増田愛子
2015年12月24日11時27分
水をせき止める堤体としてご飯を盛りつけ、湖に見立ててスパイス香るルーを皿に流し込む「ダムカレー」。ダムの地元の「ご当地グルメ」として誕生し、今や全国で50種類を超えた。提供店舗の有志による「日本ダムカレー協会」も発足。実物の構造を捉えたこだわりの作りに人気が広がっている。
東京都奥多摩町の小河内ダム。学習施設内のレストランが今年11月、「小河内ダムカレー」を始めた。考案した料理長の河村正彦さん(47)は地元出身。「ダムの全てを表現したい」と、湖に浮かぶドラム缶橋までスパゲティと野菜で再現したこだわりの一皿だ。
ダムは「都民の水がめ」として1957年に完成した。計945世帯が移転を強いられ、離別の思いは「湖底の故郷」という歌にもなった。河村さんは「歴史に思い入れがある私の親の世代も、遊び場として親しんだ我々の世代も、みんなにとってダムは地域の『顔』。新しい工夫もしつつ、提供を続けていきたい」と話す。
埼玉県神川町と群馬県藤岡市にまたがる下久保ダムでは今年6月、道の駅など周辺施設が「下久保ダムカレー」の販売を始めた。
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朝日新聞社会部
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