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箱を開けた特撰ガトーショコラ

本日はクリスマスイヴなので、いつもとは若干異なる記事を投稿したい。先日、ファミリーマートで発売されている、ケンズカフェ東京の氏家シェフ監修のスイーツ「ガトーショコラ」を購入しました。ガトーショコラは苦みばしって濃厚、重過ぎずお酒にも合うので好きなケーキのひとつです。

●オリジナリティーとブランド形成

ケンズカフェ東京のガトーショコラは1種類のみ3,000円(税込み)の一品しか取り扱っていない。別名「ガトーショコラの最高峰」とも称されています。その氏家シェフ監修の「ガトーショコラ」がファミリーマートで発売されているとなれば興味をそそります。しかも360円(税込み)というお求めやすい価格。適度な固さと濃厚な味わいが楽しめました。

そして久々にケンズカフェ東京の「ガトーショコラ」を食してみたいと思い通販にて購入。はじめて気が付いたのですが商品名は「特撰ガトーショコラ」と名づけられています。辞書で調べたことろ「特撰」には「特に優れたものとして選ぶこと。手間をかけること」とあります。手間をかけた一品という意味なのでしょう。

また、「特撰ガトーショコラ」のパッケージは重厚です。食べる前からワクワク感が漂います。「これはきっと美味いにちがいない」と期待をさせるパッケージングです。昔から風呂敷や熨斗の文化があったように、日本人はパッケージングにこだわりがあります。厚紙のはり箱からはスイーツがはいっているようには見えません。あたかも高級ブランド品をイメージさせる重厚さです。

●ラインナップを一品にした強み

消費者のニーズは常に多様化しています。消費者ニーズを適切につかみラインナップを揃えていくのがマーケの一般的な発想です。そして売れ筋に経営資源を投下しながらラインナップを常に見直していくことで消費者ニーズに応えることができます。しかし、確実なる売れ筋があるなら一点投下したほうが効率的です。「特撰ガトーショコラ」には一点投下の強みがあるのでしょう。

一点投下のマーケティングは価格交渉力を強めます。購買する原材料は同じですから、スケールメリットが存在し価格交渉力を押し上げます。さらに、販売予測が立てやすくなるので、廃棄リスクを極力軽減することができます。

一般的なスイーツ店を思い出してください。ほとんどが多品種販売をしているはずです。どこのスイーツ店でもカラフルで趣向を凝らした品揃えをしているはずです。よほどの人気店でない限り廃棄リスクが発生します。またスケールメリットは限定的ですから価格交渉力にも限界が生じます。「特撰ガトーショコラ」のとる戦略は正反対です。デフレ環境を生き抜きブランドを構築したマーケのヒントがここに隠されているような気がします。

今日はクリスマスイヴ。クラシココーヒーにアマレットか、セビリアコーヒー にコアントローを落としながら、ガトーショコラを味わってみたいものです。きっと至福の時間が訪れるにちがいない。

尾藤克之
経営コンサルタント

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