再稼働認める判断 福井地裁
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた4月の福井地裁仮処分決定(樋口英明裁判長=当時)を巡る異議審で、同地裁(林潤裁判長)は24日、関電が申し立てた異議を認め、仮処分を取り消す決定を出した。原発の運転を禁じた初の仮処分決定から8カ月余りで、司法判断が覆り、高浜3、4号機の再稼働が法的に可能となった。地元同意の手続きは完了しており、関電は25日にも核燃料を原子炉に装着する。
福井地裁は4月14日の仮処分決定で、原子力規制委員会の新規制基準について「適合しても安全性は確保されておらず、合理性を欠く」などと判断、高浜3、4号機の再稼働を禁じた。
関電側は仮処分決定を不服として、民事保全法に基づき同地裁に異議を申し立てた。異議審の担当裁判官についての規定はなく、今回は差し止めを命じた樋口裁判長の後任になった林裁判長が担当。5月以降、関電側と住民側の双方が意見陳述する審尋が4回、非公開で行われた。
高浜3、4号機は新規制基準に基づく安全審査に合格し、再稼働準備の最終段階となる使用前検査まで進んでいる。野瀬豊・高浜町長が今月3日、西川一誠・福井県知事が22日に再稼働に同意。今回の司法判断で事実上、ハードルがなくなったため、関電は来年1月下旬以降の再稼働を見込んでいる。
一方、福井地裁は24日、関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)の運転を差し止める仮処分を求めていた住民側の申し立ても却下した。【岸川弘明】