『モンスターハンター』は数あるオンラインゲームの中でも、とりわけ「ガチ勢」と「エンジョイ勢」の隔たりが大きい、多様なプレイヤーを抱えたタイトルであると私は思う。
それはそれで素晴らしいことだが、残念なことに本作はまだシステムが脆弱で、両者が一同に会する機会が多く、同時に軋轢が生じやすい。味方の足を引っ張るプレイヤーは「地雷」とか「ゆうた」等と揶揄され、チャットでの諍いにもなりかねない。
もう10年以上続いている本シリーズ。本作から始めたプレイヤーにとって、もう何年も遊んでいるプレイヤー(ガチ勢)たちと距離感を感じることも多いだろう。
そこで、改めてモンスターハンターにおける基本的な立ち回りを紹介したい。
基礎編
攻撃を回避しよう
いや、決して冗談ではない。賢明な読者の方々は、2~3クエで一回死ぬかどうかといった実力の方が揃っていることだろう。だがそれにしても、平気で2回3回死ぬ人は多い。
別に「死ぬ」事自体は誰にでもある。高レベルのクエストともなれば、うっかりスタミナ配分を間違えたとか、そんな小さなミスが死に直結するし、そもそも仲間にこかされたとか、壁でボコボコにハメられたとか、そんな不運もあるだろう。
とは言え、敵の攻撃を回避しようとせず、棒立ちのままダメージを受け、そのまま死んでしまう人があまりに多い。そういう人はとにかく、目先の敵を殴ることだけを考え、「まず回避してから」という行動を取らない。
そもそも、攻撃を受けて、回復薬を飲む時間より、回避に専念して被弾を減らした方が、結果的に多くの攻撃チャンスが得られるのである。
攻撃を当てよう
いや、決して冗談ではない。聡明な読者の方々は、2~3の攻撃で1度外すかどうかといた実力の方が揃っていることだろう。だがそれにしても、平気で空中を切り裂く人が多い。
当たり前な話だが、いくら溜め3攻撃しようと、乱舞しようと、外せば敵には1ダメージたりとも入らない。せっかくの二つ名武器も、匠スキルも泣いてるぞ。
そこで、このゲームでは如何に的に攻撃を当てるかが重要となる。的に攻撃を当てる?それは簡単なようで、何度も繰り返すこととなると、実は難しい。
攻撃を当てるには、まず持っている武器のリーチを考えることだ。単なる刃幅だけでなく、太刀や片手の抜刀攻撃のように、踏み込む攻撃はその歩幅も考慮する必要がある。
更に、モンスター毎のモーションや姿勢もよく見よう。突進する敵はいずれ止まるし、飛翔する敵はいずれ着地する。その瞬間に隙は生まれる。
最大の敵は「壁」
このゲームを遊んでいて、妙に理不尽な死に方をしたことは、一度や二度ではないはずだ。その最たる例は、敵の周囲をぐるぐる回って回避していたら、突如「壁」に阻まれて死んだというもの。
本作最大の敵は、ディノでもアルバでもない。「壁」である。フィールドを囲む「壁」に触れた瞬間、プレイヤーは身動きが取れず、攻撃をモロに受けてしまう。しかも、その「壁」はカメラの都合的に見えない位置から出てくるのだから、わけがわからない。
もっと酷いのは、『4』から追加された大抵のクソマップだ。これらは「乗り」を意識した高低差が設けられているが、これらも全て「壁」となり、プレイヤー(特にガンナー)の行動を制限する。一時的といえ、動きを制限する「段差」も同じくらい厄介だ。
こんなアクションゲームにあるまじき仕様など、いい加減どうにか修正して欲しいものだが、まぁとにかく、プレイヤー側に打てる対策はまず「マップを確認して、極力マップの端に移動しないこと」と「モンスターが壁際に移動しても、近寄らず、マップ中央に誘導する」ことだ。
弱点を狙おう
攻撃を当ててくれるだけでも嬉しいが、次のステップ…これは私も苦手とすることだが、「弱点」を攻撃すれば、狩りの時間は大幅に短縮できる。
弱点というのは大抵、モンスターの頭にある。モンスター毎でそれぞれ異なるが、基本的に「斬って血が大量に出る部分」は弱点だと考えてもらっていい。
しかし、弱点を狙うことは楽ではない。頭を狙うなら、敵の突進攻撃やブレス攻撃をモロに受ける可能性があり、より少ない隙を突いていく必要がある。逆に積極的に狙えれば、一方的にダウンを奪えるだろう。
また、武器の種類、おおまかにわけて「切断」「打撃」「弾」の3種類だが、これらによって弱点も異なる。例えば炎龍テオ・テスカトルの弱点は「切断」なら頭だが、「弾」なら尻尾にある。これはwiki等で調べておく必要があるだろう。
捕獲しよう
本作は「モンスターハンター」というぐらいだから、要はモンスターを殺していくゲームなことに変わりはない。しかし、各種罠と「捕獲用麻酔玉」を組み合わせることで、敵を捕獲することも出来る。
なに、単に不殺の誓いを立てる抜刀斎のための措置ではない。捕獲をすれば、報酬は比較的リッチなものになり、討伐するより早くクリアできるのだ。
モンスターによりけりだが、敵の体力が「捕獲可能圏内」に入るのは、大抵敵の体力が「10%」を切ったタイミングだ。MH2等の過去作では「40%」とかあったわけだから、弱体化してるものの、「10%」の体力を即座に仕留められるのは大きい。
とは言え、何の考えもなしに罠を仕掛け、「ここにモンスターを誘導しよう!」などといっても、余計に時間がかかったりリスクを背負うこととなる。敵のダウンを取る(ダウンから回復する寸前が望ましい)、尻尾攻撃を誘発するなどして、確実に罠にハメよう。
納刀を忘れずに
大剣使いの方にとってはごく当たり前のことだと思うが、このゲームにおいて「納刀」は意外と忘れられがちなテクニックだ。
武器にはそれぞれ機動力が決められており、大剣やスラッシュアクスは抜刀状態でロクに動くことが出来ず、片手剣やライトボウガンはそれなりに軽快に動くことが出来る。
とは言え、いくら軽快な片手剣でも、縦横無尽に移動する飛竜を捉えるのは困難を極める。そんな時、多少の手間を惜しまず積極的に納刀し、ダッシュで接近して一撃でも加えるようにしたい。
このゲームにおいて、納刀状態のダッシュによる機動力は、とても強力なハンター側の武器だ。攻撃を回避するにも、敵を追撃するにも、納刀状態を維持して常にダッシュするぐらいが調度良い。
例外として、常にヘイトがこちらに向いているソロプレイなら、納刀せずとも手数は稼げるだろうが。
応用編
防具はスキルより防御力
とにかく低い防御力で高難度のモンスターに挑み、あっさり死んでしまう人が結構多い。
最も、防具そのものは立派なのだ。スキルが発動した二つ名とか、充実したキメラ装備など。それでも、剣士で防御力500を下回った状態で、二つ名や古龍に挑むのは腕に自身がない限り無謀としか思えない。
いくら攻撃【大】をつけようと、高級耳栓をつけようと、ワンパン・ワンコンボで沈む防具などいらない。死んで復活するまでの時間に一度や二度斬りつけた方が火力は出る。
とにかくスキルなど後回しで良いので(さすがに激運だけとかは辛いけど)、まず防御力を手に入れ、敵の攻撃に2~3発は耐えられるようにしよう。そして、金や鎧玉はケチらずガンガン使おう。
ハッキリ言って、防御力500未満で二つ名部屋にはいろうものなら、蹴られても文句は言えない。
有用なスキルを見定めよ
とは言え、逆にスキルには全く無関心で、なんとなく寄せ集めの素材で防具を作ってみた!という人もいる。というか、未だにお守りの「採取+10」しか装備しない人が多すぎる。
まぁ本作にはそこまでシビアなクエストもないし、スキルは人の自由だろう。とは言え、お守りや少ないスロットで発動する、優秀なスキルも存在するので、機会があれば試して欲しい。
もし防具にスロットが5つあれば(お守りを含め)、「砥石高速化」「キノコ大好き」「捕獲の見極め」「乗り名人」「笛吹き名人」「特定射撃強化」など、極めて強力なスキルが選び放題なのだから。
エリアル時の立ち回り
本作から新たに追加されたスタイル「エリアル」について、少し立ち回りを考察したい。
まず、エリアルの強力な武器は、「乗り」という状態異常で敵を積極的に拘束できることにある。モンスターに「乗り」を成功させると、モンスターは一定時間動きが止まり、一気にダメージを与えることが出来るからだ。
このダウン攻撃は勿論強力だが、欠点もある。まず第一に、空中から狙えるモンスターの部位は、大抵「背面」とか「翼」のような、ダメージがあまり通りにくい、「硬い部分」だ。
いかに乗りが強烈とは言え、延々背中を殴っていてもモンスターの体力は減らず、部位破壊も難しい。翼が壊れたり、乗りに成功して蓄積値が飽和した状態なら、積極的に「頭」や「尻尾」のような弱点も同時に狙っていくべきだろう。
まして、ダウン時は格好のチャンス。弱点が丸出しのダウン中で、何故か延々と翼を切っている人がいるが、ダメージが通ってない以上、ぶっちゃけ何の役にも立ってない。それを人はバッタというのだ。
ブシドー時の立ち回り
次は「ブシドー」について考察していこう。
こちらはエリアルと異なり、武器毎に大きくモーションが異なるので、一概に説明し辛いのだが、1つ明らかなことは「ジャスト回避・ジャストガード」からの派生モーションがとても強力だということだ。
よく、ブシドーをスキル「回避性能」代わりに使っている人がいるが、それは勿体無い。ブシドー時ではモーションが制限されている以上、積極的に「ジャスト回避」を狙い、そこから強力なモーションを叩き込むべきだ。
その点で、ブシドーは「攻撃スキル」なのである。特にモーションが読み易い「尻尾攻撃」や「ブレス攻撃」が来たら、自分からローリングで敵の攻撃に突っ込み、そのまま強力な派生モーションを叩き込んでやろう。特に太刀やヘビィではこのテクニックが欠かせない。
集会所のマナーについて
素材を集める上で欠かせないのが、オンラインを介して他人と協力しつつ狩りが出来る「集会所」だ。
とは言え、集会所で出会う人間は全員赤の他人。そこには、当然ながら最低限のマナーが存在する。特に、これらについては忘れないでおきたい。
①入室したら挨拶を欠かさない
:終始無言でクエストに参加する人がよくいるが、アレは「無礼」と言うより「気持ち悪い」と思われる。自分も人間という意味で、「よろしくお願いします」と一言言っておくべきだ。
②無闇に味方をふっとばさない
:このゲームでは所謂「フレンドリー・ファイア」がオンになっている。つまり、味方を攻撃できてしまう=味方に攻撃を当てないようにするというルールが、このゲームの面白さなのだ。自分の攻撃で味方が転んだり、吹っ飛んだりしていないか注意しよう。
③高難度のクエストは事前に調べるか、装備を用意する
:万人に遊ばれる『モンハン』とて、一部のガチ勢に用意された「廃コンテンツ」が存在する。一部の強力な古龍や、二つ名、「たん掘れ」がそれだ。これらのクエストに挑むなら、装備や知識を事前に用意するのがマナー。仮にそれを注意されても、「ガチ勢のために調整されたコンテンツ」なのだから、素直に他のクエストを楽しむべきだろう。
④キックされても気にしない
:これらの注意を守っていても、不幸にも「通信が切断されました(あなたは追放されました)」と言われてしまうこともある。「一体何が部屋主の気にそぐわなかったのか」と考える思慮深い人もいるかもしれないが、大抵は「部屋主がフレンドと待ち合わせてた」とか、大した理由ではないから、気にする必要はない。もしキックされるのが腹立たしいなら、自分で部屋を立ててしまえばいい。