バンコク=大野良祐
2015年12月24日01時00分
軍主導のタイ暫定政権は23日、今年1年の国家運営を振り返る記者会見を開いた。プラユット暫定首相は「事態はまだ正常化していない」として、言論の自由などを封じたいまの体制を2017年半ばまで続けることを正当化し、国民に協力を求めた。
軍部は14年5月にクーデターを決行。以後、軍主導の最高機関、国家平和秩序評議会(NCPO)が独裁体制をしいている。民政復帰のための新憲法案起草作業はずれ込み、総選挙は早くて再来年半ばとみられる。
プラユット氏は会見で「私が人権を侵害していると言う者は、我々が異常な状況にあるということを理解する必要がある。私の権力には正統性がないという者に対しては、我々は事態を正常化させるために改革に取り組んでいる、と言っておく」と語った。また「我々には民主主義が必要だ。しかし、これまでのような政治混乱を繰り返すわけにはいかない。総選挙までの1年半の間に、そのことを考えねばならない」と述べ、タクシン元首相派と反タクシン派の対立からくる政治の不安定さをなくす必要性を強調した。
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朝日新聞国際報道部
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