有馬 朗人
促進会会長
元文部大臣
元東京大学総長
葛西 敬之
促進会発起人
JR東海名誉会長
木元 教子
促進会発起人
元原子力委員会委員
評論家・ジャーナリスト
石川 迪夫
促進会発起人
元 北海道大学教授
中村 政雄
促進会発起人
元 読売新聞論説委員
宮﨑 慶次
促進会発起人
大阪大名誉教授
秋元 勇巳
促進会発起人
三菱マテリアル株式会社名誉顧問
日本原子力文化振興財団監事


 「福島を復興しながら、原子力の安全性を確保し再利用を進めたい」

有馬 朗人


Akito Arima
「原子力の安全と利用を促進する会」会長
元文部大臣
元東京大学総長

 平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波は、我が国に未曽有の大規模災害をもたらした。既に3年近くになるが、福島県の浜通り周辺は未だ復興には程遠い状況にある。まずは福島を復興しながらもう一度原子力を見直していきたいということで、昨年11月に、全国の関係機関や同じ志の同胞が協力して「原子力の安全と利用を促進する会」を立ち上げた。
 この会のお披露目を兼ねた「第1回シンポジウム『チェルノブリに学ぶ福島の復興の促進』」へ多数の方々がご参加いただき、また会に賛同し入会していただいたことに感謝したい。その後も励ましの言葉をいただくなど、日本の原子力の現状に憂いを抱いている人達が多くいることが分り、勇気付けられている。
  
 わが国の原子力の問題を考えるには、世界あるいは地球を視野に入れていかなければならない。
 エネルギー問題で心配なのは、化石燃料はいずれ無くなるということ。それ以前に我が国のエネルギー自給率は4%で残りの96%は外国から買っているのだ。また地球温暖化の問題も忘れられているが重要だ。地表温度が4℃上昇すると人類は10億人しか住めなくなる。
 では注目されている再生可能エネルギーに解決の糸口はあるのか。ドイツは再生可能エネルギーに力を入れ10年かけて発電電力量を約2.5倍に拡大した。このことは評価すべきだが日本がドイツ並みの努力をしても10年間で総発電量の10%程度にしかならない。
 省エネはどうか。私は3年前に冷房と冷蔵庫をスパっと止めた。確かに暑い。でも氷はローソンかセブンイレブンに行けば大きな冷蔵庫があるからそこへ行く。この位やらないと日本のエネルギーは足りない。
 原子力に関しても、きちんと科学的に、技術的に、数値的に皆で議論して進めて行きたい。現在世界の人口が70億人でこれから100億にもなると言われる中で、全世界のエネルギーをどう維持していくか。この問題に直面するであろう。私は人間の英知を信じる。人間は今まで様々な問題にあってきた。氷河期、戦争、飢饉にもあったがそのたびに人間は知恵を絞って今まで伸びてきた。
  
 寺田寅彦は「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、 正当にこわがることはなかなかむつかしい」と言っている。英知を絞って科学技術を伸ばし、世界と日本のエネルギー事情を克服していくため、「原子力を正しくこわがるように説得していきたい」。皆さんの知恵とご協力を是非お願いしたい。

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