♪ ホテル・カリフォルニア / イーグルス:1976年作
ロックの名曲を新曲として聴けた幸せ
友達が、ラジオで流れたイーグルスの新曲をカセット・テープに収め、それを持って来てくれました~
その哀愁を帯びたイントロのギターとメロディ…
『わぁ~いい曲だ!』と始まった瞬間に感じ、今から思うと不思議な程、静かに聴き入りました!
でも・・・残念なのは・・・
その70年代を代表する名曲との出会いの場所が、汚く陽が当たらない下宿だったこと・・・(笑)
【 Album Data 】
リリース:1976年12月8日(米国)、12月21日(日本)
チャート:米国1位、英国2位、オリコン2位
時代をリード
50年代がエルヴィス・プレスリー、60年代がビートルズ、80年代がマイケル・ジャクソン~それぞれ“時代をリードしたアーティスト”を明確に断言できる時代と違って、70年代はそれが???
当時はそれが残念で仕方なく「不遇な時代にあたったもんだ!」と嘆いておりました(笑)
しかし、それは大きな間違いだった!
ビートルズが行った音楽実験を経て、60年代に創造された数々の音楽は、70年代に入ると拡散、それぞれの分野で発展、進化を遂げて行きます。
その結果として、その分野での第一人者的なバンドがあっても、ひとつひとつのジャンルがあまりに巨大すぎて一本にまとめることなど不可能になってしまった・・・
これじゃあ、一人のアーティストが“時代をリードする”なんてことは、とうてい無理ってものですよね!
そんな怪物バンドがひしめく中でも、間違いなく70年代を代表するバンドのひとつと云えるのがイーグルスでした・・・
現在も“大物”といわれている様な数々のバンドの中で、デビューから解散までリアルタイムで経験出来た数少ないバンドのひとつ、全てのLPをほぼ発売日に義務であるかの如く買い揃えました。
【 Single Data 】
リリース:1977年2月
チャート:米国1位、英国8位
今日ご紹介する「ホテル・カリフォルニア」は、今やロックのスタンダード、知らない人など殆どいないといってもいい曲、1976年12月8日(日本では同年同月の21日)リリースされた同名のアルバムから、翌1977年2月22日にシングル・カットされました。
この曲を紹介する上で、欠かすことの出来ないのがその詞に隠された意味です。 今更と思われる方も多いでしょうが、知らない方の為に・・・
We haven't had that spirit here since 1969
《1969年以来ここにそんな酒(スピリッツ)は置かなくなった》
ここでの“spirit”は、本来のお酒という意味に精神(ロック・スピリッツ)を掛け合わせたもので、“1969年以来、ロック・スピリッツを持ったアーティストなどいなくなってしまった”という2重の意味を持っています。 そしてその“1969年”というのが、その年の8月15日から17日に行われた“伝説のコンサート”と云われているウッドストック・フェスティバルのことを意味します。
若者文化の絶頂期を象徴するウッドストック、しかし、それは衰退の始まりでもあったわけです。
“愛と平和を祝う”といった若者文化の聖典は、一方で「大規模コンサートは儲かる」といった対極にある商業主義の台頭を生み出すことにも・・・
You can check out anytime you like,
but you can never leave
《チェック・アウトは出来ても 、決して出られない》
一度でも甘い蜜を吸ったものは、二度と元へは戻れない・・・
たとえ不便であっても、そちらの方が安全で人間らしさが保てると分っていても、一度でも便利な生活を享受したものが、理想を追おうとする事は容易いことではない。
繁栄と失望、アメリカそのものの姿
このアルバムがリリースされた1976年は、アメリカ合衆国の建国200周年にあたりました。
かつて彼らの先祖、アメリカ移民は荒れ地を開拓して町を作って行った~辛い作業だったでしょう!
しかし、そこには“自分たちの未来は自分たちの手で~”といった明日への希望という原動力がありました。
恐らくアメリカ人の遠い祖先が思い描いていた以上に繁栄し、世界一の巨大な国になった祖国アメリカ合衆国・・・
失墜するなんて考えられない、何事も疑うこと無く進んで来たものの、旧ソ連との冷戦、ベトナム戦争での実質的な敗戦...etc
「これで良かったのか?」と自問自答・・・
かつて希望に満ち溢れた“フロンティア精神”で、その大いなる繁栄を享受出来たものの、一方であまりに多くの問題点を抱え込んでしまったアメリカ~しかし、アリ地獄の如く、今更、引き帰すことも出来ない・・・
まるで、「ホテル・カリフォルニア」で歌われた内容そのものですね!
完璧なライヴですね!
Hotel California - Eagles
ホテル・カリフォルニア / イーグルス
暗い荒涼としたハイウエー
ひんやりとした風が髪をなでる
コリータスのむせかえるような香りが
あたりに立ち上る
はるか前方に
かすかな光がみえた
頭は重いし目も霞む
今夜はもう泊まらなきゃ
彼女は入り口のところに立っていて
そこに教会の鐘の音が聞こえてきた
僕は考え込んだ
ここは天国か それとも地獄なのか
彼女は蝋燭をともし
中へと案内した
廊下の奥からは声が響いてくる
それは多分こんな風だった
ホテル・カリフォルニアへようこそ
とても素敵なところです
とても素敵なひとばかり
ホテル・カリフォルニアでは
お部屋は充分用意してございます
一年中いつでもございますよ
ございますとも
彼女はティファニー狂
メルセデスを持ってる
ボーイフレンドも たくさんいるが
彼女に言わせれば みんなただの友達
みんなで中庭で 踊り
心地よい甘い夏の汗
思い出すために踊り 忘れるために踊る
ワイン(酒)を持ってきてくれ
と料理長に言うと
彼は言った
1969年以来ここにそんな酒(スピリッツ)は置かなくなったと
そしてまだ あの声が遠くこだまする
真夜中に起こし
こう言ってるように聞こえた
ホテル・カリフォルニアへようこそ
とても素敵なところです
とても素敵なひとばかり
ホテル・カリフォルニアでは
皆さんとても楽しく過ごしておられます
素晴らしい驚きにあふれています
あなたの言い訳にどうぞ・・
鏡張りの天井
ピンク色のシャンペンと氷
彼女は言った
ここでは皆ただの囚われ人
自分でそうしてる
そして支配人の部屋で
皆が宴会のために集まっていた
スティーリー(鉄製)のナイフで切ろうとしてたが
獣すら殺せやしなかった
最後に覚えているのは
ドアに向かって走り出してたということ
入り口に戻る廊下を見つけなきゃ
もと居た場所に戻れる・・・
まあ 落ち着いて と夜番の男が言った
ここは受け取る事しか出来ない
いつでもチェック・アウトはできても
けっして出て行く事はできない
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