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MERS 韓国政府が公式の終息宣言12月24日 1時14分
ことし5月以降、感染が広がり38人が死亡した韓国の「MERSコロナウイルス」について、韓国政府は、24日午前0時、国際機関の基準に基づいて公式の終息宣言を出しました。
韓国ではことし5月、中東から帰国した男性から「MERSコロナウイルス」の感染が広がり、186人が感染し、このうち38人が死亡しました。
WHO=世界保健機関はMERSの流行の終息を宣言する基準として、ウイルスの潜伏期間などを考慮し、患者がいなくなってから28日後と定めています。
先月25日、MERSに感染したあと治療を受けていた患者が死亡し、28日が経過したことから、保健福祉省は24日午前0時に事態は終了したと発表しました。
韓国政府はことし7月、新たな感染者が出なくなったとして事実上の終息宣言を出しましたが、WHOの基準に基づく終息宣言までは最初の患者が確認されてからおよそ7か月かかったことになります。
韓国では、MERSの感染拡大によって多いときで6700人が隔離の対象となり、全国の2900校が休校になるなど市民生活に大きな影響が出ました。また、6月だけで外国からの観光客が前の年と比べて52万人減少し、観光収入がおよそ780億円減るなど経済的にも大きな打撃を受けました。
韓国政府は公式の終息宣言を出したものの、今後も海外から新たな感染症が流入する可能性はあるとして、防疫対策を進めています。
WHO=世界保健機関はMERSの流行の終息を宣言する基準として、ウイルスの潜伏期間などを考慮し、患者がいなくなってから28日後と定めています。
先月25日、MERSに感染したあと治療を受けていた患者が死亡し、28日が経過したことから、保健福祉省は24日午前0時に事態は終了したと発表しました。
韓国政府はことし7月、新たな感染者が出なくなったとして事実上の終息宣言を出しましたが、WHOの基準に基づく終息宣言までは最初の患者が確認されてからおよそ7か月かかったことになります。
韓国では、MERSの感染拡大によって多いときで6700人が隔離の対象となり、全国の2900校が休校になるなど市民生活に大きな影響が出ました。また、6月だけで外国からの観光客が前の年と比べて52万人減少し、観光収入がおよそ780億円減るなど経済的にも大きな打撃を受けました。
韓国政府は公式の終息宣言を出したものの、今後も海外から新たな感染症が流入する可能性はあるとして、防疫対策を進めています。
院内感染をどう防ぐかが課題に
韓国での「MERSコロナウイルス」は、すべての患者が病院内で感染したとみられており、院内感染をどう防ぐかが課題として浮かび上がりました。
感染者の内訳を見ますと、もともと入院していた人など患者が44%、見舞いなどで病院を訪れた人が35%、そして医療スタッフが21%でした。
このうち医療スタッフの感染は院内感染を拡大させた原因の1つになったため、韓国の病院では医療スタッフに対する感染防止の教育が進められています。具体的には、防護服を脱ぐ際に服に付着していた患者の飛まつを手で触り、感染したとみられるケースがあったということで、防護服を正しく扱うよう指導しているということです。
韓国原子力病院のイ・ヒョラク医師は「防護服は正しく脱がなければ着る意味がないと言ってもよい。医療器具や防護服の性能も重要だが、使い方や本人の行動がもっと重要だ」と話しています。
また韓国では、患者の家族や友人が患者の世話や見舞いで頻繁に病院を訪れる慣習があり、WHOから感染拡大の要因の1つと指摘されました。保健福祉省はこうした慣習の改善を図ろうと先月、「見舞い文化改善宣言」を発表し、病院への見舞いはできるだけ自制して、SNSのメッセージを使うことなどを呼びかけました。ソウル市内の「セブランス病院」では、病室への出入りは入院患者1人につき1人だけと定め、見舞い客は決められた時間しか病室に入れないようにしました。
チョン・ジンヨプ保健福祉相は「MERSという苦い経験を大きな教訓にしなければならない。政府だけでなく民間も含め、ともに力を合わせ取り組んでいきたい」と話しています。
感染者の内訳を見ますと、もともと入院していた人など患者が44%、見舞いなどで病院を訪れた人が35%、そして医療スタッフが21%でした。
このうち医療スタッフの感染は院内感染を拡大させた原因の1つになったため、韓国の病院では医療スタッフに対する感染防止の教育が進められています。具体的には、防護服を脱ぐ際に服に付着していた患者の飛まつを手で触り、感染したとみられるケースがあったということで、防護服を正しく扱うよう指導しているということです。
韓国原子力病院のイ・ヒョラク医師は「防護服は正しく脱がなければ着る意味がないと言ってもよい。医療器具や防護服の性能も重要だが、使い方や本人の行動がもっと重要だ」と話しています。
また韓国では、患者の家族や友人が患者の世話や見舞いで頻繁に病院を訪れる慣習があり、WHOから感染拡大の要因の1つと指摘されました。保健福祉省はこうした慣習の改善を図ろうと先月、「見舞い文化改善宣言」を発表し、病院への見舞いはできるだけ自制して、SNSのメッセージを使うことなどを呼びかけました。ソウル市内の「セブランス病院」では、病室への出入りは入院患者1人につき1人だけと定め、見舞い客は決められた時間しか病室に入れないようにしました。
チョン・ジンヨプ保健福祉相は「MERSという苦い経験を大きな教訓にしなければならない。政府だけでなく民間も含め、ともに力を合わせ取り組んでいきたい」と話しています。