大人のハリー・ポッター、舞台キャスト発表 アフリカ系女優を作者歓迎
- 2015年12月22日
来年夏にロンドンで上演予定の注目舞台「ハリー・ポッターと呪われた子供」のキャストが20日夜(日本時間21日朝)、発表された。内容は「ハリー・ポッター」シリーズの続編で、大人となったハリーたちをイギリスの実力派俳優たちが演じる。映画シリーズではエマ・ワトソンが演じたハーマイオニーをアフリカ系の女優が演じることになり、原作者J.K.ローリングはハーマイオニーの外見について「白い肌」と特定したことは一度もないとツイート。「ローリングは黒人のハーマイオニーが大好き」と応援した。
原作シリーズの19年後に設定されている舞台で、大人のハリーを演じるのはジェイミー・パーカー(36)。現在ロンドンのウェストエンドでミュージカル「ガイズ&ドールズ」に主演中。舞台「ヒストリー・ボーイズ」とその映画版に出演のほか、「上流社会」、「ヘンリー5世」などの舞台に主演した経歴をもつ。
大人になったハーマイオニー・グレンジャーを演じるのは、ノーマ・ドゥメズウェニ(45)。舞台出演が多く、2005年には舞台作品に与えられる英オリビエ賞も受賞しており、現在はロンドンのロイヤルコート劇場で「リンダ」に主演中。
大人のロン・ウィーズリーを演じるのは、最近では映画「ロンドン・ロード」や同「マン・アップ」などに出演の舞台俳優ポール・ソーンリー。
作者のローリングは「『ハリー・ポッターと呪われた子供』のキャスティングにとてもワクワクしている」とコメントしている。
「ジェイミーとのノーマとポールが来年の夏に舞台で、大人のハリーとハーマイオニーとロンに命を吹き込むのが楽しみで仕方がない」とツイートしたローリングさんはさらに、ハーマイオニーに黒人女優をキャスティングしたことについて言及。原作小説でハーマイオニーの人種を「特定したことは一度もない」と言明した。
「原典:茶色い瞳、ちりちりの髪、とても優秀」 質問に答えてローリングさんはこうツイートした。「白い肌と特定したことは一度もない。ローリングは黒人のハーマイオニーが大好き」。
2部作の舞台はローリング、戯曲家ジャック・ソーン、演出のジョン・ティファニーによる物語をもとに、ソーンが戯曲を執筆。ハリーは、学校に通う子供3人の父親で、過労気味の魔法省職員として登場するという。
発表されているあらすじによると、大人になったハリーが自分の過去との折り合いに苦労する一方で、末息子アルバスは希望したわけでもない家族の過去の重みに苦労することになるという物語になる。
来年6月7日からロンドンのパレスシアターでプレビューが始まり、7月30日に初日を迎える予定。
キャスティングが発表されるとソーシャルメディアではたちまち大きな話題になり、ドゥメズウェイニは20日夜、自分のツイッターアカウントで「えーと……、うん。自分のタイムラインがいま爆発。いったいなにごと?」とツイートした。
戯曲家ジャック・ソーンは主役発表について「すごくうれしい」「素晴らしい顔ぶれ」とツイートした。「ノーマとジェイミーとポールは素晴らしい3人になる。3人が出てくれてとても幸運だ」と書いた。
ソーンはさらに「このキャスティングが不安だと言うみなさんへ」として、「安心して。ポールは心の中では赤毛だから」と冗談で続けた。原作のロン・ウィーズリーは赤毛という設定。
パーカーもツイッターで「ものすごい応援」に感謝し、「この最高のチームのために最善を尽くす」と書いた。
(英語記事 Harry Potter and the Cursed Child announces lead cast)