(パトカーのサイレン)
(亀山薫)右京さん!焼き芋1個どうすか?
(杉下右京)いえ夕食前ですので結構。
え?持ってるだけでも温かいっすよ。
なるほど。
ね?あ…。
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)こんな事やってましたよ。
どうぞ。
杉下です。
現場はどちらでしょう?
(パトカーのサイレン)
(伊丹憲一)なんで特命がいんだよ…!失礼。
見かけたものですから。
ちょ…ちょっと!このイモ!誰がイモだよ!?いやいやこの芋。
はい差し入れ。
ちょっと…!
(芹沢慶二)すいません!もらってんじゃねぇ!お前。
なんだか…すげぇなこりゃ。
これじゃあ仮に物盗りでも何盗まれたかわかんないんじゃないすかね。
(米沢守)どうも。
(三浦信輔)また今回はお早い登場で警部殿。
被害者はこちらの奥様ですか?あなたに話す義務はありませんね。
(米沢)この家の主婦五島香苗さんです。
絞殺…ですよね?死んだのは今日の午後5時から7時の間のようです。
玄関の鍵は閉まっていたようです。
ただあのガラス戸が…。
開いていた?
(米沢)ええ第一発見者の話だと。
どなたですか?この家のご主人です。
おぉ…。
ご主人の趣味ですかね?鉄道マニア。
これね…こういうの。
駅のねこれ…どう…どこで手に入れ…あれ?警部殿現場には手を触れないで頂きたい。
失礼。
ご主人は?聴取中ですよ。
隣の部屋で。
亡くなってる奥さんを見てすぐに通報されたんですね?よろしいですか?聴取中ですよ警部殿!1つだけ。
風邪ですか?はぁ!?風邪をひいてらっしゃいますか?
(五島秀宣)あぁ…はい。
家内が。
奥様でしたか。
一昨日からずっと…。
(咳払い)もうよろしいでしょ?もう1つだけ。
お宅にペットは?ペット!?いいえ。
どうも。
(2人)どうも。
マスクに付いていた毛の正体はチンチラでした。
チンチラ?ウサギのような小動物ですねぇ。
では犯人はチンチラ。
冗談ですか?もちろん冗談です。
毛皮ですよね?被害者の首の回りからも鼻の中からもチンチラの毛が見つかっていますが現場に毛皮類はありませんでした。
じゃあ首を絞めた凶器はチンチラの毛皮で犯人がそれを持ち去ったって事ですかね?あるいは毛皮を着た犯人に襲われた。
毛皮を着た強盗…。
山賊を想像してますか?あ…すんません!どうぞ。
被害者宅には現金も通帳も手つかずで残されてました。
じゃあ強盗の線はないんすかね。
盗られるものは現金や預金通帳だけとは限りませんよ。
あ?でっけぇ家っすねぇ。
(チャイム)
(竹下弥生)はい。
あ…。
警視庁特命係の杉下と申します。
亀山です。
あの…。
どうぞ。
五島さんの事でしょう?えぇこちらによくいらしていたとか。
五島さんの旦那さんに聞いたんすけども。
ちょうど今お話していたところなの。
どうぞこちらへ。
失礼します!失礼します。
…すっげぇ!
(相馬弘美)本当の刑事さんって初めてお会いしました。
(山路悦子)こうやっていろんな人に話を伺うのが「聞き込み」っていうんですか?あぁまぁそうすかねぇ。
ドラマに出てくる刑事さんしか知らないから。
皆さんもっと派手なイメージをお持ちなんでしょうけどね。
バキュバキューン!とかドカーン!とかね。
実際は聞き込みなんかしながら歩き回るのが刑事ですかねぇ…。
よろしかったらご一緒に。
あ…どうぞ。
では。
あ…すいません。
失礼いたします。
ねぇ!恐れ入ります。
これは素晴らしい!え?カップの柄と同じお花なんですねぇ。
あらぁ!初めてお気づきになった方。
細かい事が気になるたちでして。
この人の悪いクセ。
(一同笑い)えっと…皆さんは…。
皆さんお友達。
私たち竹下先生からセレブの心得を学んでいるんです。
もう先生だなんてよしてちょうだい!ただ昔母に教えてもらった事を皆さんにお話してるだけよ。
そのお母様が…こちらですね?えぇもう亡くなって…5年になるかしら。
そのブローチ。
え?お母様の形見ですね?なぜ?ほんとよく気の付かれる方。
あぁそれからあのお帽子も。
やださつきちゃんかわいい!さつきまたクローゼットから〜!んもう…。
(竹下さつき)だってくれるって言ったじゃない。
それはもっと大きくなってから。
ほらお客様なのよ。
ご挨拶は?こんにちは!いいわねぇああやって祖母から母へ母から娘へって。
いいものはそうやって受け継がれていくのよねぇ。
(仁科世理子)そういう事もここで勉強させてもらわないとねぇ。
あら!受け継ぐものなんかないくせに!まぁ!アハハハ…。
五島香苗さんも皆さんとよくこちらへ?五島さんは…去年から。
連れてきたの…仁科さんよねぇ?えぇ…まぁ。
香苗さんはどんな方だったんですかね?ではごきげんよう。
失礼いたします。
お気を付けて。
長々とお邪魔しました。
いいえ。
お役に立てたかしら?私たち。
大変参考になりました。
あの…こんな事伺っていいのか…。
なんでしょう?なんで五島さんは殺されたのかしら。
それはまぁ今調べてるわけでして。
ニュースでは確か絞殺だって…。
えぇまぁ…そうなんですけどね。
犯人必ず捕まえてくださいね!えぇ必ず。
失礼します。
仁科さん。
なんでしょうか?少しよろしいでしょうか?あの…私…今から子供の迎えが。
おじさん刑事さんなの?うんそうだよ!刑事さんってなぁに?デカレンジャー!じゃあ変身してみてよ!子供たちの前では変身出来ないのだ!
(2人)やってやって〜!ダメなのだ!もうやめなさい。
ほら先に家に入ってて。
すいません…。
いいえ。
あの…中でお茶でもいかがですか?そうですか?じゃあ遠慮なく。
お邪魔します!どうぞ。
失礼します!
(模型の走行音)刑事さんってもっと怖い方ばかりかと思ってました。
いろいろなタイプがいます。
そう奥様たちと同じですよ。
は?今日の集まりにいらしてた方が皆さん同じというわけではありませんよね。
えぇ…。
あの中でセレブは竹下さんだけです。
セレブ…ですか。
お嬢様育ちとかお金持ちとかそういう事ですかね?それ以前に竹下さんは元々の環境が違うんです。
俺から見たら…あなたも十分セレブですよ。
とんでもない…!毎日子育てに追われてるただの主婦です。
竹下さんにいろいろ教わってもそれを実践する余裕なんて全然。
じゃあどうしてあの集まりに…。
それは…現実を忘れられるというか竹下さんといるだけで自分もセレブのような気分になれて…。
こういうの男性にはわからないかもしれませんけど。
五島さんを竹下さんに紹介したのはあなたですよね?私は…あの…五島さんとはフリーマーケットで知り合っただけで。
フリーマーケットで?えぇ。
近所の広場で開かれる…。
そこで少し話すようになって。
でもそれほど親しくは…。
そうですか。
触っちゃダメ!だって!おい!電車好きか?ちょっと失礼。
デゴイチですねぇ。
すごい!知ってんじゃん!さすがデカレンジャー!へぇ〜!ほら!おっ!これはすごい!デゴイチのプレートですよ。
え?あ〜重い重い!これ本物すかね?そのようですねぇ。
へぇ〜!あ〜ちょっと!ねぇ!これはダメって言ったでしょ!?壊したらどうするの?九谷焼の一輪挿しですか?えぇ。
失礼。
しかも…年代物とお見受けしました。
竹下さんに頂いたもので。
竹下さんに?えぇ昔おじい様が大使を務めていた頃のものだとか。
あのお宅にはそういうものがさりげなく置いてあって。
そういうものをくれちゃうわけですか?とても気前がいいんです竹下さん。
いやさすがはセレブですねぇ。
まぁでも…私がよほど物欲しそうな顔してたのかもしれませんけど…。
あぁでももちろん「あげるわ」と言われて全部をもらったりはしませんよ。
つまり全部もらうような人もいた?まぁ…。
亡くなった人の悪口は言いたくないですけど。
って事は五島香苗さん?
(五島香苗)あらぁ!素敵ねぇそのネックレス。
フランスのノミの市で主人に買ってもらったの。
いいわぁ〜!私もそういうのが欲しいけど…やっぱりフランスに行かないと買えないわよね?あら…そんなつもりで言ったんじゃ…。
あなたがしたほうが似合うと思うの…。
どうかしら?ね?皆さん!似合うわぁ!そんな悪いわ〜いいのかしら?彼女竹下さんの厚意に甘えきってて…。
(米沢)昨日お預かりしたものの分析結果が出ました。
チンチラではなかったようですねぇ。
えぇ。
ところでこのサンプルはどこから採取したんですか?それは知らないほうがいいでしょう。
つまり正式な手続きを踏んでいない。
そうですか…でしたら私は何も知らないという事で。
恐れ入ります。
どうも。
どうも。
右京さんの言ったとおりでした。
話してくれましたか?えぇ1人ずつ訪ねたら結構しゃべってくれましてね。
殺された五島さんも竹下さんからいろんなものをもらってたみたいですよ。
っていうかもらいすぎです。
もらいすぎ?奥様たちが覚えてるだけでもこれだけのものをもらってました。
もらいすぎというよりこれはあげすぎですねぇ。
(角田六郎)おい暇か?忙しいです。
コーヒーはそこ。
おいおい人の顔見た途端コーヒーってさ…。
飲まないんですか?飲むけどね。
そう条件反射で言われるとな。
おい!あ…饅頭ですか?コーヒーのお供に。
饅頭ですか?知らないの?合うんだよ。
合いますかねぇ?すみませんね気を使って頂いて。
そうそう警部殿はわかってくれるよな。
これでもね気使ってんだよ毎日。
絶対裏があるな。
ないって!いやいつも悪いなぁ…コーヒーご馳走になってばっかじゃなぁそう思っての感謝饅頭だよ!なるほどあげる立場よりもらう立場のほうがいろいろと考えてしまうものかもしれませんねぇ。
(角田)そうそう考えてしまうもんなんだねぇ。
絶対裏あるな。
(鳥のさえずり)刑事さん…!昨日はありがとうございました。
お出掛けですか?娘をバレエ教室へ迎えに。
我々もご一緒してよろしいでしょうか?は?ところでその毛皮。
はい?チンチラでしょうか?いいえミンクです。
ミンクですか…。
この毛皮が何か?とても温かそうですねぇ。
でも古いのよ。
お母様から譲り受けたものですか。
えぇ。
やはり代々受け継がれているんですねぇ。
私のお気に入りなの。
だからこのコートばかり…。
他の毛皮はお召しにならないんですか?毛皮はこれ1枚だけ。
1枚だけ。
ではコート以外の毛皮はお持ちでらっしゃる?いえ毛皮はこのコートだけです。
そうですか。
だからこのとおり毛並みもくたびれてしまって…。
とてもお似合いですよ。
私も欲しいわ。
え?五島さんならばそうおっしゃったでしょうねぇ。
五島さんはあなたのものをなんでも欲しがったそうですね。
そしてあなたは言われるままに彼女にあげていた。
どうしてですか?どうしてって…彼女が欲しいとおっしゃるから。
欲しいと言われると断れませんか。
えぇ。
それは何か理由でも?理由なんて別に…。
では僕にも頂けませんか?そのコート僕にもください!申し訳ない…試すような事を言って。
すみません。
やだ〜!や〜だ!ユカ泣かないの。
買ってあげるから同じようなの。
こんにちは。
どうなさいました?どうしたの?ほらわがまま言わないの。
これはさつきちゃんのでしょ。
さつきこのポーチユカちゃんにあげなさい。
え?そんな竹下さんよして。
よろしいんですの。
ものに執着したらいけないといつも言ってるでしょ?はい。
どうぞ。
いいんですか?ええよろしいんですの。
どうぞ。
帰りましょ。
ごきげんよう。
あ竹下さん!ありがとうございました。
ほらユカもちゃんとお礼を…。
こんにちは。
こんにちは。
どうしたの?これ預かって。
これ…ママのでしょ。
さつきのになるの。
でも今はまだママのだよね。
だってママなんでもあげちゃうもん。
預かって。
お預かりしましょう。
(宮部たまき)なんでもくれるんですか?ええもうポンポンと。
庶民の俺には理解不能ですよ。
旦那様はどう思ってるんですか?ん〜どうなんすかね。
まぁ今は外交官してて海外にいるらしいですけどね。
まるで『幸せの王子』ね。
『幸せの王子』?貧しい人々に自分の持ってるものなんでもあげてしまうっていう童話。
あぁ。
しかしもらう方はどういう気持ちだったのでしょう。
もらう方?特に亡くなった五島さんはいろいろもらっていたようですからねぇ。
ええ。
そもそも竹下さんにもらったものを五島さんはどうしていたのでしょうか?まぁせっかくもらったんすから大切にしてたんじゃないすか?あの家で…ですか?あぁまぁねぇ…。
もらう側とあげる側。
どちらの気持ちもよく見えませんねぇ。
見えませんね。
はいこれ私からお2人に。
お。
わ〜牡蠣ご飯。
牡蠣はね脳の働きをよくするんですって。
考え込んでるお2人にピッタリかなと思って。
では早速いただきましょう。
いただきます。
うんうまい。
うん。
ご苦労様。
(チャイム)
(秀宣)「はい」あ警察です。
奥様の事でちょっとお話伺えますか?鉄道がお好きなんですね。
えっ?…はい。
あどうでしょうね?うちの家内がこんなにいろんなものを頂戴してたんですね。
ええ。
このヘレンドのシュガーポットってのはありますかね?ヘレンド?あ俺もよくわかんないんすけど陶器の砂糖入れみたいですよ。
さあ私は見た事ないですけど…。
このバカラの花瓶はどっかに飾ってありませんでした?飾るも何も…こんな散らかった家ですから…。
他のもので何か…。
さあ…。
毛皮の襟巻きは?毛皮?そんな…うちのが毛皮だなん…。
あ…。
あったんですか?そういえばしてましたあいつ。
今どちらに?わかりません…。
(世理子)フリーマーケットですか?おっしゃいましたよね。
五島香苗さんとはそこで知り合ったって。
ええ。
そこで彼女何売ってましたかね?何って…。
例えば竹下さんからもらったもの。
そうなんですね?これもこれもみんな竹下さんがあなたにくれたものじゃない!もらったもんどうしようが私の勝手でしょ?私の立場も考えてよ。
あなたを竹下さんに紹介したのは私なのよ。
あこの時計あなた買わない?私が竹下さんにもらってる時羨ましそうな顔してたじゃない。
はい。
(笑い)
(世理子)後悔しました。
彼女を竹下さんに紹介した事を。
だから私その事を竹下さんに話して…。
お話しになった?そんな人を紹介したのは私ですから謝りました。
ところでフリーマーケットで毛皮の襟巻きは売ってましたか?チンチラの。
さあそれは知りませんけど…。
行きますか?はい。
行きましょう!連日申し訳ありません。
(弥生)なんでしょうか?今日はですねあなたの毛皮を見せて頂きたくて参りました。
毛皮?毛皮。
恐れ入ります。
あ〜…これじゃなくて他にもありますよね毛皮。
昨日もお話したでしょ?手元にあるのはこれだけよ。
確かにそうおっしゃいましたね。
ではこれはどちらに?この襟巻きを拝見出来ませんか?それは…なくしてしまったわ。
お母様の形見をですか?ええうっかりしてたの。
このブローチも毛皮のコートも大切になさっていたあなたがこの…襟巻きだけなくしてしまった?ええ。
あげてしまいましたか?五島さんに。
欲しいと言われたら断らない。
それがあなたですからねぇ。
それは…。
ところがあなたからもらったものを五島さんはフリーマーケットで売りさばいていた。
ご存知でしょ?あげたものどうしようが彼女の自由じゃないですか。
それで納得出来るんですか?それがお母様の形見でも。
そういえば最近五島さんも毛皮の襟巻きしてたみたいですよご主人に聞いたんですけど。
それが私のものだと?ええそれがチンチラであれば。
チンチラ?お持ちですよね?チンチラの襟巻き。
いいえ。
おかしいですね。
亀山君。
はい。
あなたのものですよね?ええ。
でもどうしてこれがあなたたちに?お嬢様からお預かりしました。
また勝手に私のクローゼットから持ち出したのね。
叱らないであげてください。
お嬢様は本当にこの帽子がお好きなようですよ。
こんなもの持ち出してどういうおつもり?この帽子に今あなたがお持ちでないとおっしゃった毛皮の毛が付着していたんです。
なぜでしょうね?そんな…。
ええチンチラの毛なんです。
しかもその同じ毛が殺された五島さんの首筋にも付いてたんですよ。
クローゼットを拝見してもよろしいですか?もう隠せないですね。
はい。
だってあげないわけにはいかないもの。
欲しいって言われたら…。
あげたくなんてなかった。
どうしてそこまで…。
消しゴム…。
消しゴム?友達が私の消しゴムを欲しいと言って…。
これちょうだい。
いや。
(弥生)でも私はあげなかった。
消しゴムなんてたくさん持ってたのに…。
それからすぐに…消しゴムを万引きして学校に通報されて…。
でもだからってそれはあなたのせいじゃないでしょ。
自殺したのよ!それをあなたはずっと後悔して…。
私のせいだもの…。
なるほどだからあなたは人から欲しいと言われると拒めない。
それがどんなにつらくても。
しかしある意味では五島さんもつらかったのかもしれませんねぇ。
え…?五島さんの顔が物欲しそうに見えたんじゃありませんか?仁科さんがそうおっしゃっていました。
もしそうであるのならばもらう方も傷ついていたかもしれません。
そんな…。
ええ。
ああた…。
あなたは過去の経験から人に欲しいと言われれば断れない。
しかしその事情を知らない五島さんはあなたの厚意でプライドが傷ついたかもしれません。
もちろんあなたへのコンプレックスや妬みもあったのでしょう。
そしてその結果なんでも気前良くものをくれるあなたに意地悪がしたくなったのかもしれません。
だからこそむやみにあなたのものを欲しがってみせた。
(香苗)そう。
お母様の形見。
やっぱりいいものは違うわね。
欲しいなぁ。
(弥生)あげたものどうしようが彼女の自由です。
それは本心です。
でもそれは大切に使ってくれると思うから。
しかしそうではなかった。
彼女はそれを売っていた。
耐えられませんよねぇ。
特にお母様の形見の襟巻きだけは。
それで五島さんのところに行ったんですね?
(チャイム)
(チャイム)帰ったかと思った。
勝手に庭に回り込んで…何?私今日風邪引いてて。
返してちょうだい。
え?その襟巻き。
ああこれ?あったかくていいわ。
さすがいいものは違うわね。
まだ売ってなかったのね。
あーら知ってたの。
その襟巻きだけ返してくれたらあとは何も言わないわ。
ふーん。
じゃあ幾ら出す?え?これ買ってよ。
あなた何言って…。
だってもう私のものだもの。
欲しいならお金払って!どうして?あなたどうしてそんな…!私はねあなたみたいな人種が嫌いなの。
あなただってほんとはこっちを見下してるんでしょ?そんな!最初にくれた時計覚えてる?私がちょっと褒めたらまるで恵んでやると言わんばかりの顔して嬉しそうに…。
だからもらってやったのよ!あ〜あ。
ほらもう帰って。
熱があってだるいのよ。
ちょっと…!返して!やだ何すんのよ!?返して!返して!!お願い返してよー!お願いだから返して…!ああっ!
(弥生)返して…お願い返してよ。
お願い返して…!ああ…。
殺す気だったんですか?わかりません。
わからない。
ただ…彼女が憎いと思いましたあの時。
絞めた手を緩める気にはなれませんでした。
処分出来ませんでしたか。
母の形見ですから。
形見といってもただのものなのに。
ものに執着してはいけない。
すれば悲劇が起きる。
わかってた事なのに…。
では行きましょうか。
はい。
準備して頂けますか?亀山君竹下さんには後で出頭してもらいましょう。
え?我々には真犯人が待っています。
え?この襟巻きは凶器としては太すぎますからね。
五島さんのマスクの上にこれが覆いかぶさって一時的に窒息状態になった事は事実でしょう。
しかし首に残っていた絞殺痕とは一致しません。
右京さん…!
(世理子)あの…まだ何か?今度は息子さんにお願いがありまして。
デカレンジャー!デカレンジャー!!
(秀宣)どうぞ。
あの今日は一体?これを見て頂けますか?あ!あぁ…。
ご主人のものですね。
これどこに?奥さんの友達の家にあったんですよ。
よっ…これ重いっすよねこれ。
あぁ…ピッタリですね。
お買いになったそうですよ奥様から。
それも300円で。
300円!?奥さんがそれでいいと言ったそうですよ。
冗談じゃない。
これは本物ですよ!オークションに出せば100万以上はするんです!だから殺しましたか?まさかそんな事で…。
ええそんな事で。
妻は私が帰宅した時はもう死んでたんです。
一時的に気を失っていただけじゃありませんか?違います!死んでたんです!!そうでしょうか?意識を取り戻した奥様は竹下さんに何をされたのかあなたにお話になったんじゃありませんかねぇ。
何を言ってるんですか?首を絞めて奥様を殺害したあとあなたは再び仕事に戻り時間を見計らってもう一度帰宅した。
そして第一発見者を装ったんですよ。
証拠でもあるんですか?奥さんは紐状のもので首を絞められてました。
凶器はこれです。
事件の夜あなたが締めていたネクタイです。
鉄道職員用のコレクターズアイテムですがそれをなぜかあの夜あなたは締めていました。
会社にそんな大切なネクタイをしていくとは僕にはどうしても思えないんですよ。
これを締めていたのは殺したあと処分に困ったからじゃないっすかね?亀山君。
はい。
元に戻すにもこのように形が変形してしまい他のネクタイとは明らかに違いますからね。
並んでたら目立っちゃいますよね。
しかしあなたはこれを処分出来なかった。
なぜならばこのネクタイはあなたにとって大切なコレクションだからです。
そして捜査が一通りすんだあとほとぼりが冷めたと思ったあなたは再びここへ戻した。
そんなのデタラメだ!デタラメかどうかは奥さんの絞殺痕とこのネクタイが合致するか鑑定して調べてみましょうか?ああそれ以前にこのネクタイから奥様の皮膚が検出されるかもしれませんね。
ですね。
亀山君。
はい。
鑑識に。
はい了解。
ちょ…ちょっと待って。
違う違う…あいついっつもいっつも俺の宝物ゴミ扱いするから!ずーっと気になっていたのですがここにあるものはほとんどが鉄道関連のグッズをはじめご主人のものばかりですね。
フリー…フリーマーケットに出すなん…ああっ…!ただいま。
おいどうしたんだよ?具合でも悪いのか?私あの女に首絞められた。
え?首絞められた?あの女に殺されかけたのよ。
あの女って…。
もとはと言えばあんたのせいよ!何言ってんだよ。
ちょっと落ち着こうよ。
触らないで!あんたのせいで私がまわりからどう思われてるかわかる?こんなゴミばっかり集めるから私まで…!やめろよ!ちょっと何すんだよ!!ああ!やめてくれよ!これは俺の大事なものだ!!ああっ!私にはただのゴミよ!おい…わかったから。
ちゃんと片付けるから。
約束するって!そんな事言って…。
やめろ…やめろそれは!今までやった事ある!?香苗!ほんとに…ほんとに今度こそちゃんと…ちゃんとする…。
おい。
ここにあったプレートは?デゴイチ。
売ったわよ。
ゴミだもの!嘘だろ?あんたもこのゴミと一緒に捨ててやるわ!あそうそう。
これ100円でも売れなかった。
そこに飾ってあったネクタイ。
よかったわねぇ。
(叫び声)
(争う声)
(香苗のうめき声)このプレートずっと…ずーっと子供の頃から欲しかった。
それ…それをあいつ…!なるほど。
ものに執着しすぎると悲劇が起きるんですね。
行きましょうか。
右京さん竹下弥生さん不起訴になりました。
今ソウイチで…。
そうですか。
いやよかったですよ。
小さな娘さんもいますしね。
そうですねぇ。
おいるねいるね。
暇だねぇ。
おい。
え?あ?ななんっすかこれ?押収した裏ビデオ。
明日までにねチェックしてリスト作っておいてくれよ。
マジっすか?饅頭食ったよね?はい。
え?じゃそういうわけで。
いやいやいや…。
饅頭食ったよね?はい。
じゃあよろしく。
あー!やっぱり裏があったよ。
タダより高いものはなしですかねぇ?亀山君。
はい。
『人妻セレブ・全部あげます』。
君先に見ますか?もういいわよもう!2015/12/21(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒season4[再][字]
「殺人セレブ」
詳細情報
◇番組内容
“警視庁一の変人”だが天才的頭脳で鋭い推理をみせる杉下右京(水谷豊)と“おひとよしな熱血刑事”亀山薫(寺脇康文)の名コンビがあらゆる難事件に挑む!
◇出演者
水谷豊、寺脇康文、野村真美、高樹沙耶(益戸育江)、川原和久、大谷亮介、山中たかシ(崇史)、六角精児 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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