ここから本文です

日本IBM「社外秘リストラマニュアル」の全貌

東洋経済オンライン 12月24日(木)6時5分配信

 また、面談の中で話が詰まってしまわないための準備も万全。対象者から想定される、ありとあらゆる質問や嘆き、反発の言葉が網羅されており、それに対する模範回答例が示されている。

 以下、質問や嘆き(下線部)と模範解答例(太字)の一部を紹介する。

■ 想定される、あらゆる質問・嘆き・怒りに対応

 「家のローンがまだ15年も残っているのです。一家心中をしろとおっしゃりたいのですか?」・・・・あなたの気持ちはよく分かります。皆色々な事情をかかえています。とどまっていることで解決となるとは言えないことを申し上げざるをえません。むしろ、今回の機会を生かしていただきたいのです

 「草むしりでも何でもやるから居させて欲しい」・・・・残念ながらそうした職務はないのです。社内での活用の機会に関しては、マネジメントとしても、十分検討いたしました

 「娘が近く結婚です。退職には合意いたしますから、××月までいさせてください」・・・・お気持ちはよく分かります。しかし今の状況は待ったなしなのです。皆、色々な事情を抱えておりますが、誠に残念ながら、例外を認めることができません

 「マスコミへ出します。外部へ訴えます」・・・・会社は合法的に進めております。会社は何ら傷つくものではありません。マスコミに持ち込むことで、会社の決定は何ら変わるものではないことをご理解ください

 「他にけしからん奴がいることを、ご存じないでしょう。上司がいるときといないときで、まるで態度が違うんですよ」・・・・そういう方には、これから会社としても、きちんと対応させていただきます

 「要するに、辞めろということですね」・・・・会社としては、あなたの職務の先行きが無いことを申し上げなければなりません。是非、この機会に「合意」をいただきたいのです

 「先日のお話を聞いてから、夜も眠れず、食欲もなく、メンタル障害となっています」・・・・先ずは、健康の回復が第一ですね。回復を確実なものにするために、お医者様の診断書を取り、会社としては、どのようなことができるか教えてください

 この他にも数十個の対応例がある。会社に対する攻撃から、泣き落とし、他の同僚に対する不満まで全方位で対応可能だ。これを事前に記憶していけば、勧奨を行う上司も失敗しにくくなるだろう。

3/5ページ

最終更新:12月24日(木)10時35分

東洋経済オンライン

本文はここまでです このページの先頭へ

お得情報

その他のキャンペーン