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沖縄返還「密約」 2年前に肩代わり含め検討12月24日 11時28分
1972年の沖縄返還の際、本来アメリカが負担すべき基地を撤去したあとの原状回復の費用を、日本が代わりに支払ったとする「密約」を巡って、返還の2年前に、外務省が日本が肩代わりすることも含めて検討していたことが、24日に公開された外交文書で明らかになりました。日米の「密約」につながる議論が、沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
24日公開された、沖縄返還の2年前の1970年7月に当時の外務省条約局が作成した「勉強会用メモ」は、沖縄のアメリカ軍基地を撤去したあとの原状回復の費用400万ドルを巡る問題について記述があります。
この中では、「アメリカ側が、返還の際に負担すべき債務を、完全に支払わないまま、沖縄の復帰が実現する場合を想定すれば」という記述があり、その後に続けて、カッコ書きで「実際の問題として、そうなると思われる」と記されています。
そのうえで、「日本としては、アメリカに、残りの債務を負担させる道を復帰後にわたって維持するか、あるいは、アメリカの残りの債務を免除して、日本がこれを肩代わりするかのいずれかの措置を講じる必要がある」として、費用の肩代わりも含めて検討していたことが明らかになりました。
この「密約」を巡っては、ことし3月に亡くなった外務省の元アメリカ局長の吉野文六氏が、当時の政府関係者として初めて認めており、その後の日米の「密約」につながる議論が、外務省で沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
外交史が専門の国立公文書館アジア歴史資料センターの波多野澄雄センター長は、「沖縄返還の交渉の過程では、いくつかの密約の存在が指摘されており、その1つが基地の原状回復に伴う補償をどうするかだった。日本側は当然、アメリカが負担すべきと考えていたが、1972年の沖縄返還を実現するためには負担を肩代わりする方法もやむをえないと、かなり前から考えていたことが分かり、極めて困難な交渉を行っていたことがうかがえる」と話しています。
この中では、「アメリカ側が、返還の際に負担すべき債務を、完全に支払わないまま、沖縄の復帰が実現する場合を想定すれば」という記述があり、その後に続けて、カッコ書きで「実際の問題として、そうなると思われる」と記されています。
そのうえで、「日本としては、アメリカに、残りの債務を負担させる道を復帰後にわたって維持するか、あるいは、アメリカの残りの債務を免除して、日本がこれを肩代わりするかのいずれかの措置を講じる必要がある」として、費用の肩代わりも含めて検討していたことが明らかになりました。
この「密約」を巡っては、ことし3月に亡くなった外務省の元アメリカ局長の吉野文六氏が、当時の政府関係者として初めて認めており、その後の日米の「密約」につながる議論が、外務省で沖縄返還前の早い段階から行われていたことがうかがえます。
外交史が専門の国立公文書館アジア歴史資料センターの波多野澄雄センター長は、「沖縄返還の交渉の過程では、いくつかの密約の存在が指摘されており、その1つが基地の原状回復に伴う補償をどうするかだった。日本側は当然、アメリカが負担すべきと考えていたが、1972年の沖縄返還を実現するためには負担を肩代わりする方法もやむをえないと、かなり前から考えていたことが分かり、極めて困難な交渉を行っていたことがうかがえる」と話しています。