになるわけでしょ。
そうすると日本と戦った相手側に入るときに敵のグループに入るっていうのはまずいだろというので同じUnitedNationsなんですけどこれを国際連合と訳し直したんですね。
さぁでは国連今どうなっているんでしょうか。
私が取材に行ってきました。
アメリカニューヨーク。
マンハッタンのタイムズスクエアから10分ほどのところに目的の場所がある
あっ見えてきました。
39階建てのビルに6,300人の職員が勤める
ジャマイカがあってその奥日本の国旗を見つけました。
日本の国旗がここに掲げられたのは1956年のこと
当時80番目の加盟国となり国際社会へ悲願の復帰を果たしたのだ。
早速その国連本部の中へ
そしてこちらには銃ですかね?モニュメントがありますけれども。
あっこれ銃口が縛られているんですよね。
国連本部実は意外なあっあそこなんか列ができているんですけれども何の列なんでしょうかね?なんか皆さんパスポート片手に並んでますね。
日本の方ですか?はい。
パスポートなんで持って並んでるんですか?
秋元も早速並んでみる
ビザのところに押してもらいました。
パスポートに勝手にスタンプを押すのは禁止だが国連は別格。
更に観光客に人気なのがギフトショップ
わっネクタイがありましたよ。
でもこれよく見ると国連のマークが入ってますね。
どの商品を見てもさすが。
国連のマーク入り
設立70周年を迎えこんなメッセージのマウスパッドも
これらの土産物ちょっとお得なからくりが
収益はすべて国連の活動にあてられる
今回は更に
案内してくれるのはそうですね。
田さんはこれまでの8人の事務総長のうちそうですね。
そしてニュースで見るあの現場へ
こういうふうになってるんですね。
ここが日本の席ですねJAPANって書いてあります。
そうですね。
更に各国の外交官が慌ただしく入っていく現場があった。
こちらはニュージーランドの国連大使。
これからあの重要会議が開かれるのだ
セキュリティーカウンシル。
ここは安全保障理事会の会議場ですね。
国連安全保障理事会通称安保理
安保理は
構成される。
この日はテロなどの脅威から若者を守る対策の審議
(拍手)
設立から70年を迎えた国連。
安保理を中心にさまざまな世界紛争の解決に貢献してきた
1956年スエズ動乱
国連軍を送り停戦を実現した
ところが2003年安保理はその存在意義を問われる事態に
イラクの大量破壊兵器保有問題でアメリカ・イギリスとフランス・ロシアが対立
強攻策に打って出た
当時のアナン国連事務総長はこれを厳しく非難
そして最近では…
シリアの非難決議をめぐって
安保理が機能しないなかシリアの混迷は深まった。
ようやく先日12月18日安保理はシリアの和平を目指す決議の採択にこぎつけた。
しかし米ロが対立する最大の争点アサド政権の扱いについては棚上げという結果に。
職員の人たちは国連の現状をどう見ているのだろうか?
失礼します。
こんにちは。
どうぞいらっしゃい。
よろしくお願いします。
テレビ東京の秋元と申します。
出迎えてくれたのは
潘基文事務総長の隣に写る高須さん
国連の存在意義っていうのはどんなふうに感じられますか?腐ってるわけじゃないんだけども。
1か国だけでも拒否したらもうそれでジャッてなってしまうようなですねあの体制何か変わらないといけないのかなとか。
となると気になるのはどうしてもそれ知りたくなりますよね。
ではこちらをご覧ください。
こちらはですね国連を運営するために各国が出しているお金分担金の額なんですけれども…。
常任理事国よりもはるかに分担金は多い。
ですがさぁ十分に力を発揮していないということですね。
その1つはこういうこともあるんじゃないかと。
国連の職員の数なんですけれどもこちらは日本は7位の83人。
もう中国にも抜かされてしまう…。
職員の数っていうのも発言力とかに関係あるんですか?もちろんね国連の職員というのは。
だから出身国の利益のためではなくそうなんですよね。
もうすぐ中国に追い抜かれそうじゃないですか。
ですが常任理事国は5か国ですがそれ以外非常任理事国が10カ国ありましてこれが任期2年で今年日本がこの非常任理事国に当選をしました。
ですから来年から2年間は非常任理事国となって安全保障理事会で何かやるときに非常任理事国になるのは日本が世界のなかでいちばん多いですよね。
それだけ尊敬されてるっていうのもわかりますよね。
ぜひ活かしてほしいですよね。
さあ今年の世界の激動を見てきましたけれども年末最後ということで池上さんが来年注目するポイントを教えていただけますか?キャ〜!!トランプ…しかもジョーカーになってますね。
まさに。
パックンさんいかがですか?キャ〜!!ってな感じですけどまあキャ〜!!と思ってるのはアメリカの過半数なんでたぶんならないとは思うんですけどこれでまた世界がこの人の動きに来年も注目ということになります。
出来事としてはですねこれに注目をしています。
出来事としてはですねこれに注目をしています。
9年ぶりの日本開催。
最近中国に押され気味な印象がどうしてもあるのでやっぱりアジアには日本がいるっていうところをね見せてほしいですけどね。
そうですね。
国連の場でも非常任理事国になるわけですし更に難民問題でさあ日本がどのような貢献ができるのかということもおそらく来年問われるでしょうね。
来年1年になるのではないかと思います。
ということで来年も「ジパング」は世界の沸騰現場を伝えていきます。
光った。
ということで来年もよろしくお願いします。
2015/12/21(月) 21:30〜23:18
テレビ大阪1
未来世紀ジパング【池上彰が徹底解説SP!『世界を動かした1枚の写真』】[字][デ]

ジパング年末スペシャルは、2015年を象徴する“あの写真”の現場の今を取材。池上彰が写真の裏側にある事実について徹底解説する。

詳細情報
番組内容
今年、世界は激動した…。ジパング年末スペシャルは、2015年を象徴する
“あの写真”の現場の今を取材、池上彰が写真の裏側にある事実について徹底解説する。
出演者
【メーンMC】
SHELLY
【進行役】
秋元玲奈(テレビ東京アナウンサー)
【沸騰ナビゲーター】
池上彰(ジャーナリスト)
【ゲスト】
パックン、坂下千里子、田山涼成、鈴木ちなみ

関連情報
【公式ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/
【公式Twitter】
https://twitter.com/miraiseiki_zipa
【公式Facebook】
https://www.facebook.com/miraiseikizipangu

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 海外・国際

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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