組織の中で自然と増えてしまうのが、会議と書類です。これらを削減することに苦心する会社は多い。実は、ムダな会議を減らすには、トップ自らが会議をなくすしかありません。決議をしない会議、終了予定時間が過ぎても続く会議などはもってのほかです。今回は、松本晃会長にムダな会議の削減方法について聞きます(前回の記事はこちらをご覧ください)。
売り上げの拡大を図ろうと、頻繁に営業会議を開いています。ただ、時間を掛けているにもかかわらず、めぼしい案が出てきません。会議を効率的かつ有用なものにする方法を教えてください。
【松本晃のA】
ノー・ミーティング・ノー・メモ(意味のない会議は不要。そのために作る資料はもっと不要)──。私は口を酸っぱくして言っています。社内で昼間から会議をしているくらいなら、取引先に出向くほうが、顧客ニーズがつかめます。
人を集めて会議をすれば当然、時間が奪われます。会社にとって従業員の時間とは全てお金(コスト)。だから、会議の数は減らすべきなのです。
では、どのようにカットするか。まず決議のない会議はやめるべきです。会議には、報告と教育(学び)、決議の3つがバランス良く入っていたほうがいいと私は考えています。
ところが駄目な会議は報告だけ。報告だけなら、今時メールで伝えられるし、そのほうが、はるかに効率がいい。教育だけなら研修会を開けば十分です。会議は最終的に何かを決めるためにあるのです。
この基準に照らせば、会議は必要な時に開くだけで済みます。定例会議は特に良くない。定例にすると、会議時間だけが決まっていて、中身は後から無理やりひねり出すケースが増えかねません。
会議をやめるならまずトップから
会議をやめる場合、経営者であるあなたを含めた幹部会議から順に実行すべきです。
その理由は2つあります。1つは説得力を持たせるため。トップが会議を減らせと号令をかけても、率先して手本を見せなければ、従業員は行動を変えようとはしません。
もう1つは幹部が会議を開くことによる副作用をなくすためです。会議を開くには、たいてい資料が必要です。しかし、トップが自ら作ることはほとんどなく、部下に任せる。部下からしたら、ひどい迷惑です(笑)。資料作成に追われて現場を回る時間が削がれる。