NHKニュース おはよう日本 2015.12.20


おはようございます。
12月20日日曜日朝7時になりました。
NHKニュースおはよう日本です。
ケニアのナイロビで開かれていたWTO・世界貿易機関の閣僚会合は、19日、閉幕しました。
焦点となっていた貿易の自由化交渉、ドーハ・ラウンドを続けるかどうかについて、先進国と発展途上国の主張の溝は埋まらず、共同声明で両論を併記し、今後の方向を示さないまま、終わりました。
WTOの閣僚会合は、162の国と地域が参加し、今月15日からケニアのナイロビで開かれていました。
焦点となっていたのは、2001年から14年間にわたって行われてきた、貿易自由化交渉、ドーハ・ラウンドを続けるかどうかでした。
アメリカやEU、それに日本などの先進国は、すべての加盟国が参加して包括的に合意するこの交渉を続けるのは困難だとして、事実上、終結させるべきだと主張したのに対し、発展途上国は、すべての加盟国が参加できる枠組みを残すべきだと反発していました。
会合は、当初の予定を延長して、徹夜で交渉が続けられましたが、先進国と発展途上国の主張の溝は埋まりませんでした。
結局、19日、日本時間20日の午前1時ごろに採択された共同声明では、多国間の交渉で具体的な成果を出すためには、新たなアプローチが必要だとする一方、多くの国と地域がドーハ・ラウンドを土台とした交渉を続けることを再確認したとも記され、両論を併記し、今後の方向を示さないまま、終わりました。
何も決まらないとやゆされてきたWTOのドーハ・ラウンドを、今回で終わりにしたいという先進国の野望は、実現しませんでした。
貿易交渉の十分なノウハウがない発展途上国からすると、ドーハ・ラウンドが機能しなくなれば、グローバル化の流れについていけなくなり、先進国との格差が広がってしまうという危機感がことのほか強かったからです。
しかし、TPPが大筋合意したことで、今、世界は利害や価値観が共通する仲間どうしでの連携強化という流れに傾いています。
世界が一つになって成長していこうというWTOの理念は、グローバル経済の厳しい現実を前に、また一段と色あせつつあります。
国際的なハッカー集団、アノニマスによると見られるサイバー攻撃。
各国の政府や企業のほか、最近では、過激派組織IS・イスラミックステートへの攻撃も予告しています。
こうした脅威が今、国内にも及んでいます。
ことし9月以降、国内の企業や団体などのホームページへの攻撃が、少なくとも97件に上っていることが、警察庁への取材で分かりました。
国際的なハッカー集団、アノニマス。
パリで起きた同時テロ事件を受けて、過激派組織IS・イスラミックステートに、大規模なサイバー攻撃を仕掛けると予告しました。
来年のアメリカ大統領選挙の立候補者も標的になりました。
テロ対策として、イスラム教徒の入国を禁止すべきと主張するトランプ氏が所有しているビルのホームページが、一時的に接続できなくなりました。
こうした攻撃が国内にも広がっています。
警察庁によりますと、アノニマスによると見られるサイバー攻撃が、ことし9月以降、集中的に発生。
国内の企業や団体などのホームページに、大量のデータを送りつけて通信量をあふれさせ、閲覧できなくする、DDoSと呼ばれる攻撃を行っているということです。
これまでに攻撃を受けたのは、成田空港や中部空港。
水族館など、イルカやクジラの捕獲に関係する団体。
今月10日には、安倍総理大臣の公式サイトが、一時、閲覧できない状態になりました。
アノニマスを名乗る人物が、ツイッター上に攻撃を行ったという書き込みをしたのは、今月17日までで少なくとも97件に上っているということです。
警察庁は、通信記録を分析する資機材を増やして、発信元の特定を進めるなど、情報収集を進めています。
また、来年、三重県で開催されるサミット・主要国首脳会議、伊勢志摩サミットに向け、注目を集めようと、さらにサイバー攻撃が増えるおそれがあるとして、ホームページの管理者に対し、バックアップ用のサイトを設けるなど、対策の強化を呼びかけています。
さて、世界各地でムードが高まっています。
きのう、新潟市に登場したのは、フィンランドから来たサンタクロースです。
ロシアでは、およそ1000人がパレードをしました。
昨夜、点灯したフィリピン独特のクリスマス飾り。
電球はおよそ1万個です。
手で回して模様を変えているんです。
ということで、いよいよ今週クリスマスですよ、近田さん。
そうですよ、中村さん。
どう過ごしますか?
24が木曜日、25が金曜日ですから、仕事かな、楽しみといえば、23日のまちかど情報室、クリスマススペシャルぐらいですかね。
楽しみにしてくださってますか、任せてください。
クリスマスの過ごし方といえば、きれいなイルミネーションを見にいくのも、まちかどのほかにもいいですよね。
いいですね。
各地でね、開催されてますもんね。
それからね、思い返しますと、高級ホテルを半年前から予約して、高級ディナーを食べるっていうのが当たり前という時代もね、あったそうですよ。
羨ましい。
近田さんが若いころはそうだったかもしれませんけれども、民間の会社によるインターネットのアンケート結果では、クリスマスを自宅で過ごすという傾向が、ことしも続いているということなんです。
こちらのクリスマスマーケット、家の中に飾って、クリスマスを盛り上げる雑貨が、1000種類以上も並んでいます。
東京・六本木のクリスマスマーケットです。
ことしで9回目、自宅の飾りつけを楽しむ人たちが多く、年々来場者も品数も増えています。
クリスマス飾りが盛んなドイツの品々なんです。
へぇ、本格的な飾りつけ、楽しむ人、増えているんですね。
中でも人気は、クリスマスまでの日数を数える、カレンダー式の壁飾り。
ありますよね。
一つ一つのポケットに、お菓子やプレゼントを入れて楽しむんだそうです。
いっぺんに開けたくなっちゃうんですよね。
自宅でクリスマスを過ごすおうちクリスマスの傾向は、インターネットのアンケート調査にも表れています。
調査会社が、理想のクリスマスデートを聞いて、2000人が回答しました。
最も多かったのが、自宅でのんびり過ごすで、34.1%。
多かったんですね。
そう、豪華なホテルに宿泊より、ずっと多いんですよね。
そうですね。
予算も減っています。
ことしは全体の平均で、8783円でした。
1万円を切ってるんですね。
自宅で過ごすだけではありません。
ことしのクリスマスのキーワードは、なんとエコなんです。
クリスマスでエコですか?
ちょっと意外ですよね。
インターネット通販で人気のこのクリスマスリース。
かわいらしいです。
どこがエコかといいますと。
どこですか?
なるほど。
クリスマスだけではなくて、そのあとのお正月用としても使うことができるんです。
1つリースが手元にあれば、長く楽しめるっていう意味で、エコなんですね。
そうなんですよ。
このステッカーも、クリスマスの装飾を楽しむことができまして。
サンタさんにトナカイさんに。
あっ、メリークリスマス。
ハッピー・ニュー・イヤー。
お正月用のステッカーもあるんです。
ほぉほぉ。
これね。
ああ!
クリスマスとお正月、セットで楽しめるんですね。
一緒になってるんですね、シートが。
そうなんです。
1枚になってるんです。
自宅で過ごすおうちクリスマスが定着しているのはなぜか。
背景にSNSがあるという声もあります。
きれいに飾りつけした写真を投稿している人も見かけますよね。
飾りや、こういうケーキとかね。
お金をかけなくても、それから1人でもまあ、情報を共有することで、楽しむというムードが広がってるんですね。
そうなんですよね。
こういった今どきのクリスマスについてお伝えしました。
さあ、クリスマスといえば、気になるのが、雪が降るかどうかということで、南さんに詳しく聞いていきますが、どうでしょう?
降りそうなんですね。
降りそう、雪マーク。
24日から寒気が流れ込んできますので、このころ、日本海側はかなり雪の所が多くなって、ちょっとね、大雪になるおそれもありますので、心配です。
十分注意をしてください。
あすからあさってにかけても、ちょっと北日本は雪の降る所が出てくる見込みです。
この雪なんですけども、今、どれぐらい積もっているかといいますと、けさ6時の積雪はといいますと、北陸とか東北付近、ちょっとことしは雪、少ないんですよね。
一番積もっている所を出して見ると、北海道幌加内町朱鞠内が78センチ、青森・八甲田山系の酸ヶ湯が69センチ、いつもだったらこの時期は、1メートル超えてるんですけれども、いつもの年に比べると、30センチから40センチぐらい、雪が少なくなっているんです。
少ないんですね。
78センチとか、69センチとか、雪ってどのように測定してるんですか?
今ね、自動で測ってまして。
自動で。
このような機械を使ってます。
これ、最新式の光電式の積雪計っていうものなんですけれども。
これ?
そうそう、これがですね、どうやって測ってるかといいますと、ここの部分からレーザーの光が出るんですね。
レーザーの光、跳ね返ってくるんですけれども、この跳ね返ってくる時間を測ってます。
たくさん積もると跳ね返ってくる時間がぴぴっと短くなるので、その時間の長短で今、何センチ積もっているかっていうのを測ってるという、そういう機械があるんですね。
さすが中村さん、理系だから、飲み込みが早いですね。
わくわくしますね、こういうお話。
ではこういうものを測ってまして、大雪が降るときなんかは、よくニュースでどこそこで何センチ、雪が積もったとか、降りました、降りますよっていうふうにいいますけれども、ちょっとね、ことしの1月の1日、大雪が降りました。
そのときのニュースの様子を見てみましょうか。
ことしの1月の1日なんですけれども、大雪が降りまして、積雪、新潟県の十日町で、161センチですね。
小谷村で155センチ。
これ、積雪の情報と、もう一つ。
降雪の情報も併せて出してまして、予想される降雪量、あす朝までに北陸、関東、甲信、近畿で80センチ降雪がありますよと。
降雪という、ね、ことばが出ました。
このところでね、よく聞かれるんですけども、積雪と降雪ってどう違うの?とか、この降雪80センチ降ったのがそのまま積もるの?とかね、よく聞かれるんです。
それちょっとね、問題作りました。
ここで問題?
これね、近田さんちのお庭で、積雪、朝の9時の段階で、50センチ雪が積もってましたという設定でいきます。
10時の段階で、10センチ雪が積もりまして、60センチになりました。
11時の段階で、5センチとけちゃったんですね。
55センチになりました。
12時の段階で、また5センチ積もって60センチ、13時の段階で、またとけて55センチ、そして14時の段階で、雪が15センチ積もって70センチになりました。
この9時から14時の間で、降雪は何センチでしょうか。
なんか算数の問題みたいですね。
ですね。
これ30センチ積もって10センチとけてるから20センチじゃないんですか?
20センチ。
20センチ。
じゃあ、答え、お願いします。
答えはね、30センチなんです、30センチなんですね。
降った雪?
そうそうそう、そういうことなんですね。
とけた分は関係ない。
降雪っていうのは、どういうことかといいますと、降雪はですね、1時間に積もった雪を合計していくのが降雪で、積雪は、現在積もってる雪の深さがどれくらいかっていうことなんですね。
もう一度出してみますと、9時から14時までの降雪は、この10センチ、5センチ、15センチって足して30センチなんですね。
14時の積雪は、ここで70センチ。
9時から14時で20センチしか積もってないと、30センチは降ったんだけど、20センチしか積もってないんですけども、まあ、これは雪はね、ちょっととけてしまったとか、途中で風で飛ばされたりとか、雪で、重さで圧雪された分ということで、そのまま積もるというわけじゃないんですね、降雪がね、30センチそのまま積もるわけじゃないということなんですけれども、でもこの降雪が非常に大事なんですね。
この降雪がこれからどれだけ降るかっていうことによって、新たに対策を進めないといけないし、これ、目の前を通過していく雪の量っていうことでもありますので、交通機関にも乱れが出るんですよね。
ということで、大雪注意報はこの降雪量が基準になってます。
札幌は平地で12時間に20センチ、秋田、金沢では15センチ、やっぱり雪の弱い所では、降雪量少なくとも影響が出ますので、大阪や東京都心では24時間で5センチっていうね。
注意報出る基準が、地域によって違うと。
それは雪に慣れてるか慣れてないかということで、この降雪量って、目の前を通過した雪の量でもありますので、ことしといいますか、このあと、クリスマスのころにちょっと大雪になる可能性ありますので、大雪注意報出たら、十分注意をしていただきたいと思います。
では現在、雪が積もっている旭川の様子、ご覧ください。
ああ、積もってますね。
旭川、現在の積雪は24センチです。
あすもですね、夜を中心に雪が降り、また、クリスマスのころ、大雪になるおそれがありますので、十分注意をしてください。
安倍総理大臣は昨夜、おおさか維新の会の前の代表の橋下前大坂市長らと会談しました。
民主党などからは、野党側の分断を図るねらいがあると警戒する見方も出ていて、安倍政権とおおさか維新の会との関係が、来年の通常国会や参議院選挙に向けて、焦点の一つになりそうです。
安倍総理大臣は昨夜、橋下前大阪市長と3時間余りにわたって会談し、菅官房長官とおおさか維新の会の今の代表を務める、大阪府の松井知事も同席しました。
会談では、先月行われた大阪府知事選挙と市長選挙の結果や、政界引退を表明している橋下氏の考えなどのほか、年明けの来月4日に召集される通常国会への対応などを巡っても、意見を交わしたものと見られます。
新代表の松井氏は、安倍政権とは政策ごとに是々非々の姿勢で臨む方針の一方、民主党を中心とする野党勢力を結集する動きとは、一線を画す考えです。
また、橋下氏は退任の記者会見で、来年夏の参議院選挙の結果では、憲法改正の発議に向けた動きが進む可能性があるという認識を示しています。
このため、民主党などからは、昨夜の会談について、野党側の分断を図るねらいがあると、警戒する見方も出ていて、安倍政権とおおさか維新の会との関係が、来年の通常国会や参議院選挙に向けて焦点の一つになりそうです。
次は、外務省が行った外交に関する世論調査です。
東アジア地域の安全保障環境が厳しさを増していると考えるか尋ねたところ、80%以上の人がそう思うと答えました。
外務省は、先月30日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、電話による世論調査を行い、1000人から回答を得ました。
それによりますと、近年、東アジアを取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増していると考えるかと尋ねたところ、とてもそう思うが53%、どちらかといえばそう思うが30%で、合わせて80%を超えました。
これに対し、どちらかといえばそう思わないが3%、全くそう思わないが1%で、合わせて4%でした。
また日本が韓国と協力すべき分野を複数回答で聞いたところ、文化交流が82%で最も多く、環境・気候変動問題と、拉致・核・ミサイルを含む北朝鮮問題が79%でした。
一方、日本が中国と協力すべき分野を尋ねたところ、大気汚染などの環境問題や、公衆衛生・疾病対策が84%で、人的・文化的交流の拡大や国民間の相互理解の推進と、食の安全に関する問題が80%でした。
外務省は、南シナ海での大規模な埋め立てや北朝鮮情勢など、東アジアを巡る問題が国際会議などでも取り上げられたことで、問題意識を持つ人が増えているのではないかとしています。
介護現場の人手不足解消へ、新たな対策です。
厚生労働省は、育児などで職場を離れた介護職員が、施設などに再就職する際、準備金を貸し付け、2年間働けば返済を免除する、新たな制度を設けることになりました。
厚生労働省によりますと、介護福祉士の資格を持っているおよそ120万人のうち、介護の現場で働いているのは66万人余りで、出産や育児のため、職場を離れる人も少なくありません。
深刻な人手不足を解消しようと、厚生労働省は、1年以上介護の仕事をした経験がある人が、施設などに再就職する際、準備金として20万円を貸し付け、2年間継続して勤務すれば、返済を免除する新たな制度を設けることになりました。
このほか、介護福祉士の資格の取得を目指す学生に学費などを貸し付け、5年間介護の現場で働けば、返済を免除する制度も拡充するとしています。
厚生労働省は、人材の確保策と共に、施設などの整備を進め、家族の介護のために仕事を辞める人をなくす介護離職ゼロを実現させたいとしています。
続いてスポーツ、向井アナウンサーです。
おはようございます。
スキージャンプの葛西紀明選手がまたも記録更新です。
43歳で、ワールドカップの表彰台に立ちました。
すごい。
葛西、今シーズンはここまで5位が最高でした。
1回目のジャンプ。
131メートル50。
12位と出遅れます。
上位の選手が伸び悩んだ2回目。
どうだ?
どうだ?おっ?
高いジャンプ。
落ちなくて、伸ばして、134メートル。
大きく順位を上げました。
葛西は3位、今シーズン初の表彰台で、自身が持つ最年長表彰台の記録を43歳6か月に更新しました。
葛西選手、今シーズンは表彰台は厳しいと思っていた。
こうなると、欲も出てくると、上を見据えていました。
ということは、レジェンドの優勝も出てきそうということですか?
まだシーズンありますからね。
期待しましょう。
さあ、次はサッカーです。
現役引退を表明した澤穂希選手ですね。
最後の大会になる皇后杯、準々決勝に臨みました。
澤は、いつもどおりの全力プレーをと、平常心で試合に入りました。
前半9分、中盤の澤が攻撃の起点に。
右サイドから、2番の近賀が来て、もう一度。
おっ、入った!
あっ、入った!
近賀が押し込みました。
澤のパスから先制ゴールが生まれます。
佐々木監督も。
2点リードの後半、風下で攻め込まれたレオネッサは、澤が体を張ります。
空中戦も。
激しい。
ここもすかさず、相手の攻撃の芽を摘みました。
そしてアディショナルタイム。
チャンスを迎えます。
コーナーキック。
一番外から。
澤選手!あっ、惜しいですね。
横、ネットの。
ゴールこそなりませんでしたが、澤は攻守にわたる活躍で、準決勝進出に貢献です。
このメンバーで絶対優勝して、最後、笑顔で終われたらいいなと思います。
かっこいい。
澤選手、準決勝は今月23日。
夫がスタッフを務める仙台との対戦です。
以上、スポーツでした。
続いては、特集です。
企業の新卒採用に、異変が起きています。
先週開かれた会社説明会。
対象は、大学3年生ではなく、4か月後に働き始める4年生、既卒者です。
中堅・中小企業の中には、この時期になっても必要な数の学生をまだ確保できていない所があります。
説明会に集まったのは、57社。
会場に入りきれず、参加を断られた企業も多数ありました。
採用方法を一新する企業も出ています。
17種類にも及ぶ選考を用意し、学生が得意な方法を選べるようにしました。
中堅・中小企業の採用の現場で、今、何が起きているのでしょうか。
年末のこの時期になっても、まだ中堅、そして中小企業の採用活動が活発に行われているんですね。
そうなんですよね。
背景にあるのが、採用のスケジュールなんです。
こちらですね。
これまでは、大手企業は4月から採用選考を始めていました。
中堅・中小企業は、大手の採用が一段落したあと、本格化させていたんです。
しかしことしは、経団連の指針でスケジュールが変わり、中堅・中小企業が先に選考を始めることになりました。
そのあと、大手が内定を出し始めた8月以降になって、大手に受かった学生が、中堅・中小企業からもらっていた内定を辞退するというケースが相次いだんですね。
内定辞退が出た中堅・中小企業は、今、どんな採用活動を続けているのでしょうか。
従業員およそ900人の建設会社で採用を担当している、水野類さんです。
この会社は、今も週に1度、4か月後に入社する社員を採用するために、説明会を続けています。
大手企業よりも先に内定を出すことになったことし、目標人数の1.7倍の内定を出しましたが、およそ半数の辞退者が出ました。
水野さんはこれまで、内定者をつなぎ止めようと、さまざまな対策を取ってきました。
内定者との距離を縮めようと、ネットを通じて、こまめに相談に乗りました。
乾杯!
さらに、月に1度懇親会を開き、内定者どうしが親しくなれる機会も作ってきました。
ことしの採用選考が混乱した原因は、スケジュールの変更だけではないと考える専門家がいます。
これはどちらかというと、大企業のモデルですね。
多くの…。
横浜国立大学大学院、服部泰宏准教授です。
データから採用を分析する、採用学を研究しています。
内定辞退者を生んでしまう背景には、現在主流となっている採用方法があると考えています。
それは、ネットでのオーディション型と呼ばれる方法です。
企業はネット上の就職情報サイトに求人情報などを出します。
学生は、サイトを通じて企業に応募します。
手続きが簡単になったことで、企業には多くの学生から応募が集まるようになりました。
その結果、採用選考の規模が大きくなり、一人一人と向き合う時間が少なくなりました。
本当に入社する気があるのか、学生の本音を見極めることができないまま、内定者を決めることになるのです。
ことしの採用活動を続けている建設会社では、今後の方針を見直しました。
この日、訪れたのは内定者が通っている大学です。
ネットだけでは、自社の魅力を十分に伝えきれないと、学生と直接会って話すことをさらに重視したのです。
学生さん集めて、会社の説明とかって、させてもらえるような場っていうのは、お願いしたら作っていただけるんでしょうか。
会社説明会では、参加する学生は夏までに比べて減りましたが、これまで以上に学生一人一人と向き合う時間が増えました。
水野さんは、学生のやりたい仕事を聞いたうえで、会社の魅力を時間をかけて伝えています。
地道に説明会を続けたことで、必要な人数は確保できました。
さらにいい人材を確保しようと、採用を続けています。
オーディション型をやめ、採用方法を大幅に見直した企業もあります。
新潟にある従業員1100人の菓子メーカーです。
新卒者の採用を担当している、本間聡子さんです。
就職情報サイトを使っていたとき、15人の採用予定人数に対して、およそ1万2000人の応募があった年もありました。
そこで採用学を研究している服部准教授の監修の下、全く新しい採用方法を開発しました。
学生の個性を評価できるように、17種類もの選考手法を用意しました。
この中から、学生は得意な方法を選ぶことができます。
キャプテン採用。
2日間、異なるメンバーで何度も議論を行い、どんな状況でもリーダーシップを発揮できるかを試します。
おせんべい採用。
自社製品のせんべいへの強い愛情を、レポートにまとめて表現してもらいます。
そして人事と学生が、1泊2日の合宿を行う、お泊まり採用。
短い時間では、自分を表現しきれない学生の魅力を見極めるのが目的です。
お泊まり採用を受けた、防村信太郎さんです。
防村さんは、面接になると緊張してしまい、うまく話せないのが悩みでした。
しかし、この採用方法なら、ふだんの自分を見てもらえると考えました。
お泊まり採用の合宿当日、参加した学生は、皆初対面だったため、最初はぎこちない雰囲気が続きました。
その雰囲気を変えようと、防村さんはある特技を披露しました。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と。
手品で会話のきっかけを作ろうとした防村さん。
結果は大成功。
学生どうしの会話が弾みました。
企業は、ムードを変えた防村さんの姿勢を高く評価し、内定を出しました。
防村さんは当初、大手企業も受ける予定でしたが、この会社への入社を決めました。
専門家は、ことしの採用選考をきっかけに、企業が学生一人一人に丁寧に向き合う採用に切り替えていくことを期待しています。
経団連は今月、来年の大手企業の採用面接解禁を、2か月前倒しする指針を決定しました。
1年で採用スケジュールが変更されることになりました。
ただ、これを機に、企業、中堅・中小企業に採用の原点を見つめ直す動きが出てきているというのが、企業側にとっても、そして学生側にとっても、望ましいことですよね。
そうですね。
けさの特集でした。
続いて気象情報です。
南さん。
きょうの日中は、日本海側も晴れ間の出る所が多くなる見込みです。
午前3時の天気図です。
北陸付近に高気圧の中心があって、日本海側も現在、晴れ間の出ている所が多くなっています。
ただ、夜になると高気圧の中心は、関東の東の海上へ移る見込みです。
西日本は高気圧の後ろ側に入って、西から気圧の谷が近づいてくる見込みです。
この影響で、九州は夜になると雨が降りだしてくるでしょう。
昨夜からの雲の移り変わりです。
日本海に広がっていた寒気に伴う雲も、徐々に少なくなってきました。
現在、東日本や西日本などを中心に、晴れてる所が多くなっています。
ただ、大陸から黄海にかけては、次の気圧の谷による雲が広がって、この雲が東へ進んでいます。
この雲の影響で西日本から午後は天気は下り坂に向かう見込みです。
きょうの天気の移り変わりです。
きょうの朝のうちは、まだ北海道、日本海側を中心に、雪の降る所があるでしょう。
日中はこの雲も少なくなって、日本海側も晴れ間の出る所が多くなる見込みです。
夕方からは西日本は曇り空に変わって、夜になると九州は雨、夜遅くになると、中国地方や四国でも雨の降る所が多くなる見込みです。
午後は西から天気は…。
2015/12/20(日) 07:00〜07:45
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]

▽自宅で?お出かけ?クリスマストレンドは▽まだ続く!?ことしの就職活動・大手企業に内定者が流れ、苦戦する中小企業の採用。抜本的な見直しに踏み切る企業の採用最前線

詳細情報
番組内容
▽自宅で?お出かけ?クリスマストレンドは▽まだ続く!?ことしの就職活動・大手企業の採用選考解禁が8月になったことで、中小企業では内定者が大手に流れてしまい、苦戦しています。企業の中には、ことしの教訓を生かし、抜本的な採用方法の見直しに踏み切るところも出始めました。企業と学生の双方が納得できる方法を模索する最前線をリポートします。
出演者
【キャスター】近田雄一,中村慶子,【スポーツキャスター】向井一弘,【気象キャスター】南利幸

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ニュース/報道 – 定時・総合
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スポーツ – スポーツニュース

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